ヘッドハンターの独り言

転職”活動”リスクなんて何もないですよ。。。

転職”活動”リスクなんて何もないですよ。。。

ご転職希望者の方向け:先日Y!ニュースで私のコラムが取り上げられましたのでご参考くださいませ。

「転職はリスクはありますが転職活動にはリスクはなく、むしろ活動しないことの方がリスク」・・・的な話です。

日本人というのは、先進国の中でも勤続年数が長い国民。国人の1社当たりの平均勤続年数が4.6年に対して、日本人は11.9年。つまり、「いったん会社に入れば長く働く」というのが日本の国民性なのだ。だからこそ、人生で初めての転職をしようという「転職ビギナー」は、新境地への期待値が非常に高い。なかでも、転職先の求人数が割と多く選択の余地がある20?30代のビギナーが陥りやすいのが、完璧を求め過ぎる”100点転職”である。

会社の財務状況は良好で、年収は現職同等かそれ以上。裁量権は今より大きく、風通しの良い社風で、年間休日は120日くらい欲しい……などと、希望をあげるときりがないが、20代後半から30代のビギナーは、このように次の職場に対する期待が大きい。ただ、現実はそう甘くない。私がよく言うのは、転職先を選ぶのは不動産を選ぶのと似ていて、「都心で駅から近く、周辺環境抜群で新築か築浅。しかも家賃は他より安い」なんていう物件がなかなか見つからないのと同じということ。あれもこれもの好条件をすべて満たす転職先は極めて稀であるということだ。

●転職にリスクはあるが、転職活動自体にリスクはない

その点、転職を一度でも経験している人は現実を理解しているので、2回目以降の転職活動では、だいたい6?7割の希望を満たせられればすんなり応募という流れになるが、ビギナーは6?7割程度の合致度ではためらう傾向にある。つまり、客観的には好条件の案件があっても「検討してから回答します」とか「他の案件も探してみたいので……」といった反応で、なかなか前のめりにはならない。転職先で長い間働きたいと思えばこそであろうが、まず言っておきたいのは、「転職にリスクはあるが、転職活動自体にリスクはない」ということ。転職活動をしているということは、何らかの理由で現職以外を見てみようと思っているわけだから、他の会社に応募してみなければ始まらない。だから希望条件を6割程度満たしている案件であれば、積極的に応募したほうが良いのでは? と思う。それで受ける恩恵はいくつもあるのだから。

例えば、

・自分の市場価値が分かる
・他の会社を知る機会になる
・内定をもらう社数が増える
・上記より現職との比較ができる

ということが、あげられる。

●他社の給与や仕事内容を現職と比較できることが重要

あれこれと希望条件との合致うんぬんを考える以前に、書類選考さえ通過するかも分からない。自分がどの程度(レベル)の企業なら通用するかを見極めるためにも、まずは応募してみることが望ましい。6割程度の希望が満たされている企業ならば、面接を通して別の魅力を感じたという事例も数多く見ている。

また、間口を広げることにより、内定をもらえる会社の数は確率の面からも増えるので、内定企業の給与や仕事内容などを現職と比較できる機会が増えることは非常に重要だろう。

その一方で、転職活動の結果、世間に自分にフィットする会社がなかったとか、内定を1つも獲得することが出来なかったとしても、「今の職場で頑張るしかないのだ!」と再認識できたのなら、それはとても有意義なこと。その転職活動自体は成功と言えるのではないだろうか?

繰り返しになるが”転職にリスクはあるが、転職活動自体にリスクはない”。むしろ、少しでも気になる会社があったら、それに応募しないことのほうがリスクだろう。自分の未来への可能性を自ら閉ざすことになり、現職との比較をする機会も失う。

そして、近い将来にその会社に応募しようと思っても、そのときは募集をしていない可能性もある。今しかないチャンスだと思ったほうがいい。

これから初めての転職活動をしようという人は、ぜひ”60点転職”を心がけて、間口を広げながら候補企業に積極的にエントリーしていくことをお勧めしたい。(プロフェッショナルバンク 高本尊通)

※この記事は、誠ブログの転職ビギナーが陥る”百点転職”とは?より転載、編集しています。

[プロフェッショナルバンク 高本尊通,Business Media 誠]

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