人材紹介業界の「これまで」と「これから」

人材紹介業界の「これまで」と「これから」

多くの業界が慢性的な人材不足に陥っている中で、人材紹介業界は活況です。ですが、この業界の今までと今後を考えてみると、決して油断してはいられません。すでに乱立している人材紹介業界の中で、生き残る企業像を考えてみましょう。

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古くて新しい人材紹介業

仕事を求める個人と、人材を探す組織との仲を取り持つ人材紹介業。日本では江戸時代に「請負師」や「口入屋」などと呼ばれる職種がありましたので、業種としては目新しいものではありません。

しかし、人材紹介業は、多額の手数料を取る悪徳業者が多かったことから、さまざまな規制が敷かれるようになります。1985年には「労働者派遣法」が成立し、翌年から派遣事業が正式に認められることになりました。そして、バブル経済の崩壊後は多くの企業が正規採用を控えるようになり、非正規雇用が増加していきます。その影響もあってか、1999年と2004年に職業安定法の改正で規制緩和が進み、人材紹介が可能な職種が拡大されました。これにより、人材紹介業界が拡大していくことになります。

矢野経済研究所の調査データによると、2019年度の人材紹介業の市場規模は、3,080億円と前年比1.7%増となっています。また2010年度の人材紹介業の市場規模は850 億円であり、2019年度と比較すると、10年間で3倍以上の市場拡大となっていることが分かります。

そもそも人材紹介事業とは?


厚生労働大臣から許可を受けた「有料職業紹介所」となった人材紹介会社が営む事業のことです。採用したい企業と働きたい転職希望者のマッチング(仲介)を行い、両者の雇用契約成立を支援するサービスを提供しています。

人材紹介会社は、企業から求人票とその詳細を受け取り、候補となる人材のマッチングから選考のサポートまでを行います。一方で転職を希望する人材へは求人企業の紹介や履歴書、職務経歴書の指南や面接対策、入社時の条件交渉をサポートします。このように人材紹介会社の役割は求人企業と転職希望者の仲介役となる位置づけです。また、転職希望者からの費用は一切受け取らず、企業から採用に成功した人材の年収×●%という成功報酬を得ることで成り立っています。

人材紹介会社は、サービスの形態によって「登録型」と「サーチ型」の2つに分けられます。登録型は、人材紹介会社が保有する登録者データベースの中から採用要件に合う人材を紹介するサービスです。幅広い業種・職種を取り扱う総合型と、専門業界・職種に特化したブティック型に分けられます。人材紹介会社の大半がこの「登録型」であるため、人材紹介サービスという場合は登録型のイメージを持たれることが多いでしょう。

一方でサーチ型は、登録者データベースからマッチングするだけでなく、あらゆる情報を使って幅広く採用候補者を探すサービスです。SNSなどを活用する場合もあれば、フルサーチ型の場合であれば人脈や著書、文献等からも該当者を探し出し企業へ紹介していきます。ヘッドハンティング会社を名乗る企業は、「サーチ型」で人材紹介サービスを行っていることが多いと思われます。

人材紹介会社に向けられる期待とは?

このように人材紹介には登録型とサーチ型がありますが、重要なことは、クライアントである企業とマッチングする人材、双方の期待に応えられるかどうかでしょう。では、人材を求める企業と職を求める個人は、人材紹介会社にどのような期待を抱いているのでしょうか?

<企業が期待すること>
(1)手間のかかる採用業務を軽減したい
(2)可能な限り要求に合致した、高度な人材を見つけたい

<人材が期待すること>
(1)求人情報の中から(現在の仕事より)、自分に合ったものを見つけたい
(2)将来的な自分のキャリアに、適確なアドバイスがほしい

ほかにも考えられますが、こうした期待に応えるためには、これまでのような仕事と人とのマッチングだけでは、人材紹介会社は生き残れない時代になってくるでしょう。

その人材紹介会社は、自社の期待に応えられるのか

前項で挙げた企業が期待することの(1)については、すべての人材紹介会社がクリアしているはずです。これらの期待に応えられなければ人材紹介事業は成立しないのですから当然です。
問題は(2)です。企業は、単に「人がほしい」というわけではありません。現時点または近い将来に問題になる課題を抱えていて、それを外部からの新規人材によって解決しようとしているはずです。ですから「必要な人材像」はかなり明確ですし、その人材に求める能力値も高いのが一般的です。

しかし、企業によっては必要な人材像が今ひとつはっきりしないこともあります。事業課題に対して必要な能力や人物像を、クライアントが描けていないケースです。
こんなときこそ、人材紹介会社の腕の見せ所でしょう。クライアントの現状と希望を正しく把握し、必要な人材像を描き、それに高レベルでマッチする人材をサーチする。それができて初めて、クライアントの期待に応えることができます。

将来へのアドバイスは、まずその人を理解すること

一方、人材側にも「キャリア形成についてのアドバイスがほしい」という期待があります。転職を考え、各種支援サイトに登録している人たちはもちろんのこと、転職願望を持っていない人にも、潜在的な転職ニーズはあるものです。
「特に転職するつもりはない」という考えは、自分自身のキャリアの可能性に気付いていないだけかもしれません。ですから、「あなたのこれまでのキャリアと今のスキルを考えれば、将来的にはこうした可能性がありますよ」という助言があれば、その人にとって「転職」は現実的な選択肢になります。これまで気付きもしなかった自分の将来が、一気に開けていくからです。

ですがその助言が、本人にとって本当に有用なものだと断言することは難しいでしょう。将来的なキャリア形成は登山のようなものです。その時々によって見える景色は異なりますし、進みたい方向も変わっていきます。年齢や経験によって、考え方も変化するでしょう。そうした細かな要素をくみ取った上で有用なアドバイスをするには、何よりもその人自身をよく知ることが必要になります。

「人にしかできない仕事」で社会に貢献する


こうして見ると、企業と個人とがそれぞれに持っている「人材紹介会社への期待」に、すべて応えることは簡単ではないように思えます。ですが、決して難しいことではありません。クライアントである企業や紹介する個人を深く知り、培ってきたノウハウを駆使することで、彼らの期待に応えることは十分にできるのです。むしろ、それができる人材紹介会社こそが、今後求められるようになるのではないでしょうか。
機械的な情報から結果を類推するだけならば、AI(人工知能)だけのマッチングで事足りてしまうでしょう。しかし、AIはマッチング業務を理解し処理することは出来ても、人の能力などを全て数値化できませんし、信頼関係を築けるかどうかAIが判断できるにはまだ時間がかかるのではと思います。
AIで補完しながらも、このような「人にしかできない仕事」で強みを発揮できる人材紹介会社こそが、社会に貢献することができるのではないでしょうか。

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