記憶に残る仕事
私の仕事は、採用コンサルタントとしてヘッドハンティングというサービスをクライアントへ提案し、優秀な人材をお繋ぎすることで企業成長に貢献することに尽きると考えております。
どのプロジェクトも一つとして同じものはなく、簡単なものはありません。その中でも最近成功したプロジェクトは非常に印象的で、将来忘れることはないであろうというものでしたので、ご紹介させていただこうと思います。
始まりはクライアントとなる企業様からのお問合せがあり、弊社サービスのご説明、ヒアリングからスタートしましたが、打ち合わせの中で数々の課題が見つかりました。
企業様の知名度、ご入社いただきたい人材のスペック、技術のニッチさ、勤務地などの条件から、一般的に費用をいただいてもプロジェクトを成功させることが難しく、契約をせずにお断りの判断をすることが多い内容であると感じました。
しかし、社長様が自社の強みと弱み、業界におけるポジショニングから生み出すユニークな製品の価値、技術課題、一人一人の社員をよく理解しており、何より世の中に新しい製品を送り出していく熱量を持っていたことから、候補者をお繋ぎすることさえできれば、移籍いただける企業様であると判断し、契約を締結することにしました。
想定通りプロジェクトは難航しましたが、とある時期にクライアントが望む技術のスペシャリストとお会いすることができ、これまでのやり取りから社長様に近い熱量で接することで顔合わせが実現できました。
候補者様は大手メーカーでスペシャリストとしてご活躍しており、転職については積極的に検討していなかったものの、お話を重ねる中で現場や経営層の方針転換に振り回されストレスを感じられていることがわかりました。
もっと開発業務へ専念し、新しい製品を世の中に送り出すことをモチベーションと感じるタイプとお見受けし、この方であれば企業様の環境で開発のキーパーソンとして新製品開発をリードしていくことができ、ご本人として望む業務環境になるのではないかと感じ、「この人しかいない」と思ったことを記憶しています。
その後は幾度ものお打ち合わせることで、両者の想いが交わっていくことを感じ、入社前にも関わらず製品開発会議を重ね、最終的に業務のミッション、転居含む条件面について両者納得する形で移籍をご決断いただくことができました。
このプロジェクトは私の経験の中で過去最高クラスに難易度が高い案件であったと思いますが、こういう案件を成功させてこそ我々の介在価値があるのだ、と再認識させていただきました。この経験は自分の財産として記憶に留め、より良い仕事、価値を提供できるよう精進して参りたいと思います。