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優秀な若手を獲得する「ポテンシャル採用」のメリットと成功に必要な5つのこと

優秀な若手を獲得する「ポテンシャル採用」のメリットと成功に必要な5つのこと

企業の中途採用は、基本的に「キャリア採用」と「ポテンシャル採用」に分かれています。
キャリア採用では、教育の必要ない即戦力の人材を採用しますが、ポテンシャル採用は今後の成長による潜在的な能力に期待するため、教育が必要となる人材を採用する点に違いがあります。
今回はそんなポテンシャル採用のメリットとポテンシャル採用を成功させるポイントについて解説します。

ポテンシャル採用のメリットとは

ポテンシャル採用とは、その名の通り対象者の潜在能力や将来性を重視した採用手法のことで、多くの場合未経験者も採用対象とすることが特徴です。対象となるのは一般的に20代の若手ですが、少子化による深刻な人手不足で対象年齢は上昇傾向を見せており、30代が対象でも行われるようになってきました。

ポテンシャル採用のメリットは、社会人としての基本的な言葉遣いやマナー、コミュニケーションスキルなどが身についている若手の人材を採用できること。

自社業務の教育は必要となりますが、社会人としての基礎能力の教育は完了しているケースがほとんどです。完全にまっさらという状態ではありませんが、業務に関しては新卒に近いイメージの人材を採用できます。

これは新人研修などのノウハウがない企業でも、ポテンシャル採用を利用すれば、自社の生え抜き社員に近いかたちで若手の人材を獲得できることを意味しています。新卒採用を事情により行えない企業は、若手社員の数が少なく年齢バランスが歪になりがちですが、ポテンシャル採用を実施すれば会社の若返りも見込めるのです。

必要な職能の穴埋めとなりがちなキャリア採用とは異なり、長期的な観点から自社の将来を担う幹部候補生の採用にも有効活用できるでしょう。

なお、ポテンシャル採用は、ヤフー株式会社やJR東日本など大手企業でも導入されています。新卒採用と比べて応募者の幅が広がるなど、効果を上げているようです。

ポテンシャル採用の成功に必要な5つのこと

ポテンシャル採用には、社会人基礎力を身につけた若い人材を獲得でき、会社の若返りなどのメリットがあることはわかりました。それでは、ポテンシャル採用を成功させるポイントはどこにあるのでしょうか。5つに分けてご紹介します。

*1. 具体的な評価基準を作成しておく
ポテンシャル採用では、コミュニケーション能力や問題解決力、論理的思考能力から発想力まで、業務遂行に必要となる普遍的な能力を持っているかどうかを重視します。前職での経験や学生時代まで含めた幅広い活動の経験から、このような能力が採用対象者に備わっているかを見極めなくてはなりません。自社の業務や価値観に合わせて、このような能力を評価できる基準を作成し、質問項目などに落とし込んでいく必要があります。

*2. 給与額などを適正化する
ポテンシャル採用対象者への給与の適正化は重要です。給与が高すぎると現社員が不満を抱きますし、低すぎると採用母集団を形成できなくなります。ポテンシャル採用を行うときには、基本的に前職と同レベルの給与が設定されるケースが多くなっています。しかし、未経験でも、前職の経験が活かせそうな場合は、高めに設定することもあるようです。

*3. ポテンシャル採用であることを明示する
求人を行う際には、ポテンシャル採用であることを明示する必要があります。キャリア採用対象者など採用候補者像とずれている人材の応募を未然に防止するためです。これが明示されていないと、若手の人材もキャリア人材と競合を回避するために求人応募をしない可能性が高まります。採用広告に「第二新卒可」「未経験OK」などの文言を盛り込むことで、ポテンシャル採用と簡単に伝えられます。

*4. 採用ミスマッチを防ぐために仕事の内容を明示する
ポテンシャル採用に応募してくる候補者は、若いうちから会社を辞める決断をしてきた人材です。採用した後に候補者がミスマッチを感じた場合、すぐにまた転職してしまう可能性もあります。会社に残ったとしても、候補者が意欲的に働いてくれるかどうかはわかりません。採用のミスマッチを防ぐためには、面接などで候補者の価値観や仕事観を確認し、自社の業務と相手の希望がマッチしているかどうかを見極めることが重要です。

*5. 教育体制を整えておく
ポテンシャル採用を行うためには、まず自社の教育体制を整えておく必要があります。整っていない場合は、意欲の高い人材を活用できず、期待通りの成長が見込めない可能性があります。応募する若手の中には明確なキャリアプランを持ち、労働意欲の高い人材も存在しています。教育体制の不備を見抜かれると再び転職し、採用コストが無駄になるリスクもあるでしょう。

ポテンシャル採用を上手に活用していくために

社会の変化のスピードが速くなり、求められる人材の質もめまぐるしく変わっていくなかで、ポテンシャル採用は、自社に合わせた人材を採用し育成できる非常に効果的な採用手法です。

将来的に幹部候補となる有能な若手人材を採用していくためには、採用候補者像の明確化、適正な給与システムの構築、自社教育体制の整備など、多くの社内体制の整備が必要となります。
会社の中枢を担う人材を採用できる、ポテンシャル採用の導入を検討してみてはいかがでしょうか。

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