ヘッドハンティング研究

ヘッドハンティングの失敗事例から学ぶ、ヘッドハンティング会社で出来ること・出来ないこと

ヘッドハンティングの失敗事例から学ぶ、ヘッドハンティング会社で出来ること・出来ないこと

我々ヘッドハンターは、クライアントの要望にお応えするべく、どのような状況の中でも最善を尽くし活動しています。非常に高い成功率を誇るヘッドハンティングですが、そのすべてが上手くいくという訳ではありません。様々な原因から失敗してしまうこともあるのです。

今回は失敗事例にも目を向け、ヘッドハンティングで出来ることと出来ないことを整理し、ヘッドハンティング手法を上手く活用いただくためのガイドブックとして本記事を記します。
※本記事の事例で登場する会社名・人物名はすべて架空のものです。

【case1】経営陣・人事部門と現場との認識の相違

■登場人物

  • 月座製作所 代表取締役社長:月島
  • 月座製作所 取締役人事部長:花村
  • 月座製作所 生産本部長 兼 品質管理部長:桜木
  • プロフェッショナルバンク ヘッドハンター:緑川

日本を代表する自動車部品メーカーの1社である月座製作所。そんな同社の社長である月島氏から「当社の品質管理部長を担える人材を探してほしい」という依頼を受けた。早速、ヘッドハンターの緑川は月座製作所へ出向き、打ち合わせの機会をいただくわけだが、参加したのは、月島社長と人事部長を務める花村氏の2名だった。

ヘッドハンティングの依頼をいただき、初回打ち合わせへ

依頼の内容はざっくり言うと下記である。
現在は生産本部長と品質管理部長を桜木氏が兼任している状況であり、今後の組織体制を強化すべく『品質管理部長』を招聘し、桜木氏は生産本部長としての役割を全うさせたい方針とのこと。

ヘッドハンター緑川はすぐに「本日、桜木様はいらっしゃるのでしょうか?」と問う。当然、会って話してみたい。しかし月島社長からの回答は、兼任していることもあり多忙で打ち合わせの日も都合をつけることができなかったそうだ。初回の打ち合わせではヘッドハンティングの説明に終始し、一定の理解は得られた。

ポジション詳細をヒアリングのため再度打ち合わせ実施、そして契約へ

ヘッドハンターの緑川はすぐに2回目の打ち合わせをセッティングし、『品質管理部長』のポジションについて詳しくヒアリングするつもりだ。しかし、今回の打ち合わせ参加者も、月島社長と花村人事部長の2名であり、最も現場の状況やスキル要件をよく知る桜木氏は不在。

花村人事部長いわく、桜木氏を含めて現場とは事前に擦り合わせを実施し、今回依頼するポジションの詳細はまとめてあるというが、本当はお会いしたかったところだ。お会いしたい旨を伝えるも、現場は忙しいからの一点張りで結局会って話すことはできなかった。

ヘッドハンターの緑川は月島社長・花村人事部長からヒアリングした情報をもとに、ヘッドハンティングプロジェクトの見積りを設計。ターゲット企業群・ターゲット人材の展開率・サーチ契約金と成功報酬額の提案ならびに、ヘッドハンティングにおける選考プロセスでは桜木氏がキーマンになることを伝えるべく3回目の訪問へ。

プロジェクトを企業と共に動かしていく旨を合意していただき、桜木氏も面談プロセスでは登場していただけると月島社長の口からお話があった。ターゲット企業は、同業界である自動車部品メーカーに加えて、航空機、工作機械、造船も対象とすることも合意を得た。これより6ヶ月間のヘッドハンティングプロジェクトの開始である。

ヘッドハンティングプロジェクト始動

プロジェクトの初動は好調だった。1ヶ月目はサーチ活動がメインになるも、2ヶ月目の初頭時点で3名の候補者と接触することができた。その内の2人は月座製作所の求めるターゲット像と概ね合致し、企業との面談機会にも快諾いただいた。

  • 候補者Aさん:首都圏の大手航空機部品メーカーに勤める41歳の男性(品質管理部長)
  • 候補者Bさん:郊外の自動車部品メーカーに勤める34歳の男性(品質統括本部)

企業との引き合わせに成功したヘッドハンター緑川は、面談での魅力付けを既に考えていた。初回はやはり、月島社長に出てきてもらい本気度を伝える。

実際の面談は都内ホテルのラウンジを手配し、会社のビジョン、ポジションを募集する背景や期待役割、業界の将来といったスケールの大きな話まで出て話は盛り上がった。お互いの理解も深まり双方ともに好印象。次回は現場責任者との面談セッティングを約束し1回目の企業面談を終えた。もう1名の候補者との企業面談も、ヘッドハンター緑川の思惑通り双方が納得する形で2回目の面談をセッティングできた。

現場責任者との面談で一気に口説く、と思いきや…

2回目の面談では、月島社長に加え桜木生産本部長にも同席いただき、工場見学も含めて月座製作所の本社へ招いた。今回はよりテクニカルスキルや業務内容について双方の認識を確かめていく機会とし、実際に働く職場を見せることで移籍への現実感を醸成させることも目的としていた。

面談では、技術系の話を中心に展開しながらも、現場の近況を伝えたり、候補者の現職での働き方やキャリアビジョンを聞いたり、ざっくばらんに話は展開されて2回目の面談は終了した。しかしその帰り道、月島社長から予想していなかったメールが届く。

「申し訳ありません。Aさんは不採用です。」

一瞬言葉を失うも、すぐに月島社長に電話を架ける。担当してきた部品の種類が異なるため管理監督者として任せることには不安がある…とのことで桜木生産本部長のお眼鏡に適わなかった。案の定、悪い予感は的中し2人目の候補者Bさんもマネジメント経験不足で不採用という結果になった。正直、これ以上の人材を提案できるとは到底思えない、それほどの本命人材2名を逃してしまった。

ヘッドハンターの後悔

桜木生産本部長と目線が合っていない。現場の責任者である以上、ある程度の高い目線での評価は必要であるが、あまりにも高すぎる。ヘッドハンター緑川には思い当たる節があった。

プロジェクト開始前に実施していた打ち合わせでは、桜木生産本部長とは直接話ができていない。人材要件も桜木生産本部長からヒアリングした花村人事部長に聞いたのみであり、現場の本質的な課題を把握する前にプロジェクトを進めてしまっていた。

桜木生産本部長は採用のプロフェッショナルではないが故、プロジェクト設計の場面から出てきてもらう必要があったと感じる。ヘッドハンティング会社として、どんな人材に会えるのか、どんなサーチソースから情報を得ているのかといった“生の情報”を伝えるべきであり、桜木生産本部長が感じる現場の“生の声”を教えてもらうべきだった。

プロジェクトが折り返しに差し掛かった局面、プロジェクトの中間報告の打ち合わせには桜木生産本部長も同席いただいて、月島社長・花村人事部長・桜木生産本部長と軌道修正を図った。しかし、一度目線が上がってしまったことや、1人目2人目と本命人材を逃してしまったことから、計画通りに進捗させることが難しくなってしまう。結局、『品質管理部長』ポジションで移籍実現に至ることはなく、プロジェクト期間の6ヶ月を終えた。

プロジェクトが失敗に終わり落ち込むヘッドハンター

【case2】企業の決まった選考プロセスに固執

■登場人物

  • タナザワ食品 代表取締役社長:棚沢
  • タナザワ食品 経営企画室長:相馬
  • タナザワ食品 商品管理部長:辻
  • プロフェッショナルバンク ヘッドハンター:青山

福神漬けシェアNo.1を誇る、関西に本社を置くタナザワ食品。同社の経営企画室長である相馬氏は新たな取り組みを画策しており、実現するには人材採用が必須であるとしてヘッドハンティングの依頼をいただいた。その新たな取り組みとは「カレー以外に合う福神漬けを開発したい!」というもの。つまり、『新商品開発』ポジションを外部から招聘して、さらなる企業成長を図る狙いだ。

難易度の高いポジションのヘッドハンティング依頼

他の食品メーカーと比べて小規模な市場ではあるものの、業界トップを走る企業はニッチトップと呼ばれ、ヘッドハンティングでは多く依頼をいただく領域の1つである。今回の依頼も例外ではないが、他の案件と比較してもポジションの難易度が高く、タナザワ食品に引き合わせができる人材数の想定は少なく見積もられていた。この場合、接触するにも、口説くにも、候補者のキャリアビジョンやフックポイントを見極めながら丁寧に移籍の意向を高めていく必要がある。

プロジェクトの設計

今回の依頼で最も難しい点は、後任探しでもなく、リプレイスでもなく、“新設ポジション”という点だ。実際に会って口説くのは誰が良いか、どのようにポジションの説明をするか、業務イメージをどのように植え付けるか。ヘッドハンターの青山は、プロジェクト稼働時のシミュレーションをしながら相馬経営企画室長との話し合いを進めていく。難しい案件であり、接触できる人材数は限られているため、慎重に進めるべきである点を念押しし、面談プロセスの擦り合わせも行ったうえで契約。6ヶ月間のヘッドハンティングプロジェクトが始動した。

難航しながらも、ようやく会えた1人の人材

プロジェクト開始から半分の3ヶ月が経過しても、企業へ引き合わせできる人材との接触が図れていない中、ようやく1人の人材と接触できた。

  • 候補者Cさん:九州のご当地漬物メーカーに勤める35歳の女性(商品開発部)

Cさんは現職の待遇に不満はなく、人間関係と働き方にも満足している。一方で、現職の保守的な姿勢には懐疑的で少し面白味に欠けるとポロっと吐露した。また、生まれも育ちも九州であり、九州以外での就業や生活もしてみたいとの思いも覗かせた。

ヘッドハンターの青山は、面談でヒアリングした情報を面談報告書にまとめ、すぐに相馬経営企画室長へ連絡。Cさんの仕事に対するフックポイントは「やりがい」と「仕事内容」であり、経験値も申し分ない人材であると伝えた。結果、双方が「会いたい」と合意していただき、企業への引き合わせを実現できた。

面談のつもりでセッティングしたが、面接に…

ようやく会えた貴重な人材。前述したとおり、丁寧に移籍への意向を高めていく必要があった。そのため、まずは経営企画室長の相馬氏の熱い思いと、商品管理部長である辻氏の冷静な現状分析で、会社の魅力をしっかり伝える方向性で相馬氏とは合意した。

しかし、ここでタナザワ食品の代表取締役社長である棚沢氏が登場。初回の面談は社長自らがお話するとの内容がヘッドハンター青山の耳に入った。相馬経営企画室長にすぐに電話で確認すると、普段の選考でも社長自らが1次面接を対応されて見極めをしているとのことで、今回も例外ではないとのこと。雲行きが怪しくなる。

ヘッドハンターの青山は、棚沢社長の説得を試みる。まずは選考ではなく、お互いの理解の場として面談のセッティングをと伝えると、難色を示したものの「できる限り意識して話すよ」という返事があった。しかし、蓋を開けてみれば面接のような質問攻めで前半が終わる。察知した青山は、その場をコントロールすべく、青山自ら会社のビジョンやポジションの期待役割を差し込むも、肝心の棚沢社長の口からは質問ばかり。結局、棚沢社長のやり方を変えることはできなかった。

面接結果は、棚沢社長からは高い評価を頂けたものの、Cさんは会社の魅力や仕事内容を深める機会にはならなかったと不満げな表情を隠せていなかった。結局、フックポイントから口説いていく局面を迎える前に職場環境の比較から現職に留まるという決断をされた。

その後も選考プロセスの見直しを図るも実現せず、6ヶ月のヘッドハンティングプロジェクトは終了。「カレー以外にも合う福神漬けの開発」はお預けとなった。

プロジェクトが失敗に終わり頭を抱えるヘッドハンター2

2つの失敗事例に共通する原因

ここまで2つの失敗事例を紹介してきました。この2つの失敗の原因は「事前準備」にあります。

【case1】の場合、現場責任者の立場であった桜木生産本部長をプロジェクト設計のタイミングから巻き込んで話を進められなかった点が大きいでしょう。忙しいからと言って、経営者や人事部門だけの連携に留まらず、しっかりと現場の意見も取り入れたプロジェクト設計をする必要があります。ヘッドハンティングに限らず、人事主導で採用活動を進める上では、最も気を付けなければいけない要素です。

【case2】の場合、棚沢社長の性格や相馬経営企画室長と関係性、通常の選考フローを把握できていなかった点がプロジェクトの重要局面で痛手となりました。柔軟性に欠け、融通の利かない選考フロー。ヘッドハンティングでは、企業が人材を選ぶ側という姿勢だと獲得できる人材もみすみす逃してしまうことになるでしょう。企業側には選ばれる会社になることを意識させる必要もあるのです。

さまざまなオーダーのあるヘッドハンティングですが、その特徴を把握しておくだけで、自社のどのポジションで依頼するべきか、誰が口説くのか、いつから依頼した方が良いのかの検討がつき、採用戦略を立てやすくなります。

我々は過去の失敗事例からも学び、事業課題を解決するための採用支援に磨きをかけています。次章では、失敗事例から紐解くヘッドハンティングで出来ることと出来ないことを紹介していきます。

ヘッドハンティングで出来ること

★転職潜在層との接触

【case1】文中:「プロジェクトの初動は好調だった。1ヶ月目はサーチ活動がメインになるも、2ヶ月目の初頭時点で3名の候補者と接触することができた」とあるように、ヘッドハンティングの特徴として最も大きなメリットが、転職潜在層と接触できる点です。

一般的な転職サービスに登録する求職者(転職顕在層)は、ビジネス人口の約5%とされています。その中から企業が理想とする人材を獲得するのは非常に難しく、採用における競合がひしめき合っているのが現状です。一方のヘッドハンティングは、転職市場にいない約95%の層(転職潜在層)も対象とし、労働人口100%から優秀な人材を見つけ出し、企業への移籍を後押しします。

転職市場の状況を表した円グラフ
プロフェッショナルバンクでは、探す専任の組織としてリサーチ部隊を持ちます。高いリサーチ力を備えたリサーチャーと、業界知見を持つ熟練のヘッドハンターが、組織的なプロジェクト活動で企業の課題を人材面から解決します。

★現場責任者との擦り合わせによるアプローチ対象者の決定

【case1】文中:「桜木生産本部長は採用のプロフェッショナルではないが故、プロジェクト設計の場面から出てきてもらう必要があった」と振り返ったが、我々は契約前に必ず、依頼のあったポジションを採用する部署の現場の方からヒアリングすることを徹底しています。

もちろん、経営陣や人事部門主導でプロジェクトを進めることはありますが、プロジェクト始動前にはしっかりと現場責任者との擦り合わせを行います。そうすることで、本質的な課題を浮き彫りにし、その課題を解決できる人材ペルソナを明確にできるのです。そして、アプローチすべき対象企業と対象者を絞り込み、プロジェクト設計の材料にします。

また、現場責任者の生の声も聞くことで、候補者にもより詳細な企業情報を伝えることができます。口説くフェーズでは特に、現場の方々も巻き込んでヘッドハンティングプロジェクトを進めていく必要があるのです。

★口説くための採用プロセスをプロデュース

【case1】文中:「初回はやはり、月島社長に出てきてもらい本気度を伝える。実際の面談は都内ホテルのラウンジを手配し」から読み取れるように、実はヘッドハンターはプロデューサーとしての一面もあります。転職意思のない候補者を移籍に導くように“口説く”訳ですが、候補者はそれぞれフックポイントやキャリアプランが違うため、選考そのものをプロデュースする必要があります。例えば…

■誰と話したら魅力が伝わりやすいか
■クライアントの●●さんと相性がよさそう、話が盛り上がりそう
■初めての顔合わせは雰囲気を出すために、◆◆ホテルのラウンジを手配しよう
■あと何回、クライアントとの接触機会を設けるべきか
■最後は入社後に一緒に働く現場責任者の●●さんに出てきてもらおう

このように、ロケーションの設定、役者のキャスティング、面談回数の決定など、最終的にクライアントへ移籍するためのストーリーを描きながら採用プロセスを進めていきます。候補者の気持ちの変化を察知し、最適な採用フローを設計することもヘッドハンターの重要な役割です。特にキャスティングにおいては、経営者・人事・現場担当者も巻き込んで設計する必要があるため、プロジェクト開始前の擦り合わせが移籍実現を左右する重要な話し合いの場と言えます。

ヘッドハンティングの現場より、面談に選ばれる場所ベスト3

ヘッドハンティングで出来ないこと

▲短期間での採用計画

【case2】文中:「面談プロセスの擦り合わせも行ったうえで契約し、6ヶ月間のヘッドハンティングプロジェクトが始動した」とお伝えしたのは、ヘッドハンティングのプロジェクト期間は基本的に6ヶ月を要するからです。

プロジェクトが開始されてすぐに候補者と会えるわけではなく、初月~2ヶ月目前半まではリサーチャーによるサーチ活動がメインになります。人材情報のピックアップ、対象人材の精査・絞り込み・アプローチ実施というプロセスをプロジェクト期間中は繰り返しているのです。さらに、ヘッドハンターは転職意思のない候補者の気持ちの変化を察知しながら丁寧に口説いていくため、時間をかけて移籍へと導きます。

つまり、短期間で採用してほしいとの要望があっても、ヘッドハンティングでは叶えられません。転職潜在層へアプローチすること、口説いていくことは短期間では実現できないのです。このような短期間での採用に関しては、転職顕在層へのアプローチが有効なケースもあり、ポジションによって臨機応変に採用チャネルを切り替えることも重要な戦略と言えるでしょう。

▲プロジェクト期間中の過度な人材要件変更

【case1】文中:「ターゲット企業は、同業界である自動車部品メーカーに加えて、航空機、工作機械、造船も対象とすることも合意を得た」と月島社長と話していたとおり、ヘッドハンティングでは、アプローチする対象(企業群・部署・年齢層・スキルなど)は契約前に事前に確定してからプロジェクトを開始します。

サーチ活動はポータルサイトや求人媒体の要件設定のような簡易的な作業ではなく、アプローチに必要な情報は地道に取得しているのです。そのため、プロジェクト期間中に大きく脇道を逸れるような要件変更は対応しきれないのです。

ただし、プロジェクト期間中に実施される進捗報告の打ち合わせでは、進捗状況や実際に会ってみての感覚から、微修正を行うこともあります。ヘッドハンティングでは、決められた期間の中で移籍を実現することがミッションであるため、定期的にヘッドハンターと企業担当者の話し合いや軌道修正が行われます。そのため、迅速に変化や課題に対応できるという点は特徴です。

ヘッドハンターのターゲットの見つけ方!情報源やルートを紹介

▲企業が定める選考プロセスでの面接実施

【case2】文中:「まずは選考ではなく、お互いの理解の場として面談のセッティングを」と棚沢社長を説得したとおり、ヘッドハンティングでは、「面接」ではなく「面談」形式でプロセスが進んでいきます。転職意思のない候補者のため、突然の選考ではなく、お互いを理解し合う場として機会をセッティングします。そうすると候補者は、現職の環境と比較できる材料や今後のキャリアにおけるフックポイントを叶えられる会社かどうかを見極めるところから始めます。

つまり、企業が定める選考フローで、転職意思のある方々と同様の進め方をすることはできません。例えば、通常の選考フローが面接は3回で面接官も決まっている会社でも、ヘッドハンティングでは候補者の意向を高めていくために特有のフローを組みます。初回から現場責任者や役員陣が出向き、本気度を示すこともあるのです。転職市場外から優秀な人材を招聘するということは、それほど時間をかけて丁寧に進めていく必要があるのです。

【一覧】ヘッドハンティングで出来ること・出来ないこと

ヘッドハンティングで出来ることヘッドハンティングで出来ないこと
転職潜在層との接触短期間での採用計画
現場責任者との擦り合わせによるアプローチ対象者の決定プロジェクト期間中の過度な人材要件変更
口説くための採用プロセスのプロデュース企業が定める選考プロセスでの面接実施

まとめ

ヘッドハンティングは優秀な人材を獲得するために有効な手段ですが、成功させるためには求人側である企業に正しい認識を持っていただくことも必要なのです。そうすれば、私たちヘッドハンターも存分に力を発揮することができますし、クライアントは業務課題の解決に大きく近づくことができるはずです。

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