ヘッドハンターの独り言

好奇心と少しの勇気

好奇心と少しの勇気

「異業種なのでお断りします。」

異業種を紹介したヘッドハンターが候補者様からいただくお断り文句のひとつです。
異業種転職とは、業種・業界を変更し、職種は変更しないことをいいます。例えば、「食品メーカーの製造技術職から、化学薬品メーカーの製造技術職へ転職」というようなケースです。

その言葉の背景には、
・これまでの経験が活かせる気がしない
・今から新しい知識を得ていくのは大変だと思う
・キャリアプランが描けない
といったネガティブな理由がほとんどであると感じております。

これは我々がお声がけした候補者様が、ご紹介した企業との面談にお話しを進められないケースです。では一方で、実際に異業種にも関わらずお話しを進められた方は、どのような反応であったのでしょうか?

・意外とこれまでの経験が活かせるシーンが多い
・想定していなかったスキルが評価された
・新しいキャリアパスが描けた
・馴染みのない業界の文化を知ることができた
・改めて経験してきた業種が自分には合っているのだと気付いた

不安はあったものの、好奇心と少しの勇気をもって面談に臨んでいただいた方々の結果としては、必ずしもネガティブなものになっていない印象を持っております。

勝手知ったる業種における強み・弱みは把握しているものの、異業種から見た強み・弱みはご自身の認識と異なるケースが多いものです。異業種の企業との面談は、弱みと思っていた部分が弱みにならず、強みとも思っていなかった部分が強みになる、そんな分析ができる機会になり得ると感じております。

異業種への転職は即戦力となれるケースは多くはないものの、中期的な目線で見れば、ご自身で気付かなかった強みを伸ばしつつ、これまでの経験・スキルを掛け合わせることで、新しい価値を創造できる市場価値の高い人材になるチャンスであると考えることもできると思います。

とはいえ、現職に残った方が市場価値を高められるチャンスがあるケースも多分にございます。我々ヘッドハンターは第三者目線で候補者様のキャリア、市場動向などを考慮し、その機会がチャンスであるのかリスクであるのか有益なアドバイスができるよう心がけております。

私自身、異業種+異職種への転職を経た身であることから、思いもよらなかった経験・スキルが評価された体験をしてまいりました。まずは好奇心と少しの勇気をお持ちになり、ご自身の認識していない価値に気付く企業面談までお話し進めてみてはいかがでしょうか。

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