人事ねた

コンフォートゾーンとは?意味を理解し、抜け出すことで、成長を加速させる方法を解説!

コンフォートゾーンとは?意味を理解し、抜け出すことで、成長を加速させる方法を解説!

本記事では、ビジネスにおける「成長」をテーマとした考え方の1つとして、コンフォートゾーンとの向き合い方について解説します。組織の成長・個人の成長の方法として、ぜひお役立てください。

コンフォートゾーンとは?

コンフォートゾーンとは、ストレスのない居心地の良い環境や精神状態のことです。
英語の“comfort”は、「快適」「癒し」という意味を持ち、“zone”は「地帯」「領域」という意味であるため、あらゆる事象の「快適な領域」と捉えることができます。心理学上、精神状態における快適な領域を指すことが多いです。

関連する2つのゾーン

普段の生活を送る中では、コンフォートゾーンの他に2つのゾーンが存在します。それは、「ラーニングゾーン」と「パニックゾーン」です。

コンフォートゾーンと関連する2つのゾーンを表した図

ラーニングゾーンとは?

ラーニングゾーンとは、「学びの領域」です。図の通り、コンフォートゾーンと隣接した外側の空間であり、自分が経験したことのないことや、自分の経験値よりも少しハイレベルな要求があるゾーンです。決して居心地の良い環境や精神状態ではなく、適応するための努力を必要とします。

パニックゾーンとは?

パニックゾーンとは、「混乱の領域」です。図の通り、ラーニングゾーンと隣接した外側の空間であり、過去の経験が全く通用しない、過去の経験と関連性のないゾーンです。思考が追い付かず、何から手を付ければ良いかも分からない危険な状態です。

コンフォートゾーンの例

さて、ここまで3つの精神的なゾーンを解説してきました。様々な場面において、この3つのゾーンがどのように存在しているのでしょうか。本章では、あらゆるシチュエーションを仮定したコンフォートゾーンの例を紹介します。

★例1:車の運転

免許を取得すれば、誰もができるようになる車の運転。車で通勤したり、送り迎えで車を使用したり、慣れ親しんだ道路を運転するときには「コンフォートゾーン」にいると言えます。

一方で、旅行や出張で高速道路を走るとなったときにはどうでしょうか。初めての道、スピードの速い車、2車線。慣れ親しんだ“いつもの道”とは異なる環境での運転時は自然と「ラーニングゾーン」にいるのです。

そして、通勤や送り迎えなど、走り慣れた環境での運転が多い人が急に海外の道路を運転するとなると、たちまち「パニックゾーン」に陥ります。そもそも違う車線を走ることや左ハンドルの車が主流なこと、特殊な交差点の仕組みなど、今までの常識が通用しない道ではアクセルを踏むことすら躊躇うような精神状態になってしまいます。

車の運転におけるコンフォートゾーンの例

★例2:野球選手

野球選手における3つのゾーンも考えてみました。お金(部費や学費)を払ってプレーをする学生野球は、優勝を目指して好きな野球に没頭する時間であり、「コンフォートゾーン」と言えます。

そして、好きで続けてきた野球の成果を評価されると、お金を貰ってプレーをするプロ野球の世界へと環境が変化します。野球が仕事になるということは、好成績を残し続けないと生き残れない世界であり、今までの経験や能力よりも更にハイレベルな環境へ身を置くことになります。まさに「ラーニングゾーン」への進展と言えるでしょう。

日本球界で圧倒的な好成績を残した選手は、世界最高峰の舞台での活躍を目指してメジャーリーグに挑戦することも多くあります。一方で、メジャーリーグのレベルとは乖離のある選手が、突然メジャーリーグの環境に身を置くとどうなるでしょうか。選手のレベルの違いはもちろん、日常言語も、気候も、移動距離も、リーグ規程も異なる環境では自分の本来の力すら発揮できず、「パニックゾーン」に陥ってしまうのです。

野球選手におけるコンフォートゾーンの例

★例3:歌手

歌手の「コンフォートゾーン」は、自身の楽曲を歌うときです。ライブや音楽番組でも、自身が歌い続けた楽曲は歌詞も頭に入っていて、音程も取れて、快適に歌うことができます。

一方で、同じ歌であっても、バラード、ロック、洋楽、J-POP、K-POP、演歌など、様々なジャンルがあります。異なるジャンルの楽曲を歌うことで、普段使うことのない声域や音程で歌唱することが必要になり、これは「ラーニングゾーン」での歌唱と言えるでしょう。例えば、カバー曲の歌唱やデュエットが挙げられます。

歌手は歌うことに長けています。ギターボーカルや弾き語りをする歌手もいますし、ボーカルとしての役割のみを担当する歌手もいます。同じ音楽とはいえ、ギターを弾きながら歌ってほしいという要望は、ギターを弾いたことのない歌手にとっては「パニックゾーン」になってしまいます。

歌手におけるコンフォートゾーンの例

本記事で取り上げた例において、普通であればパニックゾーンのような状況に陥ることはないでしょう。少し大げさに記載した背景として、そもそもパニックゾーンにはいくべきではないという暗示です。

ビジネスにおけるコンフォートゾーン

続いては、ビジネスにおける「コンフォートゾーン」を考えていきましょう。個人差はありますが、安心して仕事ができている状態とは、“慣れた業務を遂行すること”です。例えば、毎日のルーティンワークや事務作業を淡々とこなしている瞬間です。

また、誰でも達成できそうな低い目標設定の中で働くことや、工夫をせずに何年も同じ業務を繰り返すことも、ビジネスにおけるコンフォートゾーンと言えます。

こちらも合わせてご覧ください。

自分の「コンフォートゾーン」を超えるキャリア論

コンフォートゾーンを広げるという考え方

コンフォートゾーンを広げるということは、「成長」を軸にした考え方です。
ビジネスパーソンとして成長していくためには、コンフォートゾーンから抜け出し、ラーニングゾーンに身を置くことが重要です。自分のスキル・経験を活かしながら、課題を解決するための新たなスキルや経験を習得していくのです。高い目標を設定することで、自分自身で努力し、いつしかその業務は当たり前にできるスキルとして評価されていることでしょう。

これが、ラーニングゾーンがコンフォートゾーンになった瞬間です。こうして、コンフォートゾーンを広げていくことが、ビジネスパーソンとしてのキャリアアップに繋がります。

コンフォートゾーンのようなプレッシャーのない環境は居心地が良いと感じるかもしれませんが、居続けることで成長を止めてしまう要因になります。それに伴い、コンフォートゾーンが狭いまま、ラーニングゾーンとの距離が広がってしまうのです。ここに慣れてしまうと、ラーニングゾーンへ1歩踏み出す勇気がなくなり、成長のきっかけを逃してしまいます。次章では、コンフォートゾーンを抜け出すための4STEPを紹介します。ぜひご一読ください。

コンフォートゾーンを抜け出す方法

ビジネスパーソンとして成長するためには、コンフォートゾーンから抜け出すことが必要であるとお伝えしました。ここからは、コンフォートゾーンから抜け出すための方法を4つのSTEPで紹介します。明日からでも実践してみてください!

STEP1:今持っているスキルを適切に把握

STEP2:目標とプロセスを明確化

STEP3:失敗を恐れずに挑戦(まずはやってみる!)

STEP4:週末は息抜きを!

STEP1:今持っているスキルを適切に把握

自身のスキルを把握することにより、コンフォートゾーンとラーニングゾーンの業務を区別します。過去にどのような経験を積んできたかを見直すきっかけになり、また、今後はどのようなスキルを身につけることで事業に貢献できるのかを見つけることもできます。こうして、行くべきラーニングゾーンが見つかり、自分の業務に自信を持って取り組めるようになるのです。

関連記事としてこちらも併せてご覧ください

スキルマップとは?目的と活用事例を詳しく解説!最後に作り方も紹介

STEP2:目標とプロセスを明確化

行くべきラーニングゾーンが決まったら、次は目標とプロセスを明確にしましょう。前述した通り、ラーニングゾーンは居心地の良い環境や精神状態ではないため、適応するために努力が必要となります。努力の先にある達成感を味わうためにも、明確かつハイレベルな目標を設定しましょう。目標を達成するには、どのような業務経験とスキル習得が必要かも分かっておく必要があります。

1つ注意すべき点があります。いきなり高すぎる目標を掲げると、何して良いか分からず手が止まってしまいます。これは限りなくパニックゾーンに近い状態で危険です。だからこそ、STEP1でスキルを適切に把握してから、目標設定することが重要です。

STEP3:失敗を恐れずに挑戦(まずはやってみる!)

ラーニングゾーンでは、幾度となく困難が待っているでしょう。それは悪いことではありません。ラーニングゾーンは未知なる業務に取り組んでいる訳ですから、スムーズに業務が行く方が不思議です。

ラーニングゾーンで自分を成長させるためには、失敗を恐れずに挑戦する姿勢が重要です。「やったことない」の一言で挑戦から逃げていては、コンフォートゾーンから抜け出すことはできません。「まずはやってみる!」という気持ちを持って業務に取り組んでいくことが、成長への近道になるでしょう。

STEP4:週末は息抜きを!

ラーニングゾーンでの業務は疲れます。経験したことない業務をして、たくさんの困難に立ち向かっている訳ですから、当然です。

時には、心も体も休まる時間を作り、気持ちをリフレッシュさせることで、コンフォートゾーンを抜け出すためのエネルギーを蓄えましょう。

ラーニングゾーンで挑戦するからと言って、コンフォートゾーンがなくなる訳ではありません。自分の中でプライベートのコンフォートゾーンを持ち、時にはビジネスのコンフォートゾーンへ立ち戻ってみると、過去の経験からヒントが得られるかもしれません。

まとめ

今回はビジネスパーソンとしての成長をテーマに、コンフォートゾーンから抜け出す意味と方法を解説しました。これから、一歩ずつ、一歩ずつ、ラーニングゾーンへ踏み出し、できることを増やしていくと良いでしょう。

企業は適度なラーニングゾーンを提供できているか、個人はコンフォートゾーンだけで業務をしていないか、この機会に振り返ってみてはいかがでしょうか。

こんな記事も読まれています