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フォロワーシップとは?5つのタイプからリーダーシップとの相乗効果を事例と共に解説

フォロワーシップとは?5つのタイプからリーダーシップとの相乗効果を事例と共に解説

“リーダーシップ”は聞いたことあるけれど、“フォロワーシップ”って何?と思う方が多いでしょう。実は、組織力を向上させるためには、フォロワーシップを高めていく必要があるのです。

今回は、リーダーを支える「フォロワーシップ」について解説します。5つのフォロワータイプから紐解くフォロワーシップの重要性と危険性を分かりやすく紹介し、それを踏まえてフォロワーシップ的行動の事例と実践ポイントをお伝えします。組織的に安定した成果を生み出したい企業は必見の内容です。

フォロワーシップとは?

フォロワーシップとは、組織のリーダーを自律的にサポートする能力を指します。
組織のメンバー全員が同じベクトルを向いて仕事に取り組むことで、健全で強固な組織運営をする事ができますが、その組織運営に必要不可欠なスキルがフォロワーシップです。

組織の全体最適を考えたフォロワーシップの具体例は下記です。
■リーダーが達成したい目標を理解し、メンバーに行動を促す
■リーダーの統率を俯瞰的に観察し、健全な組織運営のための提言を行う
■メンバーからの意見を吸い上げ、リーダーと共に解決に導く

このように、フォロワーシップは組織全体のパフォーマンス向上に欠かせないスキルと言えます。

リーダーに建設的な提言をするフォロワーシップのある女性

フォロワーシップの定義

そもそもフォロワーシップという言葉が生まれたのは1992年です。アメリカのカーネギーメロン大学の教授ロバート・ケリー氏が、自著『The Power of Followership』で初めてフォロワーシップについて言及しました。

1990年代以前の組織論においては、リーダーへの研究は進むもののメンバー含む“リーダー以外の要素”への研究が進んでいませんでした。しかし、1990年代初頭にリーダー以外の要素を含めてリーダーシップを研究する必要があるという風潮が高まり、フォロワーシップの重要性が世界に知れ渡るきっかけになるのです。

ロバート・ケリー氏は『The Power of Followership』の中で、フォロワーシップを下記のように定義しています。

「リーダーの言動に対して建設的な批判をし、自発的で担当業務以上の仕事をすること」

“建設的な批判”とは、言動の良し悪しを考察して提言するという意味を持ちます。決して否定的な意味ではなく、フォロワーシップにとって重要な定義の1つです。そして、自発的に組織の後方支援に徹することができるスキルは、担当業務以上の仕事の遂行に繋がり、透明性の高い組織運営に役立っているのです。

フォロワーシップとメンバーシップの違い

フォロワーシップとよく比較される言葉に「メンバーシップ」があります。2つは似た言葉ですが、その意味合いは異なるものです。

メンバーシップとは、組織に属するメンバーがそれぞれの役割を果たし、組織全体に貢献するという行動を意味します。フォロワーシップとの違いは、組織への貢献方法です。フォロワーシップでは、リーダーに提言したり、リーダーを支援したりという側面を持って組織の全体最適を図るのに対し、メンバーシップではそれぞれ与えられた役割を全うすることで組織への貢献を図ります。

組織に貢献しているという点では同義であり、メンバーシップという大枠の中に、リーダーを支援するという役割を任せられたフォロワーシップが存在するという考え方ができます。

フォロワーシップとリーダーシップの関係

フォロワーシップを理解するうえで「リーダーシップ」との関係性は欠かせません。そもそもリーダーシップという概念がなければ、フォロワーシップも存在しないのです。

リーダーシップとは、「統率力」を意味する言葉で、目標達成のための計画を示し組織を牽引する能力を指します。リーダーシップを発揮するためのリーダーの役割には大きく2つあります。1つは「組織の方向性を示して目標を設定する」こと。2つ目は、「決裁権者として意思決定をする」ことです。この2つのリーダーシップにおけるフォロワーシップとしての関わり方を解説します。

1つ目の「リーダーが組織の方向性を示して目標を設定する」ことに対しては、その目標を達成するためのプロセスを計画して実行に移すことがフォロワーシップです。リーダーが成し遂げたい目標に向かって組織メンバー全員が納得感を持って取り組めるための重要な橋渡し役となるのです。

2つ目の「決裁権者としての意思決定する」ことに対しては、メンバーからの意見にも耳を傾けてリーダーがより最適な意思決定ができるように提言することがフォロワーシップに当たります。リーダー1人の決定権だけで物事が進んでしまう組織は、健全な組織とは言えません。リーダーの耳には入りにくい貴重な意見もフォロワーシップを発揮する人がいることで、全体最適に配慮した意思決定のサポートができるのです。

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フォロワータイプの5分類

さて、フォロワーシップの意味や役割についてお話してきましたが、実際にはどのようなフォロワーのタイプがあるのでしょうか。メンバーもタイプ別に異なる役割を持っており、フォロワーシップを成果につなげるためには、企業やリーダー側もメンバーのタイプに合った期待役割を与える必要があります。

メンバーのフォロワータイプを見つけるリーダー

本章では、5つのフォロワータイプを紹介します。フォロワーシップに向いているメンバーの特性を見つけていきましょう。

★模範的フォロワー

★順応型フォロワー

★孤立型フォロワー

★実務型フォロワー

★消極的フォロワー

★模範的フォロワー

模範的フォロワーは、リーダーに対して建設的な提言をしながら、組織のメンバーとも協調性を持って仕事が進められるメンバーです。このタイプはリーダーの右腕的存在として組織の足りないところを補える理想的な存在です。

組織への貢献度は高く、将来のリーダー候補に挙げられます。組織や仕事に対して積極的な関与を示し、問題解決に向けて他のメンバーの協力を仰ぎながら主体的な働きをしてくれます。リーダーとメンバーの橋渡し役にもなるため、模範的フォロワーの働きで成果が左右されることもあります。

★順応型フォロワー

順応型フォロワーは、リーダーの意見や指示に従順なメンバーです。真面目で素直な性格の持ち主に多いタイプで、基本的にはリーダーへの批判はしません。業務には真面目に取り組むため組織への貢献度は高い傾向にありますが、自律的な行動は乏しく、リーダーに積極的な提言もできません。

したがって、順応型フォロワーが多い組織では、能動的に取り組むメンバーが少なくなり、逆にリーダーの負担を増やしてしまう事態に陥る可能性があります。順応型フォロワーに対しては、会議の場で発言の機会を増やしてみたり、リーダーに近い役割を与えてみたりすることで、責任意識を持ってもらうことで、良いフォロワーシップを発揮できるようになるでしょう。

★孤立型フォロワー

孤立型フォロワーは、自分の意見やリーダーへの批判的思考という観点は持っているものの、主体的に組織に関与しないメンバーを指します。簡単に言うと一匹狼タイプです。自分の意見の発信や批判的な発言が多くなることから、周囲からはチームプレイに不向き・頑固・問題児と認識されやすい特徴を持っています。そのため、組織への貢献度は低くなります。

この孤立型フォロワーは、元々は模範的フォロワーであったが、リーダーや組織に不満があったり、不当な扱いを受けたりした結果、孤立型フォロワーになる傾向があるといわれています。不満を解消したり、リーダーやその他メンバーと良好な関係を築いたりと環境を改善できれば、模範的フォロワーに復帰できる可能性を秘めています。リーダーや組織に対する批判的思考は持っている訳ですから、それを建設的に提言できるかが肝心です。

★実務型フォロワー

実務型フォロワーは、リーダーから与えられた範囲内で誠実に仕事に取り組みます。リアリストな側面があり、失敗を恐れてリスクを避ける傾向が見られ、柔軟性に欠ける凡庸なタイプです。時に「チャレンジ精神がない」「官僚的」と周囲から否定的にみられることもあります。

一方で、リーダーからの指示があればフォロワーシップを発揮できる存在です。組織への貢献度は低くはありません。実務型フォロワーには、背伸びをしないと届かないような目標を与え、挑戦を促すことで模範的フォロワーに近づけることができます。

★消極的フォロワー

消極的フォロワーは、自分の意見を持たず、批判もしないメンバーです。順応型フォロワーとは異なり、仕事や組織への関与に無気力なタイプで最低限の仕事しかしません。仕事に対するモチベーションや責任感が欠けており、組織への貢献度は低いです。フォロワーシップの概念では役割を果たせないタイプのメンバーと言えます。

消極的フォロワーには、仕事の意義や目的、面白さを伝えて、“やりがい”を感じてもらう必要があります。まずは小さな成功体験を積ませることで、課題を乗り越えたときの達成感や、目標達成したときの喜びを味わい、チームに貢献することの重要性を少しずつ醸成していくと良いでしょう。

以上が、5つのフォロワータイプでした。

※フォロワータイプ(番外編)として文末に、
5つのフォロワータイプを歴史上の有名人に例えると!?を記載していますので、ご興味ある方はご覧ください。

フォロワーシップの重要性

前述したとおり、人によって様々なフォロワータイプがあり、リーダーの支え方や組織への帰属意識は多種多様であるとご理解いただけたと思います。ここからは、フォロワーシップを持った「模範的フォロワー」のことを“フォロワー”と定義します。それでは、フォロワーシップの重要性についてお伝えしていきます。

組織の活性化

リーダーとメンバーという組織構成上、双方間の相乗効果によって組織は活性化されます。ロバート・ケリー氏は、組織の成果に与えるリーダーの影響力は1~2割程度であり、メンバーが8~9割の影響力を持つという研究結果も発表しています。組織を活性化するためにはリーダーの育成よりも、適切なフォロワーシップを遂行する方が効果的であると見受けられます。

模範的フォロワーの強みである、“リーダーに対する提言”が組織力を向上させ、“メンバーとの協調”が組織を活性化させるのです。

信頼関係の構築

良いリーダーが率いる組織には、良いフォロワーがいます。逆を言えば、良いフォロワーがいる組織では、上司もリーダーシップを発揮しやすいのです。このような関係性を築ければ、メンバーも自分の意見を伝えやすくなり、透明性の高い組織として納得感を持って日々の業務に取り組めるようになります。

個々のメンバーができることは限られていますが、その強みを最大限に引き出せるのは、模範的フォロワーのなせる業です。それには、信頼関係の構築が必要不可欠と言えるでしょう。

モチベーションの向上

組織の目標を達成するためには、メンバー全員がモチベーション高く仕事に取り組む必要があります。リーダーが独裁的に指示しても成果は上がらないですし、リーダーが方向性を示してくれないとメンバーの不安・不満は募ります。リーダーとメンバーを繋ぐフォロワーがいることで、組織の一体感が増してモチベーションの向上に繋がるのです。

フォロワーシップの危険性

フォロワーは組織のバランスを司る重要ポジションであるがゆえに、リーダーとメンバーとの関わり方に細心の注意を払う必要があります。フォロワーシップの危険性についても理解し、健全な組織運営にお役立てください。

リーダーが感じる疎外感

まずはフォロワーとメンバーの関係性が強くなりすぎて、リーダーとメンバーの関係性が希薄になってしまうケースです。組織のあるべき姿は、リーダーが目的地を定め、フォロワーが道を作り、メンバーが歩みを進めることであると考えます。このとき、目的達成に向けた行動計画の落とし込み(道)とメンバーの実行(歩み)の進捗だけが、フォロワーからリーダーに共有されるフローは、良い状態とは言えません。

注意するべきは、フォロワーシップがあることでリーダーとメンバーのコミュニケーション機会を損失してしまうことです。あくまでも最高管理者はリーダーであり、バランスを保つ役割を担うフォロワーだけがメンバーを管理する訳ではありません。

リーダーにはメンバーのモチベーション維持や育成、進捗管理などの役割を担っており、フォロワーがリーダーの役割まで背負う必要はないのです。

連携不足が招く認識の齟齬

次に、フォロワーとリーダーのコミュニケーションが過多になり、メンバーへの意思疎通が乏しくなってしまうケースです。フォロワーはリーダーに対して建設的な提言ができるため、リーダーとフォロワー間でのコミュニケーションが多くなることは当然のことです。

一方で、決定事項や方向性の修正があった際は、リーダーからメンバーに対して周知徹底しないと、メンバーが納得感を持って業務に取り組めなくなります。更に言うと、フォロワーから伝えられた通りの業務を遂行していたら、実は認識に齟齬があり、生産性のない業務をしていたなんて事態も起こり得るでしょう。

重要な決定事項や方向性の修正があった際は、リーダーから「メンバーにも伝えておいて!」と言われても、「それはリーダーからしっかりとお伝えください」と提言することも、フォロワーとして必要な能力です。

フォロワーシップがある行動の事例

前向きに課題を解決しようとする会議の様子

組織を活性化させるためには、どのようなフォロワーシップ的行動を促すと良いのでしょうか。本章では、明日からでもメンバーの意識を変えられる、フォロワーシップがある行動の事例を紹介します。

★積極的に仕事を引き受ける

★リーダーに積極的に提言する

★組織全体への貢献を最優先に考える

★上司の最終決定を支持する

★建設的な思考で組織の未来を考える

★積極的に仕事を引き受ける

フォロワーが自身の業務に追加して積極的に仕事を引き受けていくと、リーダーはリーダーにしかできない重要な業務に多くの時間を使うことができます。これにより、組織メンバーの役割も明確になり、組織全体で目標達成に向けた有意義な時間の使い方を実現できるようになります。

★リーダーに積極的に提言する

フォロワーは建設的な提言をすることで、リーダーに気付きを与える存在です。リーダーはすべてを把握できるとは限りません。特に現場の意見にも耳を傾けられるフォロワーからの意見は貴重であり、より良い意思決定に繋がることが多くあります。

リーダーも、フォロワーからの提言があることで健全な議論を展開することができ、良い緊張感を持って組織運営に務めることができます。さらにフォロワーは、リーダーとの議論を重ねるたびにマネジメント側の観点から物事を考える経験が増えて、良い成長機会にもなるのです。

★組織全体への貢献を最優先に考える

フォロワーは、自分だけではなく組織全体の目標達成に向けた行動をとる必要があります。簡単に言うと、「利他主義」です。リーダーの指示の根底にある意図を把握し、組織メンバーに浸透させることで組織全体のパフォーマンス向上に繋げる役割を担っています。

★上司の最終決定を支持する

組織の最終決定権を持つのはリーダーであることを念頭に、最後はフォロワーとしてリーダーの意思決定を支持して全力でサポートすることが大切です。そのためにも、最終決定に至るまでのプロセスにおける議論を活発にする必要があります。

最終決定が、組織全体の意見を加味した上での意思決定なのか、リーダーの独断で意思決定されたのか。フォロワーのポジションは組織の未来を左右する重要ポストなのです。

★建設的な思考で組織の未来を考える

何事も成功に向けて努力をするものの、時には課題に直面することもあるでしょう。そのときにフォロワーは、課題を乗り越えるべく組織全体を巻き込みながら建設的な議論を進めて、解決策をリーダーと共に模索していく役割を担います。

前向きな思考で組織を明るくし、全力でリーダーをサポートし、時にはメンバーを鼓舞し、エネルギッシュに課題解決を推進していく姿が、フォロワーシップのある行動と言えます。

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フォロワーシップ実践のポイント

最後は、社員にフォロワーシップを発揮させて成果に繋げるためのポイントを5つ紹介します。

①リーダーの限界の理解を深める

いかに優秀なリーダーであっても、その能力には限界があります。特にテクノロジーの進化が劇的に進み、ビジネスを取り巻く環境が急速に変化する現代において、組織を指揮するリーダーへの負担は大きくなっていることでしょう。

リーダーにも限界があり、フォロワーがその理解を深めることで、最適なサポート体制を整えることができるのです。

②客観的な視点から健全な批判を行うことを前提とする

リーダーに対して、メンバーがアイデアを提案したり、批判したりすることは、フォロワーシップの重要な要素です。なぜなら、「リーダーの意思決定に思考の偏りはないか」「問題の本質を見誤っていないか」など、敢えて“批判的な視点”から考察することで、より良い解決策や発想が生まれることがあるからです。

しかし、メンバーからの意見や批判が単なる悪口や文句で終わり、生産的な意見が出ないことも多く見られます。成果を出すためには、単純に批判すれば良いというわけではなく、客観的な視点でリーダーの意見を考察し、批判できるかが重要です。

これは「クリティカルシンキング」と呼ばれ、日本語では批判的思考と訳されます。物事の本質を見極めて論理的に考察することがフォロワーには求められるのです。

③社員それぞれに自分のフォロワータイプを知ってもらう

組織としてフォロワーシップを高めるためには、それぞれのメンバーがどのフォロワータイプなのかを自覚してもらうことが重要です。メンバーのタイプが分かれば、リーダーや企業側もどうような対応をすれば模範的フォロワーに近づくことができるのか、把握しやすくなるでしょう。

ただし、フォロワータイプの確認は、タイプによって優劣を付けるために行うのではありません。企業が、メンバーの現在の貢献度や、どの程度の批判的思考を持っているのかを知ったうえで、各人をサポートすることが目的です。各タイプに合わせた研修を実施したり、目標を設定させたりして、組織への貢献度を高めていきましょう。

④社員同士のコミュニケーションの機会を増やす

リーダーを十分にサポートするためには、リーダーの人柄や性格、思考癖、意思決定時の判断基準などを理解しておく必要があります。リーダーや企業側は、フォロワーに対してサポートを求めるだけでなく、リーダーや他のメンバーを知る機会を設けるようにしましょう。

社員同士のコミュニケーションが少なければ、お互いを理解する機会が不足してしまいます。企業側は、リーダーから積極的にコミュニケーションを取るように促しましょう。リーダーやメンバー間で信頼関係が築ければ、自然とお互いを支援したり、能動的に業務に取り組めたりといった効果が期待できます。リーダーやメンバーの考えを理解するためのノウハウや、コミュニケーションの取り方に関する研修を実施するのもよいでしょう。

⑤フォロワーシップを発揮できる環境を作る

最後に最も重要なことは、リーダーがフォロワーの1番の理解者であることです。フォロワーが健全な提言をしたときに、リーダーが撥ね退けてしまえば、フォロワーシップは上手く機能しません。メンバーの力を活かしきれず、組織として良い成果を残すことも難しくなるでしょう。

企業がフォロワーシップとリーダーシップについて考えるとき、「リーダーとフォロワーの役割は別物」という認識を持つことが重要です。それぞれが自分の役割を果たせるような研修の実施や、評価体制を取り入れることを意識してください。

また、フォロワーシップは組織メンバー全員に求められるスキルです。フォロワーシップの研修には、必ずリーダーも参加してもらい、メンバーが安心して意見できる環境づくりについて学んでもらいましょう。

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まとめ

変化が激しい現代で企業が生き残るためには、変化への適応が必要不可欠です。しかし、膨大な情報が溢れ、刻々と変わる状況にリーダーだけでは適応しきれません。つまり、結果を出すためには、リーダーを支えるフォロワーの存在が重要になるのです。

フォロワーシップを持ったメンバーが揃えば、リーダーが力を発揮しやすい環境づくりやプロジェクトの進行が行えます。リーダーシップとフォロワーシップが噛み合うことで相乗効果を生み、より良い成果に繋がっていくのでしょう。

【番外編】5つのフォロワータイプを歴史上の有名人に例えると!?

特有のフォロワーシップを持つ歴史上の有名人の図
最後までお付き合いいただき、ありがとうございます。本文では、フォロワータイプを5つに分類して紹介しました。さて、番外編では、そのフォロワータイプを歴史上の有名人に当てはめて考えてみることで、更に理解を深めていこうという章です。

★模範的フォロワー:「石田三成」

歴史上の有名人で例えると、「石田三成」が模範型フォロワーの第一人者です。豊臣秀吉を主君として、言うべきことは進言し、指示に対しては率先して関与していく模範的な家臣であったとされます。

また、佐和山城主として近江国(滋賀県)を統治することで、秀吉の右腕としての地位を自律的に掴んでいったのでした。秀吉は三成という模範的フォロワーの力もあり、天下統一を成し遂げたといっても過言ではありません。

★順応型フォロワー:「豊臣秀吉」

順応型フォロワーは歴史上の有名人で例えると、「豊臣秀吉」です。秀吉は身分の低い家柄に生まれたため、とにかく主君に仕えること、主君から気に入られることで、武士としての地位を高めていく必要がありました。そこで、秀吉は幼少期に織田信長に仕えることになります。

織田信長の言うことは絶対であり、背くことはありません。信長の草履を温めていた話は有名で、圧倒的カリスマを誇るリーダーの部下として経験を積み、自身の地位とスキルを高めていったのでした。

★孤立型フォロワー:「石田三成」

模範的フォロワーとして紹介した「石田三成」ですが、奇しくも孤立型フォロワーとして生涯を終えることになります。三成は政治に関しても実力者であり、豊臣秀吉が取り組む重要政策を率先して遂行しました。

しかし、豊臣秀吉の没後、三成の政治介入を快く思わない人も当然現れ、豊臣政権の分断を助長してしまったのです。最後は、関ヶ原の戦いで豊臣側として兵を挙げるも、仲間の裏切りという形で散ってしまうのでした。

★実務型フォロワー:「藤堂高虎」

実務型フォロワーとして紹介したい歴史上の人物は「藤堂高虎」という武将です。高虎は浅井家⇒豊臣家⇒徳川家と時代の勝ち馬に乗ってきた武将であり、まさに実務型フォロワーとして成り上がったのでした。失敗することが命取りとなる戦国の世では、高虎のようにリスクを避けた生き方は戦略とも言えるでしょう。

徳川家康が関ヶ原の戦いに勝利した後、「江戸に人質を送れ」の指示に対して諸大名が渋る中、1番に人質を提供したのが高虎でした。主君の指示を誠実に遂行することで徳川幕府繁栄の基礎を作り上げた目立たぬ立役者なのです。

★消極的フォロワー:「伊達政宗」

消極的フォロワーとして不名誉な肩書を背負ってしまうのは、「伊達政宗」です。政宗は“独眼竜”として有名で、東北地方を治めていた武将です。当時の都は京都府にあり、東北を拠点とする政宗は物理的に情報が遅れて届くことも多くあったそうです。

物理的に情報が遅くなるのは仕方ないとして、政宗自身もそこまで自分の領地や戦への関心が高くなかったのではないかと思われます。実際に豊臣軍の北条征伐に遅れて参戦したことで、領土を減らされてしまいます。その経験をしてもなお、天下分け目の関ヶ原の戦いでは徳川軍から豊臣に減らされた領地を返還すると約束され徳川軍についたにも関わらず、「どっちが勝つかな~??」と様子を見続けたわけです。すぐに決着のついた関ヶ原の戦いでは参戦すらできず、徳川家康にお叱りを受ける始末でした。

以上、番外編として歴史上の有名人とともにフォロワータイプを深掘りしてきました。ぜひご自身や周りの方々のフォロワータイプを分析して、より良い組織作りに活かしてみてください。

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