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全企業が行うべき女性活躍推進への取り組み成功ポイント

全企業が行うべき女性活躍推進への取り組み成功ポイント

現在日本の多くの企業は人手不足に悩まされています。
労働人口は減少しつつあるため、これまで以上に女性や高齢者、さらに外国人を雇用している企業が増えているのです。
それと共に、2016年に成立した女性活躍推進法により、女性がより活躍できる職場環境を整えることが企業に義務付けられました。
今回は、この女性活躍推進法が成立した背景と、女性活躍推進を成功させるポイントを、わかりやすく解説いたします。

女性活躍推進法の背景

女性活躍推進法は、正式には「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」です。
女性の希望に応じて十分な能力を発揮できるよう、企業が職場環境を整備するために制定されました。
今後日本国内では労働者不足の加速化が予想されているため、企業側としてもより多くの人材を確保することが急務になっています。
2003年6月には、2020年までに指導的地位にいる女性が占める割合を少なくとも30%程度にするという目標が定められましたが、達成にはまだほど遠い状況です。

さらに、育児休業法や両立支援など、仕事と子育てを両立させるための対策は講じられても、女性のキャリア形成への支援はまだまだ手薄なのが現状です。
実際、女性労働者の6割近くが非正規労働者として働いており、男性は仕事で女性は家庭という性別役割分業の意識が根強く残っていることもうかがわれます。
このような背景もあり、女性活躍推進法は、「仕事と家事の両立を促進する両立支援」と、「男女平等なキャリア形成を促進する均等支援」を連動させて、より一層女性が働きやすく活躍の場を広げられるよう定めらました。

女性活躍推進には助成金や企業のイメージアップなど多数のメリットがある

女性活躍推進は、女性にとってはもちろんのこと、企業にとっても多くのメリットがあります。
企業側のメリットとしてまず挙げられるのが、助成金です。
自社の女性の活躍に関する数値目標を達成した事業主には、女性活躍加速化助成金が支給される制度もあります。
女性活躍推進法に基づく認定制度である「えるぼし」を取得することによっても、企業のイメージアップが期待できるでしょう。

さらに女性活躍推進には、優秀な人材を確保するというメリットもあります。
男性も女性も働きやすく、求職や復帰支援などのサポートも充実している企業であれば、そこに就職したいと考える人材は多いです。
職場環境の改善に取り組んだ結果、より優秀な人材を獲得できる可能性は高まるでしょう。

加えて職場環境だけでなく、業務も改善が期待できます。
特に商品やサービスを開発している部門に女性が増えると、よりきめ細やかなニーズに対応することができるようになるかもしれません。
一般的に女性は男性と比べて共感力が高く、細やかな気配りができるものです。そのため、顧客の感じる不便さなどを敏感に感じ取って改善することにより、高い顧客満足度を達成することができるのです。

女性活躍推進の取り組みは女性一人ひとりの状況を踏まえつつ長期的視点で行う

女性躍進2
さまざまな企業が女性活躍推進の取組みを行っていますが、うまくいっている施策とそうでないものとがあります。
その大きな違いは、女性社員一人ひとりに異なる事情があることを理解しているかどうかということです。

ある女性社員は、生まれたばかりのお子さんが、別の女性社員は小学校低学年のお子さんがいます。
この2人の女性社員のニーズは異なり、同じ方法で女性活躍推進の取り組みをしてもうまくいきません。
一方の女性社員にとってはよい方法でも、他方の女性社員にとっては使いにくい制度ということもあり得ます。
女性活躍推進の取り組みは、「女性社員」という括りで見るのではなく、できる限り細かいニーズを考慮することが必要です。

たとえば、働き方の選択肢を増やすという方法があります。
働く時間帯、場所、働き方をフレキシブルに選べるようにすれば、どんな状況にある女性社員も活躍の場を広げることができます。
また、より効果的な施策にするために、女性だけでなくすべての社員が利用できる制度を構築する必要があります。女性活躍推進の施策がすべての社員に恩恵をもたらすものであれば、企業全体の職場環境を改善するために役立ちます。
さらに、一時的に女性社員の境遇を考えるのではなく、長期的な視点で随時施策を見直すことも重要です。

女性活躍推進の成功は企業の今後を担う重要なこと

女性が活躍している職場であることを証明する「えるぼし」は、自社商品などに印刷することも可能であるため、広く認知されれば企業イメージの向上が期待されます。また、女性が働きやすい環境を用意することで、企業の労働職確保だけでなく性別に左右されない多様性のあるアイデアにつながるでしょう。
女性一人ひとりの状況を踏まえた取り組みで女性活躍推進を成功させましょう。働きやすい職場環境が整えば、企業全体の業績の向上にも繋がっていきます。

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