リファラル採用とは?メリット・デメリット、トラブルを防ぐ制度紹介

リファラル採用とは?メリット・デメリット、トラブルを防ぐ制度紹介

アメリカではすでに一般的な採用方法で、日本でも2015年頃から注目が高まってきているリファラル採用。具体的にはどのような採用方法で、いわゆるコネ採用とはどう違うのでしょうか?
今回は、リファラル採用とはどのような手法なのか、メリット・デメリットを踏まえた特徴を紹介します。また、典型的な失敗事例から紐解くトラブルに陥らないための制度設計を解説し、導入する際のポイントについて分かりやすく説明しております。

リファラル採用とは?

リファラル(referral)には推薦や紹介といった意味があり、リファラル採用とはその名のとおり、在籍する社員やアルバイト、OB・OGなどの紹介により、自社の社風に合っている人や、業務内容に適した人を選考、採用する方法です。アメリカではGoogleやMetaなどのIT企業をはじめ、すでに約85%以上の企業で導入されております。日本ではまだ馴染みの薄い採用方法ですが、ビズリーチやメルカリといったITベンチャー企業では既にこのリファラル採用を導入し業績をアップさせています。
また、近年ではトヨタ自動車や富士通、NTTデータなどの大手企業もリファラル採用の導入を積極的に推進しており、今後も多くの企業で導入されていくでしょう。

縁故採用との違い

日本でも古くから「縁故採用」や「コネ採用」と呼ばれる幹部社員や取引先の紹介による採用はありますが、これらの場合は主に血縁者が中心であり、話が出た時点で採用が決まっていることがほとんどです。

一方、リファラル採用は社員であれば誰でも自由に紹介をすることが可能です。また、紹介をしたからといって採用が確定する訳ではない点が縁故採用とは異なります。面接や採用試験といった通常の選考プロセスは公平に行われますので、紹介者の推薦が書類選考や一次面接に相当すると考えてよいでしょう。

つまり、リファラル採用だから合格率が上がるという事はありません。候補者は、友人の紹介だから有利であると思い選考に臨むと、油断が現れ面接選考で落ちる可能性もあります。企業側からすると、リファラルで紹介があったからと言って、受かりやすい仕組みを構築し、内定者を増やすことは本当の採用成功にはつながりません。

一般的な採用手法との比較

続いては、一般的な採用手法とリファラル採用の比較から、リファラル採用の特徴を紐解いていきましょう。

リファラル採用と一般的な採用手法の比較

リファラル採用と一般的な採用手法の比較
リファラル採用では、一般的な採用手法に比べ、費用面において圧倒的に抑えることが可能です。
リソースは、これまで会うことのできなかった「転職潜在層」の優秀人材と会えるチャンスにもなります。また、母集団形成のボリュームは他チャネルに比べて劣る部分もありますが、紹介のあった候補者は自社選考を優先して進む傾向があるため、決定率は大幅にUPします。リファラル採用は、「質」に重きを置いた採用戦略として、中長期的に運用していく事をお勧めします。

リファラル採用のメリット・デメリット

さて、費用やリソースの違いについては、上記の図から読み取れると思いますが、更なるリファラル採用の特徴を、メリットとデメリット双方から紹介していきます。

リファラル採用のメリット

①マッチング率の向上・高水準の定着率

②専門性の高い「転職潜在層」の確保

③採用コストの削減と社員への報奨金

④社員のエンゲージメント向上

メリット①:マッチング率の向上・高水準の定着率

リファラル採用の場合、企業理念や社内環境をよく知る社員が自社に合いそうな人材を紹介するため、従来の採用に比べ職場とのマッチング率は非常に高いといえます。また、入社後に起こり得る不安は紹介者に相談することもできるため、結果的に職場での定着率も向上します。

メリット②:専門性の高い「転職潜在層」の確保

人材紹介など一般的な転職サービスに登録する求職者は、全労働人口の約5%とされており、残りの95%は「転職潜在層」となります。その中でも「良い話があれば転職したい」と考えている人材層は、33%も存在すると言われております。

一般的な採用手法で対象となる転職活動者へのアプローチだけではなく、リファラル採用ではこれら「転職潜在層」にも接点を持てる可能性があり、これまで出会えなかった優秀な人材を迎え入れる機会になり得ます。

また、専門性の高い職種の場合、一般的な募集方法では求める人材が集まりにくい状況がありますが、リファラル採用の場合は同窓生など似たような分野で活躍している人材を集めやすいという特徴もあります。更に、転職潜在層の場合、選考における競合はない場合が多く、自社選考のみで進捗する環境を作り出せることは、リファラル採用ならではの魅力です。

メリット③:採用コストの削減と社員への報奨金

リファラル採用の場合は求人媒体や人材紹介会社への依頼をする必要がありませんので、基本的に採用活動における費用がかかりません。紹介者にボーナスといった形の紹介報酬制度(インセンティブ)を取り入れている企業もあります。その場合も違法性のない範囲での金額ですと10万円〜50万円程度となりますので、一般的な採用活動にかかる高額な費用を考えると、かなりのコスト削減になるでしょう。

メリット④:社員のエンゲージメント向上

人事ではない社員が、リクルーターとして自社の魅力を伝えることは、リファラル採用で得られる貴重な機会です。自身が入社したきっかけや、日々の業務のやりがいなどを友人に伝える事で、改めて会社の魅力に気付かされる好機となります。企業からすると、社員への企業理念の浸透や組織文化の醸成が期待でき、結果的に社員のエンゲージメント向上に繋がるという相乗効果も期待できるでしょう。

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リファラル採用のデメリット

①不採用やトラブル時における人間関係の悪化

②似た人材が集まりやすい

③紹介者が退職した場合のモチベーション低下

デメリット①:不採用やトラブル時における人間関係の悪化

リファラル採用のデメリットとして最も起こり得る可能性が高いのは、紹介をした知人や友人が結果的に不採用になってしまった場合の双方の関係悪化です。紹介をした側は大変気まずい思いをしますし、紹介された側も、知人・友人の紹介にも関わらず不採用となれば当然ショックも大きいはずです。リファラル採用では、双方があらかじめ不採用の可能性もあるということを十分に理解しておく必要があるでしょう。

デメリット②:似た人材が集まりやすい

「類は友を呼ぶ」といった言葉もあるように、リファラル採用の場合はプライベートを中心とした知人や友人が紹介されることが多いため、結果的に似たような人材が集まりやすく、場合によっては会社にとって不利益な派閥が形成されてしまう可能性もあります。一方で、業種によっては似たような思考・嗜好の人物が集まることをメリットと捉えることもできるでしょう。

デメリット③:紹介者が退職した場合のモチベーション低下

リファラル採用は、紹介する側と紹介される側の双方に信頼関係があるからこそ成り立つものです。そのため、もし何らかの理由により紹介者が退職することになってしまった場合、紹介された側の社員のモチベーションが低下する可能性があり、最悪の場合は芋づる式にどちらも退職してしまうことも考えられます。

注意すべきトラブル3選

★トラブル1:紹介社員との認識齟齬

★トラブル2:インセンティブ報酬額の設定ミス

★トラブル3:社員からの反対意見

★トラブル1:紹介社員との認識齟齬

リファラル採用に注目が集まったのは近年の話。リファラル採用について、人事は分かっていても、社員が誤って理解している事でトラブルに発展してしまうケースがあります。

リファラル採用でも通常の選考フローがあるわけですから、当然不採用になる事もあります。その際に、「通常の選考フローを実施する」旨を伝えていないと、理解の曖昧な社員から関係性悪化に伴う不満の声が上がるといったトラブルも実際に耳にします。何度も言います、リファラル採用は「内定確約ではない事」を周知徹底しましょう。

★トラブル2:インセンティブ報酬額の設定ミス

これは、法的観点からのトラブル事例です。インセンティブと言われる紹介報酬制度は、職業安定法や労働基準法を遵守していないと罰則の対象となってしまいます。次項の制度設計にて詳しく説明しますが、高すぎる報酬額設定や曖昧な支払い方法などには注意が必要です。

★トラブル3:社員からの反対意見

リファラル採用だからと言って、採用基準を甘く設定してしまい、採用後に既存社員との間に溝が生まれてしまうケースもあります。これにより、既存社員のモチベーションが下がり、退職者が出ては元も子もありません。リファラル採用は、あくまでも紹介チャネルを増やす手段として活用することが望ましいです。

リファラル採用を成功に導く制度設計

こうしたトラブルを起こさないためにも、しっかりとした制度設計が必要です。トラブルなくリファラル採用を実施していくための、具体的な制度内容と知っておくべき規程例ついてご紹介します。

①紹介報酬制度(インセンティブ制度)

②募集ポジション・採用基準の明確化

③社内告知制度

①紹介報酬制度(インセンティブ制度)

紹介報酬制度とは、候補者を紹介してくれた社員に報奨金として一定の対価を支払うという制度です。ここで注意すべきは、社員が友人を紹介してくれたことに対して報酬を支払うこと、高額な報酬額を設定することは、職業安定法および労働基準法により禁止されているという点です。したがって、就業規則の記載に、社員が友人を紹介してくれたことに対する報酬ではなく、リファラル採用の制度として定められた「社員の業務遂行に対する報酬」である旨を定義することが必要です。

また、社員が友人を紹介する主な動機のほとんどは、友人のためを思った「好意」です。実はインセンティブ目当てで友人を紹介する社員は少なく、報酬が高いからと言って紹介数が増えるわけではありません。あくまでも、インセンティブは紹介者との良好な関係性と賞賛に値する行動の評価として位置付けておく必要があります。ですから、報酬は金銭という決まりはなく、ギフト券や割引券などを報酬としている企業もあります。自社のカルチャーに適した紹介報酬制度を設定することで、社員をうまく巻き込める制度を設計できるでしょう。

②募集ポジション・採用基準の明確化

人事が紹介してほしいと思っているペルソナ(スキル・人柄・年齢層)と選考フローを、社員に対して的確に伝えられていないと、自社とアンマッチな人材が推薦されることになり、工数が増えて逆に効率の悪い採用チャネルとなってしまいます。特に、社員と友人との関係性にも配慮が必要になるので、センシティブなシーンが増えてしまうのは望ましくありません。

社員に対して、募集ポジションや採用基準、ペルソナを的確に伝えることで、マッチング率も高まり優秀人材の採用や採用効率の向上にもつながります。では、どのように社員に対して告知するべきでしょうか。

③社内告知制度

少なすぎても浸透しない、多すぎても鬱陶しく思われそう。社内告知の仕方は難しいものです。しかし、社内告知がうまくいかなければ、リファラル採用の実施背景、募集ポジション、採用基準、選考フローなどが周知できません。特にトラブルの原因になり得る社員との認識齟齬は、この社内告知制度がうまく機能していないことが原因として挙げられますので、しっかりと設定しておく必要があります。

企業によって、告知方法や告知頻度は異なりますから、自社に適した社内告知の方法を模索する必要はあります。では、いくつか成功事例を紹介します。

■オンライン告知とオフライン告知の融合

オンラインでの社内告知方法とは、メールやチャットなどの社内コミュニケーションツールが主です。一方で、オフラインの社内告知とは、全体朝礼での口頭による全社発信や掲示物を社内に貼付するなどの方法です。

全体朝礼などで全社向けに直接発信することで、会社の本気度が伺えます。また、メールのようにスルーすることもないですし、オンラインでの社内告知を再度アナウンスすることが出来るというメリットもあります。

■活躍事例・進捗情報の共有

毎回同じ内容の「友人紹介してほしい」「インセンティブ付与」などの発信だけでは、回数が増えるほどスルーされがちです。社員の興味を引くために、リファラル採用を導入してからの会社の変化や、決定者の活躍事例を交えて社員に協力を促すことで、社員の紹介に対するモチベーション向上に繋がり、告知効果がすぐに表れるかもしれません。

また、会社や業務、待遇についてのわかりやすい資料を添付したり、魅力的な紹介方法のレクチャー案内をしたりするなど、友人を紹介しやすくする配慮が社員の心を動かします。

■セグメントを分けての告知

社内全体への浸透は、リファラル採用を導入する上で重要な指標ですが、それを実現させるためには、セグメント毎に周知していく事が効果的です。

ひと手間ですが、部署によって告知の内容を変えてみたり、リファラル採用で募集しているポジションに該当する部署には早めに告知したりと、密接なコミュニケーションを取ることで社員のリファラル採用に対する温度感もコントロールすることが出来ます。

リファラル採用を導入する際のポイント

ここまで、メリットやデメリットからリファラル採用の特徴について紐解いてきましたが、リファラル採用を導入するにあたっての最も重要なポイントをお伝えします。それは、「従来の採用方法と組み合わせる」という事です。

リファラル採用での決定率は一般的な採用方法に比べると圧倒的に高い傾向にあります。一方で、社員の積極性や人脈に頼るものですので、大量の人材を確保したい時や短期間で人材を確保したい時などにはあまり向いていません。そのため、従来の採用方法と並行してリファラル採用を行う事がポイントです。

例えば、経営幹部の採用やマネージャーの退職に伴う募集を、優秀な人材が集まりやすいからと言う理由でリファラル採用にて実施してしまうと、既存社員の会社への不安感を煽る原因となってしまいます。会社の財産はヒトです。リファラル採用によって悪循環を生まないよう、特に既存社員への配慮は忘れるべきではありません。

リファラル採用は、費用が抑えられるだけでなく、長く活躍できる社員を効率よく採用できる非常に有効な採用方法です。社員が紹介したくなる環境を整えることで、リファラル採用だけでなく、従来の採用においても、求職者の目に魅力的に映る会社作りのきっかけになるはずです。

最後になりますが、「転職潜在層」へのアプローチは非常に有効です。
ただ、従来の人材紹介だけでは母集団形成が難しく、リファラル採用も活用しづらいとお困りでしたら、ヘッドハンティングでも「転職潜在層」へのアプローチは可能です。募集するポジションの難易度や特性に応じて、採用チャネルを併用していく事は重要な採用戦略です。

まずはヘッドハンティングとはどういう手法なのか、リファラル採用と併せて検討してみてはいかがでしょうか。

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