エグゼクティブサーチとは?目的・特徴をヘッドハンティング会社が解説

経営戦略を実行できる経営幹部・CxOクラスの人材を、自社だけで採用しきることは簡単ではありません。求人広告や一般的な人材紹介を活用しても「応募が集まらない」「求めるレベルの人材に出会えない」という声を、多くの経営者・人事責任者の方から伺います。そのような経営人材・エグゼクティブ人材の採用課題を解決する手法のひとつが「エグゼクティブサーチ」です。
本記事では、ヘッドハンティング会社であるプロフェッショナルバンクが、エグゼクティブサーチの基本的な仕組み・種類・費用・人材紹介との違いを解説し、最後に当社のエグゼクティブサーチサービスの特徴もご紹介します。
目次
エグゼクティブサーチとは?
エグゼクティブサーチとは、CEO、CFO、CTOなどの経営層や上級管理職ポジションを対象に、企業が求める要件に合致する候補者をピンポイントで探し出す採用手法です。
一般的な人材紹介や求人広告のように「応募を待つ」のではなく、
- 企業と候補者のネットワーク
- 独自のデータベース検索
- リサーチ専門チームによるマーケット調査
といった能動的なサーチ手法を組み合わせ、転職市場に顕在化していない優秀な候補者(潜在層)にもアプローチしていく点が大きな特徴です。
プロフェッショナルバンクが提供している経営人材向けのヘッドハンティングサービスも、まさにこのエグゼクティブサーチの一種といえます。
■プロフェッショナルバンクのヘッドハンティング
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通常、エグゼクティブサーチは、一般の人材紹介や求人広告による手法ではなく、ネットワーキング、データベース検索、スクリーニングなどの手法も組み合わせて行われます。これらの手法を組み合わせることで、エグゼクティブサーチは企業が重要なポジションを効果的に埋めるための重要なサービスとなっています。
エグゼクティブサーチを活用すべき理由
エグゼクティブサーチは、次のような場面で特に効果を発揮します。
- 自社の中期経営計画や新規事業に伴い、CxO・経営幹部クラスのポジションを新設したいとき
- 事業承継・経営陣交代などで、後継となる経営者候補を外部から迎えたいとき
- DXやグローバル展開など、新領域に強い専門性の高い経営人材を採用したいとき
- 社内に後継候補はいるものの、比較対象となる外部人材にも当たりを付けておきたいとき
- 経営上の事情から、採用活動を表に出さずに水面下で進めたいとき(非公開採用)
こうしたケースでは、一般的な人材紹介では候補者プールが限られてしまうため、エグゼクティブサーチファームのネットワークとリサーチ力を活用するメリットが大きくなります。
エグゼクティブサーチの種類と費用(リテイナー型/コンティンジェンシー型)
エグゼクティブサーチには、主に次の2つの契約タイプがあります。
リテイナー型
事前に「リテイナー料(着手金)」を支払う方式で主な特徴は下記です。
- サーチファームが専任パートナーとしてプロジェクトにコミットし、継続的に経営人材採用を支援
- 候補者のサーチ〜スクリーニング〜面談〜条件交渉まで、長期的な伴走支援が期待できる
- 費用は高額になりやすいものの、企業の経営課題を深く理解したうえで、時間をかけて最適な人材を探すことができる
コンティンジェンシー型(成功報酬型)
成功報酬として、採用が成立した場合にのみ候補者の年収に一定の料率を掛けた手数料を支払う方式です。
- 複数のクライアントと並行して案件を進めるため、スピード感を重視したサーチに向いている
- 一般的には、候補者の年収×30〜50%程度の成功報酬が目安とされている
いずれのタイプでも、候補者の年収レンジや採用難易度によって費用は大きく変動します。「どのポジションにどこまで投資すべきか」を明確にしたうえで、サーチファームと相談しながら最適な契約形態を選ぶことが重要です。
エグゼクティブサーチと人材紹介・ヘッドハンティングの違い
日本では「ヘッドハンティング」という言葉の方がなじみ深く、近年は一般的な人材紹介会社がダイレクトリクルーティングサイトを使って、候補者にスカウトを送る手法も「ヘッドハンティング」と呼ばれるようになってきました。
一方で、欧米ではヘッドハンティングという言葉はあまり使われず、エグゼクティブサーチがほぼ同義のサービスとして認知されています。
本記事では整理のために、次のように区分しておくと分かりやすいでしょう
一般的な人材紹介
- 転職サイト等に登録している「転職顕在層」が中心
- 公募求人や登録データベースをベースに、候補者を紹介するモデル
エグゼクティブサーチ
- 経営層や上級管理職など、高度なスキル・経験が求められるポジションが対象
- データベース検索やリサーチ部隊、ネットワークを駆使し、ターゲット層を絞り込んでアプローチ
ヘッドハンティング
- エグゼクティブサーチとほぼ同義の概念として使われるケースが多い
- プロフェッショナルバンクでは、エグゼクティブサーチの手法を用いたヘッドハンティングサービスとして提供
さらに、ターゲット層で見ると、エグゼクティブサーチは「経営者〜上級管理職」が中心で、ヘッドハンティングはそこから専門職・管理職クラスまでより広いレンジをカバーするとイメージしていただくと分かりやすいはずです。
エグゼクティブサーチの流れ(依頼〜入社まで)
次にエグゼクティブサーチを介して採用する場合の一般的なフローを紹介します。
1.要件定義・すり合わせ
*企業の事業戦略・組織課題・カルチャーをヒアリング
*求めるポジションのミッション、成果イメージ、報酬レンジを明確化
2.ターゲット設計・サーチ戦略の立案
*想定される業界・企業・職種のレンジを設計
*必要に応じて「指名候補」の有無も確認
3.候補者サーチ・リストアップ
*データベース・リサーチ部隊・ネットワークを活用し候補者を抽出
*スクリーニングを行い、企業にご紹介する候補者を選定
4.候補者へのコンタクト・面談・評価
*候補者へコンタクトをとり、面談を促す
*ヘッドハンターが候補者と面談し、スキル・経験・マインド・カルチャーフィットを確認
*必要に応じて企業との面接を複数回設定(多い時は7~8回)
5.条件交渉・クロージング
*年収・役職・入社時期などの条件について、双方の意向をすり合わせ
*入社承諾に向けたクロージングを支援
6.入社後フォロー
*入社後の立ち上がり状況をフォローし、早期離職リスクの低減に努める
このように、ターゲット設計・サーチ戦略の立案や候補者サーチ・リストアップといった人材を選定する過程が特徴であり、また経営層、上級管理職だけにフィット感が極めて重要なために、面接の回数が多くなることも特徴です。
エグゼクティブサーチのメリットとデメリットとは?

エグゼクティブサーチには、メリットがある一方でデメリットもあります。採用手法として利用する前に確認しておきましょう。
メリット
まずはメリットから紹介していきます。
転職市場に出ていない優秀な経営人材に接触できる
転職市場に表出していない優秀な経営人材・エグゼクティブ人材にアプローチできることが、エグゼクティブサーチ最大のメリットです。多くの経営幹部は転職サイトや人材データベースに登録しておらず、「今すぐ転職したい」と表明していない潜在層です。
エグゼクティブサーチでは、業界知識を持ったヘッドハンターやリサーチャーが、そのような潜在層に対して水面下でアプローチし、転職ニーズの顕在化からキャリアの選択までを伴走します。
たとえば「競合他社で事業部長として実績をあげている人材」や「上場企業のCFO経験を持つ人材」など、通常の求人広告だけでは出会えない候補者にアクセスできるのが特徴です。
経営戦略に基づいた長期的な人材配置が可能
経営課題や事業戦略を踏まえた長期的な人材ポートフォリオ構築がしやすい点も、大きなメリットです。エグゼクティブサーチでは、単に「今空いているポジションを埋める」だけでなく、3〜5年先の事業計画や組織構想をヒアリングしたうえで、「どのタイミングでどのような経営人材が必要か」を一緒に設計していきます。
たとえば、今は事業部長クラスの採用を進めつつ、「3年後にCOO候補として昇格を見据えられる人材」「将来の後継者候補」といった観点で候補者を選ぶことで、短期的なポジション充足と、長期的な経営人材の層の厚みづくりを同時に実現できます。
厳選した選考でミスマッチを防げる
厳格なスクリーニングや綿密な面談を通じて、ミスマッチリスクを抑えられることも、エグゼクティブサーチを活用する大きな理由のひとつです。経営幹部採用では、スキルや経験だけでなく、「経営者としての視座」「意思決定のスタイル」「組織カルチャーとのフィット感」など、多面的な観点からの見極めが欠かせません。
エグゼクティブサーチでは、ヘッドハンターが候補者と複数回のインタビューを行い、具体的な成果事例や意思決定プロセス、部下マネジメントのスタイルまで深掘りします。必要に応じて、リファレンスチェック(第三者評価)を実施することで、入社後の「想像と違った」というギャップを最小化することができます。
秘密裡に採用を進め、社内外への影響を抑えられる
非公開で採用活動を進められるため、社内外への影響を最小限に抑えられるのも、エグゼクティブサーチならではのメリットです。
経営幹部の交代や新設ポジションの採用は、社内外に大きなインパクトを与える可能性があります。求人広告で公募すると、現任者や取引先、株主、社内従業員に余計な憶測を生んでしまうリスクもあります。
エグゼクティブサーチでは、案件名や企業名・ポジション名を伏せた状態で候補者にアプローチし、一定の段階まで匿名性を保ったまま採用プロセスを進めることが可能です。たとえば「現CFOの後継者候補を水面下で探したい」「新規事業責任者を先に決めてから社内に発表したい」といったケースでも、周囲に知られることなく採用検討を進められます。
デメリット・留意点
次にデメリットを見ていきましょう。
費用負担が大きくなりやすい
一般的な採用手法と比べ、費用負担が大きくなりやすい点は、あらかじめ理解しておく必要があります。
エグゼクティブサーチでは、1件のプロジェクトに対して専任のヘッドハンターとリサーチチームが長期間コミットし、経営陣と同じ目線で採用戦略を検討していきます。そのため、成功報酬型・リテイナー型のいずれの場合でも、通常の中途採用よりも高いフィー設定となるのが一般的です。
目先の採用コストだけで見ると割高に感じられるかもしれませんが、「経営幹部採用の失敗がもたらす損失」や「採用できないことによる機会損失」も含めて、トータルな投資対効果(ROI)で判断することが重要です。
検討〜入社までに時間を要する
経営幹部クラスの採用であるほど、検討〜入社までに時間を要する点も、エグゼクティブサーチの特徴です。
候補者は現職で重要なポジションを担っているケースが多く、退任までの引き継ぎ期間や取締役会の承認、株主との調整など、ステークホルダーの数も増えるためです。実務上は、サーチ開始から内定までで数か月、さらに入社まで数か月を要することも珍しくありません。
したがって、半年〜1年スパンを見据えた計画的な採用プロジェクトとして位置づけることが重要です。「来月には着任してほしい」といった急ぎのニーズには向かない場合もあるため、早めの検討・相談をおすすめします。
要件を明確に言語化する準備が必要
企業側も、求める要件や報酬レンジを明確に言語化する準備が必要になる点も、留意すべきポイントです。エグゼクティブサーチでは、単に「優秀な人材がほしい」と依頼するだけではなく
- どのような経営課題を解決したいのか
- そのポジションに期待するミッション・成果は何か
- 必須となる経験・スキルと、「あれば望ましい」要素は何か
- 報酬レンジ・権限・役職の位置づけをどうする
といった要件を、経営陣・人事・関係部門間で事前にすり合わせておくことが求められます。
この準備が不十分だと、サーチの途中で要件が何度も変更されてしまい、プロジェクト全体のスピードや成功確率に影響が出てしまう可能性があります。あらかじめ「どのような人材に、どのくらい投資するのか」という方針を固めておくことが、エグゼクティブサーチを成功させる前提条件になります。
世界5大エグゼクティブサーチファーム

従来より、欧米においてエグゼクティブサーチは企業の有効な人材獲得手段として活用されてきました。ここでは世界的に有名とされる5つのエグゼクティブサーチファームをご紹介します。
Spencer Stuart
約300万人ものリーダー候補が、さまざまな業界や事業領域で活躍するトップ・エグゼクティブとのネットワークを築いています。世界中で多様な業界や専門分野で高度なサービスを提供しているエグゼクティブサーチファームです。
Heidrick & Struggles
グローバルに展開し、特にC-suiteポジションの採用に強みを持つファームです。
※C-suiteとは
CSuiteの“C”は英語の“Chief”の略で、つまり責任者を指します。また、“Suite”は一式やセットを意味となりますので、要するに、企業の経営を担う幹部クラスの様々な役職(Chief)を総称しています。
Korn Ferry
グローバルな組織を支援するコンサルティング会社です。リーダーシップおよび人材コンサルティングの分野で世界的に知られる企業で、エグゼクティブサーチも行っています。
Egon Zehnder
経営者・経営陣に特化した人・組織領域の課題解決を支援するコンサルティングファームで、世界中で幅広い産業や地域においてエグゼクティブサーチサービスを提供しています。
Russell Reynolds Associates
グローバルなエグゼクティブサーチファームであり、特にデジタル技術やイノベーション分野でのコンサルテーションや採用に強みを持っています。
日本におけるエグゼクティブサーチファームの現状
日本国内でも、当社を含むいくつかのエグゼクティブサーチファームが活動しています。これらの企業は、大手のグローバルなファームや、日本国内でのみ活動しているファームなど、さまざまな形態があります。日本のエグゼクティブサーチファームは、主に上場企業や大手企業を中心に、重要なポジションの採用支援を行っています。
日本でも普及するエグゼクティブサーチ
これまでエグゼクティブサーチの特徴や費用について紹介してきました。エグゼクティブサーチは、高度なスキルと経験を要求される経営者や上級管理職やポジションの採用に特化したサービスです。
欧米では古くから有効な人材獲得手段として認知されていましたが、日本国内でもたくさんのエグゼクティブサーチファームが活動することで、活用する企業が増えています。プロフェッショナルバンクもエグゼクティブサーチ会社のひとつですが、次からは簡単に当社のエグゼクティブサーチをご紹介していきます。
プロフェッショナルバンクのエグゼクティブサーチ
プロフェッショナルバンクにおける経営者やエグゼクティブ層の採用支援は、“ヘッドハンティングサービス”として提供しています。ただ、経営者やエグゼクティブに特化した専門チームが対応しており、企業の「特定の上級管理職やエグゼクティブポジションなど、高度なスキルと経験を要求されるポジションを埋めたい」 というニーズに応えるためのサービスであることから、エグゼクティブサーチを実施するものでもあります。
当社エグゼクティブサーチの対象ポジション

幅広い業界・テーマの人材を専任のヘッドハンターが在籍
当社には100名を超えるヘッドハンターやりサーチャが在籍し、それぞれ専門とする業界を担当し深い専門知識と採用ノウハウを持っています。
各業界の経営者やエグゼクティブを移籍成功に導くためには、タイミング、機密性、条件交渉力等の様々な要素が必要となります。そのすべてにおいて、当社では20年以上にわたる豊富な実績やネットワークを活かすことで、通常の人材紹介における採用成功率の7~8倍程度と高い成果を生み出すことに成功しています。
リサーチ専属部隊による優れた人材提案
当社は、リサーチに特化した専属部隊を擁しており、優秀な人材をクライアント企業に提案しています。我々の専属チームは、厳格な採用基準に基づいて選ばれたエキスパートで構成されており、あらゆる業界や分野における高度なリサーチスキルを有しています。著名な経営者やエグゼクティブでなくとも、クライアントのニーズに最適な候補者を見つけ出すことが可能です。
指名型とサーチ型のサービス
プロフェッショナルバンクでは、指名型とサーチ型のサービスを提供しています。
指名型
指名型とは、クライアントが獲得を目指す特定の人物に対して、企業への転籍を促進するアプローチ方法です。経営者や他エグゼクティブの場合は名の知れた候補者が多く存在しています。自社に招聘したい候補者が明確な場合に有効です。
■プロフェッショナルバンクの指名型ヘッドハンティングはこちら
フルサーチ型
サーチ型は、クライアントの求める人材を市場から探し出し(サーチ)、口説いて(ハンティング)、クライアント企業への転籍を促進する手法です。
具体的なエグゼクティブ候補が思い当たらない場合でも、該当ポジションに必要な能力や経験、自社の経営方針やカルチャーにフィットする候補者を専任のリサーチャーがピックアップしてアプローチしていく手法です。
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経営者・エグゼクティブの採用なら
プロフェッショナルバンクでは、専任のヘッドハンターとリサーチャーがクライアントの希望するエグゼクティブ人材をご紹介しています。ご指名でのスカウトはもちろん、候補者となるエグゼクティブをクライアントと一緒に検討し、我々が探し出して転職を促すことも可能です。
「特定の上級管理職やエグゼクティブポジションなど、高度なスキルと経験を要求されるポジションを埋めたい」 というニーズがあればぜひ、お問い合わせください。
■お問い合わせはこちら
℡:0120-264-552






