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多様化していく採用手法の特徴とメリット・デメリット

多様化していく採用手法の特徴とメリット・デメリット

企業が事業を拡大していく上で成功の鍵となるのが「採用」です。
今回は、求人広告や人材紹介など多岐に渡る採用手法の特徴を紹介します。
それぞれのメリット・デメリットを把握した上で、事業計画にあった採用手法を選択しましょう。

5つの採用手法とメリット・デメリット

1. 短期間で募集ができる低コストの「求人広告」
求人広告はWEBと紙媒体での募集に分かれています。
主なメリットは3つあり、1つ目は「採用ブランディング」、2つ目は「コストを抑え、かつ短期間で募集できること」、3つ目は「原稿の運用ができること」が挙げられます。
採用ブランディングとは、「雇用要件やメッセージを求職者に伝えることで企業認知度を向上させ、求職者に選ばれやすくする」ということを指します。求職者の目に止まりやすい人事制度や選考方法を設けることで、相乗効果も大きくなります。

また、コストを15万円〜70万円程度に抑えることができ、1〜4週間ほどの短期間での募集が可能になります。
企業主導で時期や原稿内容を指定できるため、社内に採用ナレッジを貯めやすく、年間を通しての採用計画を立てることができます。

最大のデメリットは、応募者のスクリーニングに掛かる手間や時間。広く人材を募る場合はおすすめですが、厳選した採用をするのであれば費用対効果が高くつく可能性があるので注意が必要です。

2.初期費用と手間が省ける「人材紹介」
企業が求める採用要件にマッチした人材のみを紹介してもらう採用手法が人材紹介です。募集から選考までのコストが掛からない完全成功報酬型であること、書類選考などの手間が省けることが人材紹介のメリットと言えるでしょう。企業側にとってこの2点は大きく、複数の人材紹介会社を同時に利用するケースも多い傾向にあります。
費用は年収の35%が一般的で、早期退職による返金規定もあります。

一方、売り手市場の昨今は同業他社との人材獲得競争が激化しており、優秀な人材の採用や目標人数を達成するという点において非常に難しい局面になっております。初期費用がかからない為、多くの企業が利用していることが、このような状態をつくりだしています。自社の優位性や差別化ポイントをしっかりと認識し、紹介会社に訴求することが成功のカギとなるでしょう。

3. こちらから口説きにいく攻めの採用手法「ヘッドハンティング」
ヘッドハンティングとは、企業の採用要件にあった人材をヘッドハンティング会社がサーチ・アプローチをし、採用につなげることを指しています。全労働市場のなかから転職市場には出てこない優秀な人材を獲得することができるのが特徴です。
コストは着手金と採用時の成果報酬の両方が必要なケースが多く、他の採用手法と比較すると高い傾向にあります。またサーチ・アプローチ・口説きに時間が必要なため、すぐに採用ができるというわけではありません。
一方で企業が求めている人材をピンポイントで探し出し、基本的には現職にとどまるか、移籍するかの二択をせまれることが最大のメリットです。移籍を決意された方は覚悟を決めて移る為、入社後の離職率は通常の人材紹介と比較すると非常に低い傾向にあります。

4. 若手人材の採用が期待できる「SNS系」
近年では、SNS連動型の求人が飛躍的な成長をみせています。その代表格である「Wantedly(ウォンテッドリー)」は、求人というよりは採用・企業PRでの活用をコンセプトに、気軽に面談設定や会社訪問を促すことができるのが強みです。

月額3万円程度から低価格で利用することができ、若手人材やIT系の採用にも強く、上手に利用すれば費用対効果の良い採用が実現できます。

しかし、こういったSNS系の求人は使いこなすのに時間がかかってしまいがちです。
その為、人事部門に専任の人材の配置が求められることや活用のナレッジを築くのに一定の時間コストが発生するデメリットがあります。

5. リファーラル
リファーラルとは、知人や自社社員の紹介経由で採用する手法のことです。お互いのことを知っている人からの紹介のため、ミスマッチも少なく、多くの企業が積極的に取り組んでいる傾向にあります。

普段は出会えない転職潜在層にアプローチすることができるので、専門性の高い人材採用に有効と言えます。
また、企業の多くは紹介者に報奨金を設定しており、その金額は10万円~50万円程度が多いようです。費用対効果が良いだけではなく、企業を良く知っている人からの紹介でありミスマッチの少ない採用に繋げることができます。

デメリットは、不採用やトラブル時の人間関係の悪化や似た人材が集まりやすいこと、さらには紹介者が退職した際のモチベーションの低下など、双方の関係性を考慮したリスクヘッジの必要性があることです。そのため、社員満足度を上げる社内の環境整備を最優先にする必要があります。

中途採用のコスト増加などによって多様化していく採用手法

現在採用手法が多様化している背景として、売り手市場による中途採用のコスト増加や事業スピードの加速化により、採用要件にあった即戦力人材の採用難易度が上がっていることが要因に挙げられます。
また、求職者も終身雇用を求める傾向が次第に薄れ、自由な働き方を求めていることも採用手法の多様化が進んでいる要因の1つです。

企業の状況や各求人ポジションの優先度により、適切な採用手法の選択がより求められてくることでしょう。

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