リファラル人材へのヘッドハンティングが増えている3つの理由
リファラル採用を強化する企業やこれから始めようという企業が増えていますが、実は「その対象人材を当社のようなヘッドハンティング会社を活用してヘッドハントする」という動きも広がっています。リファラル人材をヘッドハンティングする理由とは?背景や対象はどのような人材なのか?を解説しています。
目次
ヘッドハンティングされるリファラル人材とは?
リファラル採用を促進する企業が増えていますが、従業員の知人や友人を自社の採用担当へ紹介して、最終的に採用していくのが一般的なフローかと思います。知人、友人などをヘッドハンティングするなんて、そんな“まどろこしい”ことする必要あるの?と思われるかもしれませんが、敢えてヘッドハンティングした方が上手くいくケースというのが存在しているのです。
例えば、過去に名刺交換をしただけで深い交流はない人材。交流会やイベントで言葉を交わしたことのある競合他社の人材、他には、取引先の担当で直接声はかけづらい人材など。直接声はかけづらいが、採用したい人材がいる場合には、当社のようなヘッドハンティング会社にスカウトを依頼されると、採用フローへ乗るまでがスムーズで、且つ採用成功率があがるのです。
リファラル採用を進める日本企業
リファラルは英語でreferralと書き、その意味は「紹介」や「推薦」にあたります。近年、日本でもリファラル採用が注目されることで聞き慣れた言葉になりつつあります。リファラル採用とは、その意味する通り自社の社員から人材を紹介・推薦してもらうことですが、先行するアメリカでは既に85%の企業が導入していると言われています。
日本でも、ビズリーチやメルカリといったITベンチャー企業をはじめ、トヨタ自動車や富士通、NTTデータなどの大手企業もリファラル採用の導入を積極的に推進しています。
今後も、高い求人倍率の中で熾烈な人材獲得競争を勝ち抜くためには、競争相手がいない転職潜在層にアプローチできるリファラル採用が、日本企業にとっても有効な採用手法として普及するでしょう。
リファラル採用の課題
リファラル採用は、先述したように「転職潜在層」へアプローチすることで、求人媒体や人材紹介のような既存の採用手法とは違い、競合企業がいないというメリットがあります。また、自社の社員が紹介、推薦する人材であることから「リファレンス」がとれた状態で安心して採用が出来たり、「類は友を呼ぶ」で自社とマッチ度の高い人材が採用できたり、その結果、定着率も高くなるなどの、多くのメリットがあります。
しかしながら、上記メリットと表裏一体となる課題もあります。リファラルされる人材は、社員のプライベートを中心とした知人や友人が大半となりますので、それ以外の広がりが難しいという点です。より広く、多様な人材を採用したい場合には、どうしても対象が狭くなってしまいます。また、知人であっても面識が薄くて声をかけづらい人材や、自社の社風や求める能力を満たせているのか?が判断できない人材は、リファラルの対象から外れてしまうのです。
そこで、面識はあるが直接声をかけづらい人材を、ヘッドハンターに代行してリクルーティングしてもらおうというのが「指名ハンティング」であり、リファラルの対象を広げられるという背景により、その活用が広がってきているのです。
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指名ハンティングとは?
ヘッドハンティングの手法は、大きく分類すると「フルサーチ型ヘッドハンティング」と
「指名ハンティング」2つに分けられます。その違いを簡単にご紹介します。
フルサーチ型ヘッドハンティング
フルサーチ型ヘッドハンティングは、クライアントとなる企業が求める人材を主に転職潜在層から探し出し(フルサーチ)、口説いて(ハンティング)、クライアント企業への転籍を 促す手法です。
プロジェクトが始まる前では、候補者は明らかになっていません。クライアントの要件に基づいて、対象となる企業とその企業で働く従業員をリサーチしていき、徐々に候補者を絞り込んでいくというのが一般的な進め方です。ヘッドハンティング会社のリサーチャーがあらゆる情報源から候補者をピックアップしていくのが特徴です。
*フルサーチ型ヘッドハンティングの候補者の見つけ方の詳細はこちらから
指名ハンティング
一方の指名ハンティングは、クライアントから依頼があった時点で候補者がはっきりわかっています。相手の名前や評判は知っているけれど、深い親交がない人材の依頼が中心です。以下は指名ハンティングが有効となる代表的なケースになります。
・イベントで名刺交換した○○さんに興味がある
・業界内で有名な競合他社の△△さんに声をかけたい
・取引先の□□さんを自社に招き入れたい
・特定の人材に直接声をかけたいが、以下のような理由でためらわれる場合
└転職の意思はあるだろうか?
└希望年収はいくらだろうか?
└人柄はどうだろうか?当社に合うだろうか?
└よく知る人なので、関係悪化のリスクはないだろうか?
指名ハンティングを依頼するまでの社内フロー
次に、指名ハンティングをヘッドハンティング会社へ依頼をする企業の社内フローがどのようなものか?をご紹介します。
一般的なリファラル採用の社内フローと同様に、社員に知人・友人の推薦を人事は促します。この際、一般的なリファラル採用と異なるのは、自分で声をかけづらい人材も対象とすることです。つまり、「対象者の名刺は持っているが深い付き合いはない」、「優秀だという話は聞いている、WEBや雑誌で見たことがある」という人材も含めて人事は“リファラル”を受けるわけです。
次に社内からリファラルされた人材リストを、「社員が声をかけるリスト」と「ヘッドハンターがスカウトするリスト」に分けます。ヘッドハンターは、「ヘッドハンターがスカウトするリスト」をもとにひとり、またひとりと候補者をスカウトしていくのです。
リファラル人材をヘッドハンティングする理由とは?
それでは、いよいよ企業はどのような理由で指名ハンティングを活用するのか?をご紹介していきます。理由=メリットともなり得る代表的なものは以下の3つです。
自社で直接アプローチするより角が立たない
ひとつ目は、自社で直接アプローチするより角が立たないという理由です。仮に競合企業の社員に自社社員が次々に引き抜きの連絡を入れていたら、どうでしょうか?不穏な噂が立つ、同業から非難されるなども考えられ、なかなか難しいことだと思います。ヘッドハンターが代理で動く場合は、アプローチ時にクライアント企業の名前は出しません。また、守秘義務を守っていただく前提で面談へ誘導していきます。その点、自社で直接声をかけるよりも断然、角が立たずにリスクを抑えることが可能になります。
また、その人材は本当に自社に合った人材なのか?という課題にも対応できます。自らが声をかけて採用フローに乗ると、ミスマッチであっても採用のお断りをするのは難しくなります。採用フローに乗る前に的確な人材なのか?をヘッドハンターに確認してもらったほうが、採用後の定着率も飛躍的にあがるのです。
リファラル採用の社内促進のトリガーとなる
リファラル採用の制度を導入してはみたものの、全く人があがってこない…、制度導入当初は知人・友人の紹介を受けたが継続しない…という悩みを抱える人事担当者は多いものです。
指名ハンティングのサービスを活用する場合、前述したように自ら声をかけにくい人材も候補となります。ヘッドハンティング会社を活用するかどうかのアナウンスは企業によりけりですが、リファラル採用の対象を拡大させるので、今一度、推薦・紹介する人材を募るきっかけとして導入する企業も多くみられます。
継続的に、優秀な人材の名刺情報やメール署名情報が人事に届けられるシステムを組んでいる企業もあるようです。
高い定着率につながる
通常のリファラル採用は、定着率が高いものです。企業理念や社内環境をよく知る社員が“自社に合いそうな人材を紹介する”ため、マッチング率は非常に高く、また、入社後に起こり得る不安は紹介者に相談することもできるため、結果的に職場での定着率も向上します。
指名ハンティングを実施した場合はどうでしょうか?実は、これも高い定着率につながります。ひとつめの理由は、企業と候補者を引き合わせる前にマッチする人材なのか?をヘッドハンターが見極める為です。“社員が自社に合いそうな人材を紹介する”という通常のリファラル採用のメリットと同様のメリットを受けやすい状況になっています。
もうひとつは、相互理解が促進されるようにヘッドハンターが間で調整することです。指名ハンティングの候補者は、転職意向がもともとない場合がほとんどです。その人材が移籍するためには相当な決断が必要ですが、その決断の為の情報や条件調整を企業とともにヘッドハンターが行います。そうした経緯から候補者が移籍することに納得が出来て、転職をすると決めた時には、相当な覚悟を持って臨んでいただける状態になっています。そのため、移籍後の定着率は著しく高くなるのです。
指名ハンティングは、以上のようにリスクを抑えながら、リファラル採用の促進へとつなげ、定着する人材を採用できるという点で活用する企業が増えているのです。
まとめ
今回は、企業がリファラル人材に対して指名ハンティング活用する理由やメリットをお伝えしてきました。リファラル採用は、「転職潜在層」へアプローチできる有効な採用手法ですが、候補者が広がらない、継続して推薦者を得られないといった点で行き詰まる企業は多くみられます。そのような時には、我々ヘッドハンティング会社を貴社のリファラル採用制度の一環に取り込んでいただき、より広い候補者へのアプローチと採用のご支援ができればと考えております。