「薬剤師の働き方」がこれから大きく変わる!?

「薬剤師の働き方」がこれから大きく変わる!?

薬剤師と言えば医薬品の専門知識を活かし、調剤薬局で処方箋の薬の提供とともに服薬指導をしたり、ドラッグストアでお客様の薬の相談を受けるという仕事のイメージが強いのではないでしょうか。しかし、これからの薬剤師は、それだけでは生き残っていけなくなるかもしれません。2018年度の診療報酬改定から、その方向性を見出したいと思います。

患者さんの服薬状況全体を把握する役割が求められている

2018年度の診療報酬改定で明確になったのは、第一に、薬局チェーンの「儲けすぎ」にストップがかかったということです。同一グループの保険薬局における処方箋受付回数の合計が1月に4万回を超える保険薬局や医療モールなどのように特定の医療機関と賃貸借関係がある保険薬局の診療報酬が、これまで以上に減算されました。特に主たる保険医療機関にかかる処方箋による調剤の割合が85%を超える保険薬局は厳しい改定となっています。この改定で、大手調剤チェーン上位のみならず中堅の薬局も含めて大きな影響を受けていると言われています。今後、大病院の前に立地する「門前薬局」の乱立は少なくなっていくでしょう。また、大手薬局チェーンは、こうした高利益の調剤薬局があるからこそ、ドラッグストアで日用品を安売りできたのですが、今後はそのビジネスモデルが立ち行かなくなる可能性があります。

第二に、今回の診療報酬改定では、医薬品の適正使用に貢献し、地域の患者さんの服薬の一元管理を行う薬剤師を評価する方向が強化されています。これはどういうことかといえば、これからは地域医療・在宅医療・在宅介護など患者さんの生活圏内で関わる医療従事者と連携しながら薬を管理し、その情報を必要に応じてフィードバックしていくことが求められているということです。つまり、いまは病院ごとに行く薬局が異なり、薬剤師も違うのが普通ですが、それを地域で一元化しようというのです。

これからの薬剤師は、病院や薬局だけが仕事場ではなくなってきます。在宅医療・在宅介護の現場を訪問し、動き回る仕事になる可能性もあります。実際、日本在宅薬学会や日本老年薬学会に所属し専門性を高め、「フィジカルアセスメント(問診、触診、聴診などによって患者の状態を把握すること)」の技術を磨きながら、認定薬剤師として在宅医療で活躍する薬剤師が増えてきています。

少子高齢化が進む日本では、すでに地域に薬剤師が一人しかいないというケースが出てきています。薬剤師資格取得後にさらに各種認定薬剤師として専門性を発揮しフィジカルアセスメント技術を持っていれば、さらに地域に必要とされる人材になれるでしょう。

「どんな薬剤師になりたいのか?」が問われる時代に

こうした動きには、いくつかの背景があります。1つ目は、限られた「社会保障費のパイの奪い合い」です。2年に1回診療報酬(調剤)改定が行われていますが、調剤料、薬剤料を減算し診療報酬に加算する措置が続いています。限られた予算であったとしても、削減対象とならないように薬局薬剤師がその機能を自ら向上させ、存在価値を政府のみならず地域にも認識してもらう必要があります。

2つ目は、日本が「薬剤師飽和の時代」を迎えつつあることです。厚生労働科学研究費補助金事業「薬剤師需給動向の予測に関する研究」によると、薬剤師の需要と供給は2021年に逆転し、それ以後は供給が需要を上回ると予測されています。日本には、薬剤師資格を持っている人が多くなりすぎてきたのです。だからこそ、薬剤師は生き残るために、これまで以上の専門性を身につけなくてはなりません。先述の働き方以外にも、OTC医薬品(薬局で購入できる市販医薬品)を深く知るドラッグストアのスペシャリストや、経営や経理に精通した店長・スーパーバイザーなどにキャリアアップしていく道もあります。当然、従来どおりに働く薬剤師も必要ですが、その数は減っていくと思われます。

いずれにしても、これからは薬剤師一人ひとりに、「どんな薬剤師になりたいのか?」「薬剤師資格を使って何がしたいのか?」が問われることは間違いありません。薬剤師資格を持っていれば安泰という時代は、急速に終わりつつあるのです。
【松本 芳治】

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