エンプロイー・エクスペリエンスとは?組織が従業員のためにできること

エンプロイー・エクスペリエンスとは?組織が従業員のためにできること

労働人口が減少の一途をたどり、流動性が高まっていく今日において、企業が従業員の定着を図るために、エンプロイー・エクスペリエンスの向上は喫緊の課題です。
このページでは、エンプロイー・エクスペリエンスとは何かについて説明するとともに、企業が取り組むべき施策や、労働環境改善のために見直すべきポイントも合わせてご紹介します。

エンプロイー・エクスペリエンスとは従業員が感じる経験価値のこと

エンプロイー・エクスペリエンスとは従業員が企業や組織の中で経験するすべての「経験価値」を意味するものです。たとえば、業務を通じて得られるお客様とのコミュニケーションや、職務を遂行したときの達成感、上司や同僚との何気ないコミュニケーションなどが挙げられます。

エンプロイー・エクスペリエンスでは、従業員が業務に取り組んでいる間だけではなく、企業との接点すべてを含めて考えることが特徴的です。入社後の研修や配属、評価や異動、退職といった、従業員が企業での活動において経験するすべてのプロセスにおいてエンプロイー・エクスペリエンスが発生しています。
従業員が経験する一つひとつの経験的価値に重きを置く考え方が、エンプロイー・エクスペリエンスなのです。

エンプロイー・エクスペリエンスという概念は、「ユーザー・エクスペリエンス」や「カスタマー・エクスペリエンス」といったマーケティングの考え方を流用したものです。このようなマーケティングの視点によれば、顧客は「体験的な価値」を求めて商品を購入します。

「安くて機能がよい」ことが購買動機に繋がるのではなく、その商品を買うことによって、「嬉しい思いをした」「悩みが解決した」など、「この商品を買ってよかった」と思うような体験的な価値を得られるかどうかが重要なのです。

以上は企業の従業員についても同じことが言えます。「この会社で働いていてよかった」と思うような「エンプロイー・エクスペリエンス」を高めることができれば、従業員は企業にやりがいを持って職務に従事するようになるでしょう。

エンプロイー・エクスペリエンスは従業員の定着のために重要

エンプロイー・エクスペリエンスを向上させるということは、従業員が「その会社で働き続ける理由ややりがい」を作るということです。そのため、エンプロイー・エクスペリエンスの向上は、従業員の生産性向上や離職率の改善に繋がります。

昨今のギグ・エコノミー(主にインターネットを通じて単発や短期の仕事を受発注する非正規労働によって成立する経済形態)の拡大による離職率の増加を考慮すると、エンプロイー・エクスペリエンスの向上は喫緊の課題です。

ミレニアル世代(1980年以降に生まれた世代)は、フリーランスや短期雇用などの「雇用関係によらない働き方」に魅力を感じています。よって、キャリアを積めば離職してしまうケースも少なくありません。

公益財団法人日本生産性本部と一般社団法人日本経済青年協議会が、平成30 年度新入社員 1,644 人を対象に「働くことの意識」調査を行ったところ、「働く目的」で最も多い回答の上位2位は、「楽しい生活をしたい」(41.1%)、「経済的に豊かになる」(30.4%)という結果でした。[注1]

私生活の充実や経済的なメリットを求めるミレニアル世代の従業員を定着させるためには、エンプロイー・エクスペリエンスという広い視野で、従業員にとっての企業価値を高めていく必要があるのです。

[注1] 公益財団法人 日本生産性本部/一般社団法人日本経済青年協議会:平成 30 年度 新入社員「働くことの意識」調査結果[pdf]                                   https://activity.jpc-net.jp/detail/mcd/activity001538/attached.pdf

エンプロイー・ジャーニーマップを作成し2つの視点から見直しを行う


エンプロイー・エクスペリエンスを高めるためには、「エンプロイー・ジャーニーマップ」を作成し、従業員のエンプロイー・エクスペリエンスについて「動機づけ要因」と「衛生要因」といった視点から見直すことが重要です。

エンプロイー・ジャーニーマップとは、1人の従業員が入社してから退職するまでの間に、どのような経験をし、どのような感情を育んでいくのか。そしてどのように成長していくのかを旅路のように整理したものです。

エンプロイー・ジャーニーマップを作成することは、エンプロイー・エクスペリエンスをより具体的に理解する1つの手段です。エンプロイー・ジャーニーマップという1つの枠組みを通じて見ることによって、従業員が増やすべき経験価値や、減らすべき経験価値が何かを客観的に理解し判断できます。

また、エンプロイー・エクスペリエンスを向上させるためには、「動機付け要因」と「衛生要因」の2つについて考えてみることも重要です。

動機付け要因とは、一言で表現するならば従業員にとっての「働きがい」のことです。仕事の達成度や、職務のコントロール感覚、他者からの承認・評価や、自身の成長などが動機付け要因の具体例です。エンプロイー・ジャーニーマップを見つめながら、従業員にとってどんな経験が動機付け要因となっているのか、あるいは阻害しているのかについて見直してみましょう。

そして、衛生要因とは一言で表現するならば従業員にとっての「働きやすさ」のことです。労働時間や給与などの待遇面、職場環境や上司・同僚との関係、ワークライフバランスの充実などが衛生要因の具体例です。
社内アンケートの実施や、ストレスチェックを定期的に行い、衛生要因がきちんと満たされているかどうかについてチェックし、エンプロイー・エクスペリエンスの改善に取り組みましょう。

エンプロイー・エクスペリエンス向上のために企業がすべきこと

エンプロイー・エクスペリエンス向上のために企業がすべきことは、まず従業員が感じている経験価値に目を向けることです。特に、ミレニアル世代の従業員に高いエンゲージメントを持たせるには、エンプロイー・エクスペリエンスという広い視野で、従業員にとっての企業価値を見直す必要があります。

業務に取り組んでいる間だけではなく、企業との接点すべてにおいて従業員に生じている経験価値について、「エンプロイー・ジャーニーマップ」を作成して整理しましょう。

また、従業員を取り巻く具体的な職場環境や業務内容について、「動機付け要因」と「衛生要因」の2つを客観的に見直してください。従業員にアンケート調査を行うことで、それぞれの要因を阻害しているものを明らかにし、オフィス環境の改善や、健康促進への働きかけに取り組みましょう。

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