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ワークライフバランスを実現させ社員の定着率を上げる福利厚生制度とは

ワークライフバランスを実現させ社員の定着率を上げる福利厚生制度とは

今、働く人たちの間ではワークライフバランスを重視する傾向が年々強くなっています。そして、ワークライフバランスを実現させることは、社員の滿足度を高めるだけでなく、企業にとっても社員の定着率をアップさせるというメリットがあります。今回は、そんなワークライフバランスについて考えます。

ワークライフバランスを求める傾向の増加

ワークライフバランスとはプライベートが充実することにより仕事の効率も上がるといった考え方であり、日本では当初仕事と子育ての両立など、少子化対策における女性の働き方を考える場面でよく耳にする言葉でした。しかし、政府による働き方改革の背景に少子高齢化問題があることからもわかるように、これからは出産・育児を支援する目的だけにとどまらず、労働力不足による労働者への過度な負担の回避や、これから急激に増えることが予想される団塊世代の介護対策のために、ワークライフバランスの重要性が増すものと予想されます。

厚生労働省が行った労働に関する調査によると(http://www.mhlw.go.jp/wp/hakusyo/roudou/08/dl/02_0001.pdf)高い収入を得られる仕事よりも健康を損なう心配がない仕事を重視する傾向は強く、自由時間を増やしたいとする傾向も年々強くなっています。

ワークライフバランスがとれると社員定着率が上がる

ここで、ワークライフバランスを先進的に取り組んで成功している企業事例をご紹介いたします。
ソフトウェア開発で有名なサイボウズ株式会社では、2005年の離職率が28%と、当時従業員数が100人に満たない会社であったにもかかわらず1年間に30人近くが退職するという状況でした。その背景には休日出勤や長時間労働の常態化があったわけですが、その後、社員のワークライフバランスを見直し、時短勤務や在宅勤務などの勤務制度の見直しに加え、最長6年間の育児休暇・介護休暇の導入や、離職してから6年間の間は復職できることを認める「育児休暇制度」といった福利厚生を取り入れたことで、その後8年間で離職率を4%にまで下げることに成功しています。

社員定着率が96%と言われている自動車部品メーカーの株式会社デンソーをはじめとするデンソーグループ各社でも、法律では1歳6ヵ月までとされている育児休暇や短時間勤務を小学校卒業まで継続的にサポートしたり、福利厚生として「育児サービス」「介護サービス」「生活サービス」といったものを用意するなど、仕事とプライベートを両立させるためのワークライフバランスが整備されています。

また、新卒離職率が2.5%とも言われているヤフー株式会社では、保養施設や社員向け優待・割引などの福利厚生制度の他に「長期所得補償制度」を設けています。これは、病気やけがで60日以上仕事ができなくなった場合にも、給与の60%が満60歳まで補償されるというものです。ワークライフバランスというと、就業時間とプライベートな時間とのバランス面にフォーカスされがち。しかし、このような給与面でのサポートも、社員が安心して働くためには重視すべきでしょう。

社員の満足度が高くなれば、自然と離職率は下がり、生産性の向上が期待できます。加えて社員が気持ちよく働いているその姿は自然と企業のイメージアップへと繋がるものと考えられます。

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