管理職の仕事は「人を動かす事」ではなく「人の可能性を信じる事」

この仕事をしていると経営層の方々とお話をする機会が多く、私も長らく「マネジメント論」的なものを偉そうに語ってきました。
数年前から自身もマネージャーとしてお仕事させていただく機会を頂戴しましたが、全然思う通りにいきません。言うは易し行うは難し。いかにこれまで実体験を伴わない、薄っぺらい話をしてきたのかを思い知りました。マネジメントって難しいですね。
「部下が動いてくれない」「何度言っても伝わらない」「自分がやった方が早い」
管理職の方々から、本当によく伺う言葉です。
管理職のミッションは、チームでの最大パフォーマンスを追求すること。点ではなく面で攻める事。真面目で責任感ある管理職ほど、この問いに悩んでいるケースが多いように感じます。
人とは不思議なもので、動かそうとすればするほど動かなくなります。確認が増える、指示が増える、KPIが増える、管理が増える。すると何が起こるか。自分で考えなくなります。最終的に「言われたことしかやらない組織」が出来上がります。
管理は強くなったのに、組織は弱くなる。業界や会社規模問わず、多くの組織で見られる傾向です。
では、逆はどうか。「任される」「期待される」「信じて託される」
こんな環境に置かれると、人は驚くほど主体的でエネルギッシュになります。
昔ローゼンタールという人が行った実験では、教師が「この子は伸びる」と思って生徒に接すると、本当に生徒の成績は大きく伸びたそうです(ピグマリオン効果)。
人は、期待されたとおりの人になろうとする。そもそも、大事な仕事を信じて託されたら、奮い立ちますよね。困難なミッションであったとしても、何とかやってやろうと。丸投げはダメですよ。ちゃんとウォッチはしつつ、余計な口出しはしないということで。
勿論、人の可能性を信じる事は簡単ではありません。管理職は結果責任を負う立場です。
このコンペを落とすと今期未達になる、部下に任せるのは正直不安、自分がやったらほぼ確実に取れる。そんな時、躊躇なく部下の可能性を信じて託せるでしょうか。
「自分でやっちゃう病」が発病する人も多いと思います。ただ、長期的にみるとこれが最も遠回りです。部下が育たない、業務が管理職の手を離れない、チームが点の集合体にしかならない。
面で戦えるチーム作りで大切なのは、「人の可能性を信じ続けること」だと私は考えています。すぐに結果は出ないかもしれない。むしろ出ない事の方が多いでしょう。それでも信じ続ける。期待して託し続ける。丸投げではなく。それが、管理職という仕事なのだと思います。






