社内公募・社内FA制度で人材最適化を図る

社内公募・社内FA制度で人材最適化を図る

企業の生存競争が激化する中、社員の仕事に対する意識や価値観も変化し、賃金や報酬といった「外的要因」だけでなく、社員自身のやりがいなどの「内的要因」が求められるようになりました。こうした状況を踏まえ、社内公募や社内FA(フリーエージェント)制度など、社員もモチベーションを維持しつつ、限られた人的リソースを最大限に活用できる方法が注目されています。ここでは、社内公募や社内FA制度を使って、企業としての競争力を強化する方法を考えてみましょう。

社内公募制度・FA制度の目的は?

社内公募制度や社内FA制度は、これまでのような人事主体の異動ではなく、社員自身が希望する部署に異動できるための制度です。社員が自主的に異動することにより、本人のモチベーションを高めつつ、優秀な人材を活用できると考えられています。このふたつの制度を混同する方もいますので、詳細を以下にまとめてみます。

【社内公募制度】
社内の各部署が求める人材の条件を挙げ、募集を出します。募集内容はイントラネットなどで公開され、希望者はそこから応募します。その後、該当部署で選考が行われ、決定します。社内求人という形で異動が行われますが、応募にあたり「現在の部署で3年以上勤務」などの条件が課されることがほとんどです。

【社内FA制度】
プロ野球選手のように、一定の実績を上げた社員が「FA宣言」をします。ただし、野球選手の場合は他の球団から声がかかるのを待ちますが、こちらは自分の希望する部署へ自分自身を売り込む制度です。場合によっては、野球選手のFA宣言と同じように、特定の部署から「ほしい人材」として声がかかったりすることもあるようです。社内公募が求人型であるのに対し、こちらは求職型の制度です。また、社内公募同様に、FA宣言するには在籍年数や職位、成績などの条件が課せられます。

いずれも、従来の人事主体の異動とは異なり、社員側からのアクションによって異動が行われることが特徴です。

社内公募制度の導入で注意すべきポイント

社内公募制度を導入するときには、注意すべきポイントがあります。企業によって環境は異なりますので、ここでは最低限注意したい内容をご紹介します。

・応募条件
応募条件は、求める人材像に合わせて設定すれば良いのですが、現在の部署での在籍年数は、条件として設定したほうが無難です。そうでないと、現在の部署に不満を持ち「どこでもいいから異動したい」という、ネガティブな人材が応募してくることも考えられます。

・上司への報告
現在の上司にいつ報告するか、というのもデリケートな問題です。事前に報告すれば、慰留されるかもしれませんし、事後報告では上司のメンツも立ちませんし、部署としての人材配置プランが狂ってしまうでしょう。「事前報告不要」が一般的ですが、上司にも異動をサポートしてもらえるようなしくみを考える余地はあるかもしれません。
この制度は、形としては社内求人ですが、中途採用の場合を念頭に大枠を決め、細部を詰めていくと良いでしょう。

社内FA制度の導入で注意すべきポイント

もうひとつの社内FA制度で、注意すべきポイントはどのようなものでしょうか。これは、優秀な社員に対して「お金以外の報酬を与える」という面もありますから、社内公募とは少々違った部分での注意が必要です。

・成績条件
成績が悪い社員であれば、FA宣言したところで成功しないわけですから、実績や成果などの必要な条件を決めましょう。「これだけの成果を上げれば、好きな仕事を自分で選べるかもしれない!」という目標設定ができるわけですから、社員のモチベーションを高めることができます。

・FA宣言公表
宣言を「社内全体に公開するか」あるいは「異動を希望する部署に打診するときだけ伝えるか」の選択肢があります。社内全体に公開すれば、希望していない部署から異動のオファーが入るかもしれません。しかし、現在所属している部署などに対して刺激を与えすぎる…という判断もあるでしょう。自社の文化や社風に合わせて選ぶようにしてください。

不採用の場合のケアにも注意

社内公募制度や社内FA制度があることで、社員は「働きたい部署を選べる」可能性が出てきますから、将来のために高いモチベーションを保って仕事をすることができます。しかし、願い出た異動希望が、必ずしも成功するとは限りません。
社内公募の場合なら、募集が1名のところに4名応募すれば、3名は落とされることになります。さらにFAになると、ラブコールを送った相手から「ごめんなさい」と言われてしまうのですから、精神的な痛手はもっと深くなります。
制度を利用するのは、仕事に対する意識が高く、意欲の高い社員たちですが、不採用となれば彼らのモチベーションは一気に落ちてしまうかもしれません。ですから、不採用時のケアは、どちらの制度を導入する場合でも必要でしょう。高められる効果はとことん高め、軽くできる傷はできるだけ軽く抑える制度設計が求められます。

人事部はどこまで関わるべきか

社内公募制度と社内FA制度を構築できたなら、人事部がどこまで運用に関わるかは社内の状況次第でしょう。人事部は各種書類のフォーマットを決めたら、あとは通知が行くだけにして、公募・募集・選考・交渉などの、すべての実作業を社員自身と該当部署に委ねることもできますし、すべての段階で人事部が介在することもできます。
しかし、異動希望者の多くは、自分自身の強みや弱みが何かということを、よく理解していません。また、描いているキャリアプランに何が必要なのかを、知らない場合もあるでしょう。そこで、社内公募やFA権の行使が本人のためになるのかを相談できる、カウンセリングのしくみは必要ではないでしょうか。

人は押し付けられた仕事よりも、自分から望んだ仕事を喜んで手掛けます。それを実現するのが社内公募や社内FAの制度です。そうした制度の本質を踏まえれば、人事部は舞台裏で必要なサポートとケアをする役回りに徹したほうが良いのかもしれません。

ヘッドハンティングをご検討中の企業様へ

ヘッドハンティングを
ご検討中の企業様へ

応募を待つだけではない、欲しい人材に
こちらから積極的に
アプローチする
“攻めの採用手法”をお試しください

ヘッドハンティングのご質問・
ご相談はこちらまで

0120-264-552
受付時間 月~金 9:00~17:30

「スペシャルインタビュー」の関連記事

各分野でご活躍されている方、経営者、人事責任者、採用、人材、働き方、雇用などHR系に見識のある方へお話を伺うコーナーです。