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社員のバーンアウトシンドローム予防に企業ができる2つのこと

社員のバーンアウトシンドローム予防に企業ができる2つのこと

企業の経営者や管理職に就いている方であれば、社員にはできるだけ元気に業務に励んでほしいと思っているに違いありません。そのためにメンタルヘルスなどにも気を配っているはずですが、ときに社員がバーンアウトシンドロームになってしまうことがあります。

バーンアウトシンドローム、つまり「燃え尽き症候群」になってしまうと、仕事に対する意欲を著しく失ってしまったり、離職してしまったりする恐れがあります。そのような状況を防ぐため、バーンアウトシンドロームの原因とリスク、さらに企業ができる予防法について考えてみましょう。

バーンアウトシンドロームの症状と2つの原因

バーンアウトシンドロームとは、燃え盛っていた炎が突然消えてしまうように、社員が仕事に対する意欲を急激に失ってしまったり、投げやりになってしまったりする症状のことです。うつ状態のような症状が現れ、朝起きられない、仕事に行きたくない、出勤しても仕事が手につかない、対人関係を避けるようになる、怒りっぽくなるといった変化が見られます。
さらに症状が進行すると、休職や退職、家庭生活の崩壊などにもつながりかねません。今までは医師や看護師、教師などに発症しやすいといわれてきましたが、現在では職種を問わずあらゆる社員に見られます。そのため企業としては、バーンアウトシンドロームにならないように予防策を講じることや、発症してしまった場合には早急に治療に専念させることなどが重要です。

バーンアウトシンドロームの原因は大きく分けて2つあります。1つ目は個人要因です。年齢や性別、勤続年数、個人の性格などがバーンアウトシンドロームの原因になり得る要素です。性別でいえば、一般的に男性のほうが女性よりもストレスに過剰に反応しやすく、バーンアウトシンドロームになりやすいとされます。個人の性格もバーンアウトシンドロームの大きな要因です。問題に直面したときに逃避する傾向がある人は、バーンアウトシンドロームになる危険性の高い人です。

バーンアウトシンドロームの2つ目の原因となり得るのが環境要因です。長時間勤務や達成するのが難しいノルマ、膨大な業務量などによって、社員がバーンアウトシンドロームになる危険性は高まるでしょう。さらに、自分と関係のない仕事への参加を強要してくる上司がいる、残業や休日出勤をせざるを得ないといった状況もバーンアウトシンドロームのリスクを高めます。優秀な社員であればあるほどたくさんの業務を任されることになるので、バーンアウトシンドロームになる可能性も高くなるでしょう。

バーンアウトシンドロームによるリスクは企業全体に及ぶこともある

社員がバーンアウトシンドロームになると企業にも悪影響が及びます。多くの業務をこなしていた優秀な社員がバーンアウトシンドロームになってしまった場合、これまで順調に進行してきた業務やプロジェクトが停滞する恐れがあります。
加えて、職場の人間関係にも深刻な影響が現れることも少なくありません。バーンアウトシンドロームでは情緒の消耗を防ぐため、「脱人格化」という症状が現れます。思いやりの欠けた言動、相手の人格を無視・否定するような対応が見られるようになり、軋轢が生まれやすくなるでしょう。

組織として仕事をする以上、こうした問題が生じると職場環境が悪くなるだけでなく、バーンアウトシンドロームになっていないほかの社員にも悪影響が及びます。本人の業務に対する熱意が冷めてしまうだけでなく、周りのモチベーションも下がってしまうので、バーンアウトシンドロームによるリスクは企業全体のリスクにつながるのです。

企業でできるバーンアウトシンドロームの予防法

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バーンアウトシンドロームのリスクを最小限に抑えるためには、企業としての予防策を講じなければなりません。まず重要なのは、職場内でのコミュニケーションを促進するということです。バーンアウトシンドロームはある日突然発症するものではありません。
バーンアウトシンドロームになる前に、イライラしやすくなったり、元気がなかったりするものです。その時点で同僚や上司が変化に気づいて声がけをすれば、その社員も許容範囲を超えて業務を行わずに済むかもしれません。また完璧主義者、仕事に非常に熱心な人、自己評価の低い人はバーンアウトシンドロームになりやすい人として、管理職がチェックしておくと予防策になるでしょう。

さらに、バーンアウトシンドロームの予防法として非常に効果的なのは、勤務時間や仕事のスタイルの管理です。過剰な労働がバーンアウトシンドロームの原因となるため、勤怠管理をしっかり行うことで社員が自分を追い込むことがないように助ける必要があるでしょう。残業の有無や時間、1日あたりの業務量などをコントロールすることが、バーンアウトシンドロームの予防につながるのです。

バーンアウトシンドロームを防ぐために社員一人ひとりに目を向けることが大切

バーンアウトシンドロームは、日ごろのちょっとした変化に周りが気づくかどうかによって大きくリスクを低減できます。管理職にいる社員は、最近元気のない社員や仕事に熱中しすぎている社員に注意を向けて、コミュニケーションを密に取ることが必要となるでしょう。職場やチームの全体だけを見るのではなく、社員一人ひとりの状況に目を向けることがバーンアウトシンドロームを未然に防ぐ最高の手段なのです。

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