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インターネット業界で副業OKが進む理由と今後の課題

インターネット業界で副業OKが進む理由と今後の課題

現在、世界中にインターネットが普及し、インターネット業界では次々と新しいサービスやプロジェクトが生まれています。そのため、企業は柔軟で新しい発想をもった優秀な人材を求めています。その対策として、副業をOKとする会社も出てきました。ここでは、会社が副業をOKとする背景や理由、今後の課題などを解説します。

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多様なサービスが拡大するインターネット業界での副業OKの重要性!

現在、インターネット上では多種多様なサービスが展開されています。以前からある通販サイトや転職サイトだけでなく、個人で事業資金を集めるためのクラウドファンディングサイト、業務改善のためのオンラインソフトを提供するサイトなど、次々と新しいサービスが登場してきています。スマートフォンやタブレットの普及も要因となり、インターネットはもはや生活や仕事の一部となっています。

このような状況の中、企業としては、インターネットを絡めたプロジェクトやサービスのさらなる展開が求められています。そのためには、柔軟な発想をもった優秀な人材確保が重要です。
しかし、終身雇用や年功序列といった既存の概念が崩れつつある中、社員を定着させ、より良い成果を達成するためには、社内環境や制度の改善も大きな課題となっています。

この課題を解決する一つの方法として、副業をOKとする会社も増えてきています。以前は、ノウハウや機密情報の漏洩につながったり、本職に専念できなくなると考え、副業を禁止する企業がほとんどでした。

現代において、副業は企業にとってどのようなメリットがあるのでしょうか?

副業OKで優秀な人材を確保できる!

副業OKとした場合、会社にとってのメリットの一つは優秀な人材の確保です。優秀な人材ほど、成長して実力を付けると転職や独立をする傾向にあります。副業をOKとすることで、今の会社に在籍しながら他のやりたい仕事もできる環境を作り出し、優秀な人材の流出を防ぐことは、会社にとって大きな意味があります。

また、副業をさせることで、社員の成長を促せるのもメリットの一つです。これまでは、社内研修や先輩による指導が教育の主な手段でしたが、持続性がないことや画一的であることが課題となっていました。社員に副業をさせることで、他社から新しい技術を得たり、時間配分や仕事内容を自分で決める主体性が身についたり、様々な面でのスキルアップが期待できます。社員の成長は自社にも還元されるため、会社と社員の間で良い循環が生まれます。

社員にとっても、副業することには多くのメリットがあります。副業により、転職することなく複数の仕事に関わり、多様な技術や知識を習得することができます。さらに、時間やお金などを含んだ人生全体を自分で計画することになるため、経営者的な視点も得られます。大手企業の倒産など、仕事の保障がなくなりつつある不確実な時代の中で、幅広い知識やマネジメント能力を得ることは、今後もますます大きな意味を持つようになるでしょう。

政府の「働き方改革」によってさらに副業OKの方向へ!

このように副業OKとする企業が増える中、政府も「働き方改革」によって副業を容認する方針を打ち出しています。会社が就業規則を定めるときは、厚生労働省の「モデル就業規則」を参考にしますが、この中の副業・兼業禁止規定を修正し、「原則禁止」から「原則容認」に変更する予定です。政府としては、この改革によって、収入を増やして景気回復を図るとともに、少子高齢化の中で働き手を確保するという狙いもあります。

ただし、副業については、良い面ばかりではなく課題も指摘されています。長時間労働が問題視されている中、副業のやり方によっては逆に労働時間が増えてしまう可能性もあります。また、複数の会社で働く場合の残業代や残業時間、社会保険料などへの対応も課題となっています。

これらの課題も考慮しつつ、特にインターネット業界では、多くの企業が副業OKとなっていくでしょう。インターネット業界は変化のスピードが早く、多様で新しいアイデアが求められるからです。

実際、既に副業OKとしている会社もあります。例えば、クラウドベースのソフトウェアを中心に開発している「サイボウズ株式会社」では、社員の副業を容認するだけでなく、他社からの副業希望者も受け入れています。また、インターネット上のゲームサイト運営などを行う「株式会社ディー・エヌ・エー」でも副業をOKとし、社内では実現できない仕事に関わることで、社員のキャリア形成や自己研鑽をサポートしています。これらの取り組みにより、社外の人脈が広がったり、社員のモチベーションが向上するなど、良い結果が得られているようです。

以上のように、副業OKとすることには課題もありますが、企業や社員にとって多くのメリットがあるのは確かです。変化や多様性に対応できる優秀な人材が必要なインターネット業界では、特に副業OKの流れが進んでいくでしょう。

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