採用マーケティングの基本!成功させるためのポイントと進め方

採用マーケティングの基本!成功させるためのポイントと進め方

求める人材が集まらない、内定辞退者が多いなど、採用活動に悩む企業は多いものです。採用を制する企業がビジネスを制すと言われるほど、自社とマッチする優秀な人材の獲得は、企業の成長と利益拡大には欠かせないものとなっています。

今回は、企業活動のなかでもとくに重要な「採用」を成功させるために、ぜひ活用したい「採用マーケティング」を解説します。採用活動に悩む企業や、採用担当者の方は、導入できそうかご確認ください。

「採用マーケティング」とは?


まずは、採用マーケティングがどのようなものなのか、基本的な内容から見ていきましょう。

現在、日本は、採用したい企業の競争が激化する売り手市場です。この状況のなか、採用マーケティングは、優秀な人材を効率よく採用する手段として注目を集めています。

採用マーケティングの定義

採用マーケティングは、採用活動にマーケティングの概念や戦略、手法を取り入れた考え方です。

IT技術やデータを駆使し、採用過程の全体を分析・検証することで、求職者への効果的なアプローチを行えるようになります。たとえば、求職者は、マーケティングの「認知→興味→比較・検討→購入」という購買フェーズと同様の段階を経て、求人に応募し、入社に至ります。マーケティングの考え方が、採用活動にも活用できるのです。

採用マーケティングを展開するメリット

企業にとって採用活動にマーケティングの視点を持つことは、さまざまなメリットを生みます。従来の採用活動よりも、おもに下記の点が魅力といえるでしょう。

・自社にマッチする人材を、コストを抑えて採用できる

採用マーケティングを活用すれば、自社の求める人物像やそのニーズを明確にすることができます。アプローチすべきターゲットがはっきりしていれば、利用する求人媒体や情報発信のツール・メディアを絞ることができ、最小限の費用や時間、人材で採用活動を行うことができます。

また、求める人物像を明確にして採用活動を行えば、求職者も企業側のニーズを正確に受け取ることができ、求める人物像に近い応募者が多く集まるでしょう。そうなれば、より優秀で、より自社にマッチする人材を選ぶことができます。

・人材確保を長期的に、かつ安定して確保できる

採用マーケティングを活用した採用活動は、従来と異なり、求人→選考→決定→入社という一過性のものではありません。現在の応募者だけでなく、潜在的な転職者や、採用後の社員、退職者をターゲットにもアプローチを行います。採用マーケティングでは、人事に関わる業務全体をフォローするのです。

潜在的な転職者たちと関係を築くことがで、転職時の応募候補に入りやすく、安定した人材確保が見込めます。また、募集から社員の定着や活躍、再雇用までフォローすることで、長期的な人材確保も期待できます。

採用マーケティングが必要になっている背景


採用マーケティングが注目されている背景には、社会情勢や時代の変化が関係しています。採用マーケティングは、単なる新しい手法・考え方ではなく、今の時代に求められて生まれた戦略といえるでしょう。

現役世代の減少

少子高齢化に伴い、15歳~64歳の現役世代の人数は年々減少しています。1950年には1人の65歳以上に対して、12.1人の現役世代がいましたが、2015年には2.3人にまで減少しています。今後、働く人の人口はさらに減少することが見込まれています。

働く人口が少なくなれば、企業の人材確保の競争は激化、自社にマッチする人材・優秀な人材を確保するのが難しくなります。現在すでに、採用したい企業のほうが、求職者よりも多くなる売り手市場となっており、求人前から採用後までフォローする採用マーケティングが必要とされています。

働き方の多様化

ライフスタイルと価値観の変化に加え、政府による働き方改革によって、働き方の選択肢の幅が大きく広がっています。2020年に入ると、新型コロナの影響で一気にテレワークが広がり、オフィス不要論も飛び出しました。働き方の幅が広がったことで、従来よりも多面的に就職先を探す人が増えています。企業は働き方の多様化の先を読み、経営の方向性や採用、その他業務に落とし込まなければなりません。

他方で、終身雇用制が崩れたことで、中小企業にも優秀な人材を獲得するチャンスが増えました。これまで大手志向が強かったハイキャリアも、独自のキャリア形成やワークライフバランス、副業ができる職場などを求めて企業規模に関係なく就職先を探すようになっています。採用マーケティングを活用して、求職者のニーズを分析する必要性が増しているといえるでしょう。

情報収集の方法の変化

インターネットはもちろん、SNSやWebメディアが普及し、求職者が情報収集する方法も大きく変化しました。求職者は複数のツールを使って企業を調査し、比較・検討します。企業側は、効果的に正確な情報を発信していくために、求職者のニーズや情報収集のツールを分析・検証する必要があります。

たとえば、ブラック企業が毎年話題になるように、求職者はコンプライアンスに関して高い関心を持っています。そのため、定型的な情報サイトよりも、社員や退職者の口コミから、社内の雰囲気や業務内容、福利厚生の整備状況を確認できるサービスのニーズが高まっています。

企業が発信したい情報ではなく、求職者が求める情報を探り出す採用マーケティングは、情報社会で採用活動を成功させるカギといえるでしょう。

採用マーケティングのポイントは「ターゲットの理解」


ここまで何度か登場した「ターゲット」は、採用マーケティングを始めるうえで、最初に理解しておきたい存在です。アプローチする相手が誰なのかはっきりしなければ、採用マーケティングのメリットを享受することはできません。

ここでは、どのようなターゲットを対象にマーケティングを行っていくのか確認しましょう。

転職潜在層

転職潜在層は、就職や転職を意識はしているが、実際には転職を決意していない、求職媒体に登録しただけ、具体的な行動に至っていない、という人たちです。今の職場に不満があったり、将来的に転職の可能性を考えたりしながらも、行動に至っていないため、競合他社も知らない優秀な人材が眠っていると考えられます。

転職顕在層

転職顕在層とは、実際に転職活動を開始している人たちのことを指します。転職することは決定しているため、求人媒体やSNSでの求人募集の検索を積極的に行い、情報を収集します。転職顕在層の求職者は、条件の合う会社が見つかれば、すぐに応募に移ることが想定されます。

社員

採用マーケティングのおいて、自社の既存社員もターゲットとなります。先述の通り、採用マーケティングは採用前から採用後までをフォローするもので、獲得した人材の定着や活躍も目指しているためです。

既存社員は、SNSや口コミでの情報発信者となることが想定されます。既存社員が最適なポジションに就き、会社への愛着と高いモチベーションを持って働ける環境を整備することで、転職潜在層・転職顕在層に対して自社の魅力を語れる人材となります。

退職者

採用マーケティングにおいて、退職者は採用候補者、または良質な情報発信者として捉えられます。退職者のなかには元の会社に戻りたいと考える人も多く、良好な関係を保つことで、すでに自社の文化や業務を理解した優秀な人材を再雇用できる可能性があります。再雇用に至らなくても、良好な関係を保つことで、SNSや口コミで自社の魅力を伝える人材となることが想定されます。

入社していない過去の応募者

過去に不採用になった応募者や、内定辞退者も、採用マーケティングのターゲットに含まれます。採用や入社に至るかはタイミングの問題もあるため、状況が変われば採用候補者となる可能性があります。とくに最終選考まで残った応募者や、内定辞退者とつながりを維持しておくことで、条件やタイミングが合えば雇用することもできるでしょう。

採用マーケティングの活動プロセス


採用マーケティング自体は、採用後の定着や活躍、退職後までフォローしますが、採用自体は下記のようなプロセスで進められるのが一般的です。
求職者が、消費者の購買プロセスと同様の段階を踏むことは先述しました。採用に置き換えると、「認知→興味→比較・検討→内定承諾・決定」というプロセスとなります。この採用活動のプロセスを表す図は、漏斗を意味する「ファネル」と呼ばれています。フェーズが進むと対象となる人数が減ることから、図は漏斗のようなすり鉢状です。

ここでは、採用マーケティングにおける各フェーズにおいて、どのようなアプローチが必要になるのか見てきましょう。

認知=転職潜在層

採用活動の第一ステップでは、転職潜在層に「会社のことを知ってもらう」ことを目標にします。就職や転職の意思にかかわらず自社のことを広く知ってもらうことで、将来の求職者の応募候補に入ることができます。

転職潜在層にアプローチするためには、SNSやWebサイト、外部のイベントなどざまざまなツールや手法を活用が効果的です。存在を覚えてもらうことが目的なので、求人色を出しすぎないよう意識しましょう。

興味=転職健在層

認知の次は、転職潜在層に「就職先・転職先として興味を持ってもらう」ことが目標です。すでに就職・転職活動を始めている人たちに、自社の情報を明確に伝えることで、すぐに応募につながる可能性があります。

転職潜在層は積極的に情報収集を行っているため、SNSや転職サイト、自社の採用募集ページで会社情報や自社の魅力、求める人物像を明確に発信しましょう。近年は、採用動画やブランディング動画の活用も注目されています。

比較・検討=候補者

比較・検討のフェーズにいるのは、すでに自社に応募し、選考を受けている採用候補者たちです。ここでは、候補者が他社と比較・検討するなかで、「自社を選んでもらう」ことが目標となります。

就職活動・転職活動では、複数企業に同時に応募し、選考も並行して受けるものです。他社と競合している状態なので、ぜひ採用したい人材には、自社に入社してもらえるよう積極的にアプローチする必要があります。具体的なキャリアパスや働く現場の雰囲気、社員の人柄など、実際に働いたときのイメージを持ってもらうことで、他社よりも優位に立つことができます。

候補者に対する効果的なアプローチには、採用担当者以外の社員とカジュアルに話ができる親睦会の開催がおすすめです。応募者の不安をしっかり解決し、他社との違いを明確に説明しましょう。

内定承諾・決定=内定者

最終フェーズでは、内定者に「内定を承諾、入社を決意してもらう」ことが目標です。内定辞退はよくあることですが、内定辞退者を減らさなければ、効果的な採用活動ができているとはいえません。

内定辞退を防ぐには、過去の内定辞退者が入社しなかった理由の分析・検証が効果的です。たとえば、「勤務地や給与などの待遇や雇用条件の不一致」は、内定辞退の理由としてとくによく挙げられます。待遇や条件が入社を決める大きな要因にもかかわらず、内定前に具体的な条件を伝えないケースが多々あるためです。最後になってようやくニーズが合致していないことが判明し、内定辞退となるのです。

求職者のニーズを知れば、そのニーズを満たす情報発信や選考ができるようになります。そうなれば、最終的な就職・転職先として選んでもらえるでしょう。

採用マーケティングに役立つフレームワーク


ここまで、採用マーケティングの基本的な情報や、採用活動の流れを紹介しましたが、いざ導入を検討するとなると、人事に関わる業務のすべてを見直さなければなりません。簡単に始められるものではないため、どこから手を付けたら良いのか迷う企業や採用担当者も多いでしょう。

そこで、最後は採用マーケティングを始める前に、知っておくと役立つマーケティングのフレームワークを紹介します。

カスタマージャーニー

「カスタマージャーニー」は、消費者・顧客が、商品やサービスの購入を決めるときの「行動」「思考」「感情」のプロセスを旅に例えた言葉です。今回紹介した購買フェーズもカスタマージャーニーの一部です。

カスタマージャーニーを考えるときは、フェーズをさらに細かく分類して、求職者やの行動と心理を分析していきます。カスタマージャーニーマップという情報や分析内容を一覧にした図表を用いて、情報を可視化して分析すると良いでしょう。

ペルソナ設計

マーケティングでは、「ペルソナ」が頻繁に使用されます。ペルソナとは、ターゲットを象徴する人物像です。採用マーケティングの場合は、採用活動で求める人物像がペルソナとなります。

ペルソナの設計では、その人物が実在できるほど詳細に人物像を作り込みます。年齢や氏名、性格、住んでいる場所、家族構成、趣味、これまでの学歴や職歴など、具体的にかつ詳細に設定していくことがポイントです。ペルソナを明確化することで、求める人物に対する的確なアプローチが可能となります。

3C分析

マーケティング環境を把握するための「3C分析」も、採用活動に応用できます。Customer(市場・顧客)・Competitor(競合)・Company(自社)の3つの視点で、自社を取り巻く業界の環境を整理します。

3C分析では、あくまで事実の整理として、顧客や競合といった外部環境と、自社の内環境を照らし合わせることがポイントです。見つかった自社の強みや弱みを客観的に分析することで、事業の成功要因を見つけられるでしょう。

SWOT分析

戦略策定の意思決定や課題の明確化、経営資源の最適化を行うための「SWOT分析」も、採用マーケティングに応用できるフレームワークです。Strength(強み)・Weakness(弱み)・Opportunity(機会)・Threat(脅威)の4つの視点をプラス要因とマイナス要因に分けて分析することで、採用のチャンスを導き出します。

プラス要因の内部環境に強みが、外部環境に機会が分類されます。マイナス要因の内部環境には弱みが、外部環境には脅威が分類されます。自社を取り巻く環境をそれぞれ分析・検証することで、効果的な採用戦略を策定することができるでしょう。

タレントプール

「タレントプール」とは、採用候補者となる人材の情報を備蓄しておく仕組みやデータベースを指します。自社にマッチする優秀な人材の情報を集めておくことで、採用したいタイミングでコストを抑えた採用が実現します。

タレントプールを維持するためには、採用候補者や有望な人材と継続的にコンタクトを取ることが重要です。今は就職・転職の意思がなくても、コンタクトを取り続けることで、求職時にいち早くアプローチすることができます。そして、効率的に、親和率が高い人材を採用することができるでしょう。

5A理論

「5A理論」は、インターネットやSNSの存在を考慮した、消費者の購入プロセスの考え方です。マーケティングのおける伝統的な購買フェーズであるカスタマージャーニーに対して、5Aは新しい時代のカスタマージャーニーと言えます。5A理論では、消費者の購買プロセスは「Aware(認知)→Appeal(訴求)→Ask(調査)→Act(行動・購入)→Advocate(奨励)」という流れで進みます。カスタマージャーニーと同様に、5A理論も採用活動に置き換えることができます。

5A理論でも、詳細に求職者の行動・思考・感情を分析していきましょう。

まとめ

今回は、採用マーケティングの基礎情報や考え方を紹介しました。企業が優秀な人材の獲得を競合する時代だからこそ、求める人材への積極的なアプローチが採用活動の成功のカギといえます。これからの採用活動では、ぜひマーケティングの視点を取り入れて、効率的に求める人材を獲得してください。

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