卒業式の日の面談 —もう1つのスタート—

先日、ある方とオンライン面談をしました。開始の時刻、入室されたその方が、少し照れくさそうにこうおっしゃいました。
「実は今日、娘の卒業式だったんです。」
私は思わず「それは大切な日ですね。本日は日を改めましょうか?」とお伝えしました。すると、その方は穏やかに笑って「いえ、大丈夫です。むしろ今日お話ししたかったんです。」と。
娘さんの卒業。親としてひとつの節目の日。
きっと朝から式に出席し、これまでの成長を思い返す時間もあったのだと思います。支える役目はつづきながらも、肩の荷がほんの少し軽くなる——そんな気配がありました。
「卒業」という言葉は、何かの終わりのようでいて、新しいスタートラインに立つことでもあるのだと、改めて感じます。娘さんにとっての新しいスタート。そして画面の向こうでは、ご自身の歩みもどこかで速度を変えはじめているように見えました。
私たちヘッドハンターの仕事は、求人を紹介することでも、転職を勧めることでもありません。誰かが人生の節目に立ったとき、その次の一歩を一緒に考えること。その時間に少しだけ関わらせてもらう仕事なのだと思います。
人生にも、キャリアにも、それぞれの「卒業」と「スタート」があります。その節目に立ち会えることの責任とありがたさを、静かにかみしめた一日でした。






