ワーケーションとは?導入する魅力と課題から成功事例までまとめて紹介!

ワーケーションとは?導入する魅力と課題から成功事例までまとめて紹介!

働き方改革の普及や新型コロナウイルスの流行によって、企業にも新しい働き方ができる仕組みづくりが求められています。新しい働き方のなかでも賛否が分かれているが、「ワーケーション」です。

本記事では、ワーケーションがどのような働き方なのか解説します。否定的な意見も聞かれるワーケーションですが、導入する魅力はどこにあるのでしょうか。導入時の課題や実際に導入した企業例についてもみていきましょう。

ワーケーションとは?

ワーケーション
そもそも「ワーケーション」とは、「仕事(Work)」と「休暇(Vacation)」を組み合わせた造語です。オフィスや自宅ではなく、リゾート地や地方部など旅行先で業務を行いながら、休暇を取る過ごし方のことを指します。

オフィスに出社しなければならない、という従来の働き方とは大きく異なるため、自由度が高い新しい働き方として注目されています。注目されているワーケーションですが、「休暇中に仕事をするの?」とネガティブな意見を持たれることもしばしばあります。

テレワーク・リモートワークとの違い

ワーケーションとよく比較されるのが、テレワークやリモートワークです。

テレワーク・リモートワークの場合も、会社のオフィス以外で働きます。仕事を行う場所は自宅またはコワーキングスペースなどで、休暇の要素は含みません。一方、ワーケーションは、仕事+休暇という2つの要素を持っています。休暇の要素を含むか否かが、ワーケーションとテレワーク・リモートワークとの大きな違いといえます。

ワーケーションの4つのタイプ

ひと口にワーケーションといっても、働き方や重視する要素の違いから4つのタイプがあるといわれています。企業としては、どのような目的でワーケーションを導入するのかを明確にし、どのタイプのワーケーションを取り入れるのか検討したいところです。

・休暇活用型
休暇活用型は、休暇のなかに仕事を組み込むタイプのワーケーション。たとえば、4泊5日の旅行のうち1日目と2日目の午前に仕事をする、などです。

・日常埋め込み型
日常埋め込み型は、好きな場所で仕事をする日常と非日常を織り交ぜるタイプのワーケーション。たとえば、4泊5日リゾート地で過ごしながらもフルタイムで仕事をする、などです。

・ブリージャー
ブリージャーは、出張の前後に休暇を取るタイプのワーケーション。たとえば、出張で3日働いて、その後3日を出張先の観光地を楽しむ、などです。

・オフサイトミーティング
オフサイトミーティングは、オフサイト(オフィスから離れた場所)で会議やグループで研修を行うタイプのワーケーション。たとえば、リゾート地で社員研修を行う、などです。

各省庁もワーケーションを推進・支援している

ワーケーションが注目されている1つの要因として、日本政府もワーケーションを推進していることが挙げられます。ワーケーションは、実施する企業だけでなく、受け入れる地方や観光地側にも地域活性というメリットがあるため、国からも推奨されているのです。

内閣府・観光庁・総務省・厚生労働省など省庁から、ワーケーションを導入する企業に向けた支援が実施されています。たとえば、観光庁は、ワーケーションに関心がある企業と地域のマッチングや関係の構築を図る事業を実施予定。総務省は、サテライトオフィスの整備費用の助成や、中小企業のテレワーク実施やシステム導入の相談などの支援事業があります。

ワーケーションの導入を考える際は、政府からの支援の活用も検討してみるとよいでしょう。

各省庁のワーケーション推進支援メニュー

ワーケーションを導入する魅力

ワーケーション
それでは、企業がワーケーションを導入する魅力はどこにあるのでしょうか。

  • 社員のモチベーション・パフォーマンスがアップする
  • 家族と一緒に長期旅行に行きやすい
  • 有休取得率が上がる
  • 多様な働き方が選べることで企業のアピールになる

おもなメリットは、上記の4つです。働き方改革が叫ばれる近年、社員のプライベートにも配慮し、充実させることは、企業側にもメリットがあるといわれています。

社員のモチベーション・パフォーマンスがアップする

ワーケーションの実施により、社員のモチベーションやパフォーマンスが向上するといわれています。

ワーケーションは決められた時間のみ仕事をして、あとの時間は休暇を楽しめる働き方です。業務後には温泉や観光など旅行ならではの楽しみがあることから、仕事に対するモチベーションは自然とアップします。また、仕事ができる時間が限られているため、仕事に集中しやすく、パフォーマンスの向上も期待できます。

ワーケーションによって開放的な環境に身をおくことで、心身ともにリフレッシュができ、新しい価値観や発想も生まれやすいといえるでしょう。

家族と一緒に長期旅行に行きやすい

ワーケーションを上手く活用できれば、社員は家族とゆっくり旅行に行くことができます。

家族と一緒に過ごす時間は、ポジティブな思考を持ちやすくなったり、ストレス解消につながったりと、社員の精神状態を安定させる効果が期待できます。

日本のビジネスパーソンの多くは、長期休暇が取得しにくく、海外旅行や家族とゆっくり旅行に行く時間が取れません。連休が取れるタイミングは、世間でも祝日が多く、観光地にも人が多かったり旅行費用が高くなったりと、なかなかゆっくり楽しみにくいもの。混雑するタイミングを避けて家族と旅行が楽しめれば、リフレッシュしやすく、社員の満足度アップも見込めるでしょう。

有休取得率が上がる

ワーケーションを活用すれば、社員の有休取得率を上げることもできます。

日本のビジネスパーソンの抱える課題の1つに、有給休暇の取得率の低さが挙げられます。日本の有休取得率は50%程度と先進国のなかでもかなり低く、多くのビジネスパーソンが休み不足を感じています。そのため、企業には、社員の有休取得率を向上させる取り組みが強く求められるようになっています。

社員が有給休暇を取得できない大きな原因は、有休を請求すること自体へのためらいです。自分が有給休暇を取得すると、周囲に迷惑がかかる・あとで多忙になる・取得しづらい雰囲気があるなど、多くのビジネスパーソンが有休取得にためらいを感じています。一方で、ワーケーションでは、2日休暇・2日仕事・3日休暇など、柔軟なスケジュールを組むことが可能。旅行先でも仕事ができることで、有休取得のハードルが下がり、有休取得の促進につながります。

多様な働き方が選べることで企業のアピールになる

働き方改革が浸透し始めた現代、多様な働き方ができることは企業の魅力となります。

新型コロナウイルスの影響もあり、新しい生活様式や勤務場所や時間を選ばない働き方が広がっています。オフィス以外で仕事をする人が増え、自由な働き方への需要は一層高まっているのです。そのため、働き方を社員が選択できることは、人手不足に悩む企業のアピールポイントとなります。

もちろんワーケーションを導入するだけで企業の魅力が上がる、というわけではありません。しかし、テレワークや時短勤務などその他の新しい働き方と組み合わせて、多様化した人々の働き方ニーズに対応できれば、社員の離職率の減少や優秀な人材の確保につながるでしょう。

ワーケーションの課題

ワーケーション
企業にとっても魅力的なワーケーションですが、マイナスな意見を耳にすることもあります。実際に、ワーケーション導入を検討しつつも、導入に至っていない企業が多いことも事実です。

ここでは、ワーケーションの導入における課題を紹介し、導入時にはどのような点に配慮すべきなのか解説します。

プライベートと仕事の線引きが曖昧になる

休暇中に仕事をすることは、ワーケーションの基本スタイルですが、プライベートと仕事との間の線引きが曖昧になりやすいという特徴があります。

そのため、ワーケーションの導入では「ルール作り」が重要です。企業があらかじめ休暇と仕事をどう区切るのか明確にしておきましょう。ルール作りの際は、業務や部署、役職など導入する範囲を限定しておくのがおすすめ。たとえば、1人で作業できる資料作成やデータ入力・分析やクリエイティブな業務、リモートでも会議や作業が進められる業務担当者に限定するなどです。ワーケーションが実施しやすい部署や業務担当者から試験的に導入し、徐々に範囲を広げていくのもよいでしょう。

労働時間を正確に把握する必要がある

プライベートと仕事の線引きが曖昧なこと・オフィスに出社しないことから、社員の労働時間を正確に把握することが難しくなります。正しい労働時間の把握は企業側の義務であり、生産性の維持や、労災保険の対象となる時間帯を把握するうえでも非常に重要です。また、せっかく休暇を取った社員が仕事に追われることになれば、ワーケーションをするメリットが薄れてしまいます。

たとえば、午前中だけ仕事をして、半日休暇を取れば、半日分の有休消化とカウントしなければなりません。3時間だけ仕事をした日は、1時間単位で実労働時間をカウントする必要があります。そのため、労働時間の把握方法として、退勤管理システムの導入や業務用パソコンの使用時間のログ、出退勤の報告など、労働時間を記録できるルール作りが求められます。

情報漏洩のリスクが増える

ワーケーションでは、オフィスでも自宅でもない場所で業務を行います。業務用のパソコンを紛失したり、フリーWi-Fiに接続してしまったりと、機密情報や個人情報が漏洩するリスクが高まります。

そのため、ワーケーションの導入にあたっては、セキュリティ対策を強化するという課題があります。そのため、セキュリティ対策が施されたポケットWi-Fiを企業側で用意する、パソコンに最新のセキュリティソフトを入れる、パソコン紛失時に遠隔でデータ消去できるサービスを利用するなど、情報漏洩のリスクに備えましょう。また、ワーケーションでは機密性がある情報を扱う仕事をしない、そもそもパソコンに機密情報を保存しない、周囲に人がいるところで仕事の通話や会議をしないなど、ワーケーションで働くときのルール作りも重要です。

ワーケーションに否定的な意見を持っている人もいる

ワーケーションは社員にとってもメリットがある働き方ですが、必ずしも組織全体で好意的に受け取られるわけではありません。仕事と休暇ははっきり明確に切り離したい、と考える社員にとってはそれほど魅力的とはいえないでしょう。

社員全員に支持されるという福利厚生や体制づくりは、不可能に近いものがあります。そのため、ワーケーションに否定的な意見を持つ人もいることを前提に、テレワークなどその他自由度の高い働き方も選択できる体制の整備や、有休を申請しやすい雰囲気づくりにも力を入れましょう。

ただし、ワーケーションに否定的な意見を持つ人のなかには、下記のようにワーケーションという働き方を誤解している人もいます。ワーケーション導入時には、誤解を生まないよう、どのような働き方なのか丁寧に周知してください。

誤解(1)ワーケーション=休暇中に働かなければならない

ワーケーションは、「休暇中なのに働かなければならないのか」「休暇中に働かせるのか?」という誤解をされることがあります。たしかに、ワーケーションでは休暇中に仕事の時間を取りますが、ワーケーション中の仕事も勤務時間にカウントされます。また、休暇は社員が望んで取得するもので、ワーケーションをするか否かは社員の判断に任されます。ワーケーションは、社員が選べる選択肢の1つにすぎないのです。

ワーケーションについて周知するときは、強制的にワーケーションさせるのではなく、柔軟な働き方ができる、選択肢が増えるということをしっかり伝えましょう。

誤解(2)ワーケーションができない人との間に不公平が生まれる

どうしてもワーケーションには向いていないという業務や職業も存在します。そのため、「ワーケーションができる人とできない人がいるという状態は、不公平ではないか」という意見も存在します。

しかし、すべてのビジネスパーソンが、同じ福利厚生や制度内で働けるわけではありません。ワーケーションが難しい仕事は、リモートワークも難しいことが多く、仕事によってどうしても働き方に違いが出ます。そのため、ワーケーションに向かない業務担当者や職業、業界の場合は、無理にワーケーションを導入する必要はありません。ワーケーションに向かない場合は、リフレッシュ休暇やファミリーサポート休暇、アニバーサリー休暇などその他の働き方や休暇制度の導入を検討するとよいでしょう。

ワーケーション導入に成功した企業・自治体事例

ワーケーション
ワーケーション導入には賛否両論あるものの、実際にワーケーションを導入して成功している企業もあります。最後は、ワーケーションを成功させた企業が、どう導入したのか例をみてみましょう。

日本航空株式会社

日本航空株式会社(JAL)は、有給休暇取得率の向上のために、ワーケーションを導入しました。2020年度は約400人、対象社員の2割以上がワーケーションを利用しています。導入時の2017年度は11人とかなり少数でしたが、テレワーク体験や地域関係者との交流、ワーケーショントライアルツアーを実施。社内報や社内イントラネットでも丁寧に周知を重ねたことで、ワーケーションが社内で定着するようになりました。ワーケーション参加者でのアンケートでは、「モチベーションが向上した」など、ポジティブな効果が出ています。

ユニリーバ・ジャパン株式会社

ユニリーバ・ジャパン株式会社は、業務上の支障が出ないことを条件に、理由を問わず会社以外の場所で、勤務時間を選んで業務に従事できる働き方「WAA(ワー)」を取り入れています。2019年からは、「地域 de WAA」というワ―ケーションでいる仕組みも導入。自治体と連携してコワーキングスペースを設置、社員が無料で利用できたり、地域のアクティビティに参加できたりします。働き方の選択肢が広いことで、「会社への愛着心や貢献意欲を感じる」「モチベーションが向上した」などの効果が表れています。

和歌山県

和歌山県は、県を挙げてワーケーションをする企業の誘致に取り組んでいます。ワーケーションでは、仕事をしやすい環境の確保が課題の1つでした。和歌山県は自治体が運営するコワーキングスペースを運営、Wi-Fi環境を整備し、美しい自然環境・温泉を提供しています。実際に、2017年~2019年で計104社910名が和歌山県でワーケーションを体験しました。和歌山県だけでも年に30社のワーケーションがあるということは、実際に導入に成功している企業が一定数あるといえるでしょう。

ワーケーションではルール決め&周知の徹底が重要!

賛否両論あるものの、ワーケーション自体は社員のプライベート充実のために効果的な働き方だといえるでしょう。

ただし、導入を成功させるためには、予算計画から退勤管理システムの導入、セキュリティシステムの強化などさまざまな準備が必要です。社員側は、ワーケーションには精神的余裕やリフレッシュを期待しているため、ニーズに応えるルール作りも求められます。また、先述のようにワーケーションは誤解されやすい働き方でもあるため、ルールに関してはしっかりと社内外に周知が必要です。

ワーケーション導入の是非については社内でしっかりと話し合い、導入によるメリットが得られそうであれば、導入を検討してはいかがでしょうか。

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