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オウンドメディアリクルーティングとは?コンテンツ事例や運用ポイントを紹介!

オウンドメディアリクルーティングとは?コンテンツ事例や運用ポイントを紹介!

多くの企業で人材確保が重要課題として挙がる中、採用力を高める採用手法として「オウンドメディアリクルーティング」が注目を集めています。

本記事では、オウンドメディアリクルーティングが必要とされている背景から、運用ポイント、具体的なコンテンツ例までわかりやすくまとめました。オウンドメディアを活用した採用活動を行うことで、「応募が集まらない」「求める人材を採用できない」「採用後に社員が定着しない」といった悩みを解消できる可能性があります。

オウンドメディアリクルーティングとは?

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オウンドメディアリクルーティングとは、オウンドメディアの情報発信による母集団形成を活用した人材採用手法を指します

まずは、オウンドメディアリクルーティングの基本的な情報から確認しましょう。

オウンドメディアとは?

オウンドメディアとは、企業が所有・管理する自社メディア全般を指します。

コーポレートサイトやブログサイト、Webカタログ、メルマガ、SNSといったデジタル媒体はもちろん、パンフレットや広報誌、カタログ誌といったアナログ媒体も含まれます。英語では”Owned Media”と表記し、「自分自身のメディア」と訳すことができます。

メディアの種類を分類するとき、オウンドメディアはペイドメディア(paid media)やアーンドメディア(earned media)と比較されます。オウンドメディア・ペイドメディア・アーンドメディアはトリプルメディアと呼ばれ、宣伝媒体として広くマーケティング活動に使われます。

ペイドメディアは、費用を払って広告を掲載するメディアです。たとえば、インターネット広告やSNS広告、​​4大マスメディア、屋外広告・交通広告、スポンサーシップなどを含みます。一方で、アーンドメディアとは、ユーザーや消費者も情報を発信できるメディアです。例として、レビューサイトやSNS、ネット掲示板、Q&Aサイトなどが挙げられます。

ペイドメディアもアーンドメディアも自社サイトではありません。オウンドメディアの理解に際しては、「自社サイトである」ということがポイントになります。

採用におけるオウンドメディアとその他メディアの使い分け

求人メディアにもオウンドメディア・ペイドメディア・アーンドメディアがあり、それぞれの特徴や強みに応じて使い分ける必要があります。

オウンドメディアは、自社が所有管理するため内容・情報量・掲載期間・デザインに制限がなく、自由に作れる点が魅力です。一方で、ペイドメディアはメディアを管理する企業が決めたルールやフォーマットに沿って情報を掲載することになります。アーンドメディアは、ユーザー発信となるため、企業側が情報をコントロールすることが困難です。

一見、オウンドメディアに欠点はないように見えますが、ペイドメディアならユーザーからの認知を、アーンドメディアならユーザーからの信頼を獲得できます。これらを踏まえ、リクルーティングにおいてオウンドメディアを用いる目的は、自社への理解促進や企業理念への共感獲得、採用ブランディングの構築が主となります。

オウンドメディアリクルーティングを実施する場合は、オウンドメディアの特徴はもちろん、他のメディアの強みや用途を把握しておくことも欠かせません。

採用市場の動向から考えるオウンドメディアリクルーティングが注目されている背景

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オウンドメディア自体は、採用活動のためのツールがアナログ媒体だった頃から存在しました。それでは、なぜ近年オウンドメディアリクルーティングが注目されるようになっているのでしょうか。

  • 人材獲得競争の激化
  • 働く価値観の多様化
  • 情報収集源の増加
  • 求職者との接点の変化
  • 転職活動の中長期化

採用市場の動向はめまぐるしく変化していることもあり、上記のように複数の要因が重なってオウンドメディアリクルーティングが関心を集めています。

人材獲得競争の激化

現在、日本では少子高齢化が加速しており、労働人口は今後も減少する見込みです。さらに、グローバル化や価値観の多様化に伴い、働き方や働く場所が変化したことで、企業の人材獲得競争は熾烈を極めています。人材の獲得が難しくなっているため、企業は採用の窓口を広げ、自社にマッチする人材を発掘しなければならない状況に置かれています。

他方で、優秀な人材であればあるほど、就職を決める前に入念な下調べをして、自分の専門知識やキャリア、働き方、価値観にマッチする企業を選びます。情報発信できるツールの中でも自由度の高いオウンドメディアを用いることで、優秀な人材獲得に動く企業が増えているのです。

働く価値観の多様化

労働や人生に関する価値観は大きく変化しています。要因には地球環境の悪化や社会情勢の変化など様々考えられますが、価値観の多様化は採用活動にも大きく影響を与えています。

マイノリティな生き方が認められるようになったことで、労働者は仕事選びにおいても個人の価値観を重視するようになりました。さらに、同じ会社で長年勤め上げることが正であるという常識は崩れ、希望の働き方ができなければ労働者はすぐに転職してしまいます。

オウンドメディアでは、「どのような仲間がいるのか」「社会にどのような価値を提供したいのか」といった企業として大切にしている価値観が分かる情報を発信できます。自社の価値観にマッチする人材を集めるためには、オウンドメディアの活用が有効です。

情報収集源の増加

デジタル技術の発展と共に、求職者が情報を収集するチャネルも多様化しています。現在、求職者はテレビや求人誌、求人サイト、口コミサイト、動画サイト、SNS、転職イベントとさまざまなルートで情報を集め、希望する企業を総合的に判断する傾向があります。

つまり、企業も変化に合わせて、オウンドメディアを含めた複数チャネルでの情報発信が必要になっているのです。

また、多くの情報が錯綜するなかで、企業としての信頼性を向上させるためには、事業の透明性や魅力を伝える能動的な働きかけが必須といえます。情報収集源の増加という理由からも、自由に情報発信ができるオウンドメディアの活用が広がっていると考えられます。

求職者との接点の変化

労働人口の減少や価値観の多様化などを背景に、企業と求職者の接点にも変化が生まれています。

従来の採用活動では、求職者が希望する企業の求人に応募するという流れが一般的でした。しかし現在では、自社にマッチする人材を、顕在層はもちろん潜在層からも発掘して、企業側からアプローチしなければ獲得が難しい状態にあります。今までのような受け身の姿勢では優秀な人材を他社に取られかねません。

オウンドメディアは、事業理念や自社の魅力、社内の様子、社員が働く姿を提示できるなど、他社との差別化を図りやすいフィールドといえます。求職者との独自の接点づくりにも用いやすいツールなのです。

転職活動の中長期化

転職が一般化したことから、今は転職を考えていなくても「良い話があれば」「タイミングが合えば」「将来的には」と、そのうち転職したいと思っている人は増えています。新卒入社後2〜3年以内に退職し、第二新卒として転職活動を行う人材の増加傾向も続いています。

実際に転職活動を行う期間は3〜6ヶ月が平均ですが、動き出すまでの時間を考えると、転職活動は中長期化しているといえるでしょう。

常に情報を収集しながら転職の機会を伺う人材が一定数いることを見越して、企業は定期的な情報の発信に注力しなければなりません。機会を伺っていた人材が転職に踏み切るタイミングを逃さないよう、中長期にわたり求職者・転職潜在層にアプローチし続けられるツールとして、オウンドメディアの必要性が高まっています。

オウンドメディアリクルーティングのメリット

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求める人材獲得が難しくなるなか、採用手法も多様化しています。その中で、オウンドメディアリクルーティングに取り組むメリットはどこにあるのでしょうか。

  • 採用後のミスマッチが軽減する
  • 自社の認知度が向上する
  • 採用コンテンツが蓄積される
  • 転職潜在層にアプローチできる
  • 帰属意識が向上する

複数あるので、1つずつ解説していきます。

採用後のミスマッチが軽減する

採用活動にはかなりの時間とお金がかかります。採用後に企業と人材間にミスマッチがあれば、双方にとって報われない結果となってしまいます。

企業側がオウンドメディアで幅広く具体的な情報を提示するほど、応募者側も自分の価値観や理想との共通点や相違点を見つけることができます。

オウンドメディアリクルーティングでは、企業の理念やビジョン、社会に提供したい価値などに共感した人材の応募を獲得しやすく、採用後のミスマッチが起こりにくくなります。

自社の認知度が向上する

そもそもオウンドメディアは、他メディアで掲載しきれない自社の情報を発信するために存在します。何かのきっかけで企業名を知ってもらえたときにオウンドメディアがあれば、事業内容や企業理念、社員の働く姿などより深く自社を知ってもらえる、要するに世間からの認知を獲得できるのです。

人は知らないものより知っているものを選ぶ傾向があり、よく目にするものには愛着を感じます。認知度が向上すれば、求職者の興味と応募の獲得につながります。

採用コンテンツが蓄積される

自社で管理するオウンドメディアでは、作成したコンテンツは資産としてメディア内に蓄積されていきます。検索で上位表示されれば、過去のコンテンツから応募を獲得することもできます。社内に蓄積されることにより、コンテンツを無駄なく活用できるのです。

他社のメディアを使う場合、コンテンツの管理を自社で行えません。せっかく上質なコンテンツを作成しても、他の企業のコンテンツに埋もれてしまったり、掲載期間が終了したりと、求職者の目に触れない状態になることもあります。

その点、オウンドメディアを活用することで自社コンテンツは永久的に掲載し続けることが可能であり、候補者に見てもらえる回数も増えていくのです。

転職潜在層にアプローチできる

転職に対する抵抗感が薄れたことにより、いつかは転職をしたいと考えている転職潜在層は少なくありません。オウンドメディアを使えば、他社に人材を取られてしまう前に、転職潜在層の段階で自社への興味を醸成することができます。

オウンドメディアを閲覧したタイミングでの応募はなくても、転職のタイミングで応募に繋がることもあるでしょう。中長期的に見たときに、人材獲得にプラスの効果が期待できます。

帰属意識が向上する

オウンドメディアでは、社員の1日や、社員の会社への想い、経営者の想い、企業理念、といった通常業務では改めて触れる機会の少ないコンテンツも扱います。いずれも同僚や自社への理解を促し、共感や愛着といった帰属意識を向上させます。中には、転職する前のフレッシュな気持ちや入社した頃の向上心を思い出し、仕事のモチベーションアップになる従業員も出てくるかもしれません。

オウンドメディアリクルーティングは、求職者や転職潜在層にアプローチできるだけでなく、在籍する社員に対するインナーブランディングの効果も見込めるのです。

オウンドメディアリクルーティングの注意点

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効果的な採用活動にオウンドメディアリクルーティングが欠かせないものとなってきている反面、事前に留意しておきたいポイントも存在します。

  • 短期的な成果には結びつかない
  • 導入コストと運用コストがかかる

取り組みを始めるときは、リソースに余裕を持たせ、スモールスタートするのがおすすめです。

短期的な成果には結びつかない

オウンドメディアは、自社に関する幅広い情報を定期的に発信し、理解促進や共感を獲得するためのもので、存在するだけでは知名度を上げたり、劇的に応募を増やしたりすることはできません。オウンドメディアリクルーティングのメリットとして紹介した内容も、中長期的な視点で見たときに得られる効果です。短期的に変化を感じられることのほうが少ないでしょう。

そのため、人手不足で早急に人員補充が必要だというタイミングで、オウンドメディアリクルーティングを始めたのでは採用が間に合いません。オウンドメディアリクルーティングを用いる場合は、特性を理解したうえで、その他の採用活動と並行して行うことが重要です。

導入コストと運用コストがかかる

どのようにオウンドメディアを作成・運用する場合でも、導入コストと運用コストがかかります。

たとえばWebサイトをオウンドメディアとして活用するなら、サイト制作・運用のほか、掲載するコンテンツの文章や画像の作成・写真や動画の撮影に時間とお金が必要です。多数のコンテンツを投入しなければオウンドメディアを採用活動で使えないうえ、掲載情報のアップデートや新規コンテンツの作成はコンスタントに行う必要があります。そのため、将来的にかかるコストも見越して準備を進めましょう。

オウンドメディアからの採用を成功させるポイント

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続いて、オウンドメディアの作成・運用のポイントを解説します。

  • コンテンツの企画力
  • 社内協力体制の促進
  • マーケティング知見の活用

オウンドメディアリクルーティングを成功させるためには、採用につながるオウンドメディアの構築と運用が必要です。

コンテンツの企画力

せっかくオウンドメディアを所有していても、魅力的なコンテンツを発信できなければ宝の持ち腐れとなってしまいます。魅力的なコンテンツとは、求職者や転職潜在層の人材の共感を誘う企業理念、他社にはない特色、生き生きと働く社員の姿などです。そこで、企業の魅力が伝わるコンテンツを企画する力が成功の鍵となります。

もちろん、企画が良くても伝え方によっては、相手に響かないこともあります。「サイトの世界観が企業と合っているか」「日本語は正しく読みやすく使われているか」「求職者が欲しい情報を明示しているか」など細かな点に配慮して、質の高いコンテンツを企画・作成していかなければなりません。

社内協力体制の促進

オウンドメディアの担当者だけでは、コンテンツの幅・質・量の担保は難しいでしょう。よって、オウンドメディアリクルーティングを成功させるためには、社内の協力体制の構築が必要不可欠であるといえます。

また、オウンドメディアで求められる、現場感のあるコンテンツには社員や経営者の協力が欠かせません。加えて、オウンドメディアを採用活動に用いる場合、人事や採用担当者、管理者、教育係との連携も必要です。加えて、コンテンツの信頼性を高める第三者の声を集めるには、関係企業や取引先にも協力を仰がなければなりません。社内の協力体制がなければ社外への依頼は難しいでしょう。

マーケティング知見の活用

オウンドメディアリクルーティングは、数ある採用手法の中でも、採用マーケティングのノウハウが必要になる手法です。さらにオウンドメディア運営には、オウンドメディアマーケティングのほか、デジタルマーケティングやコンテンツマーケティングの知見も欠かせません。

そのため、社内のマーケティング部門と連携したり、各マーケティングの知識を持つ人材を補充したりと、広いマーケティングの知見を駆使した運用ができる体制を整える必要があります。オウンドメディアリクルーティングの実現には、オウンドメディア担当者と人事・採用担当者とは別に、マーケティング担当者を置くことを検討しましょう。

採用マーケティングとは?ファネルの概念や手法・フレームを解説

オウンドメディアからの採用力が向上するコンテンツ事例

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それでは、オウンドメディアではどのようなコンテンツの作成が効果的なのでしょうか。

  • 社員インタビュー
  • 社員ブログの発信
  • オフィスツアー動画
  • 経営者・会社からのメッセージ
  • 制度紹介・イベント情報の発信

オウンドメディアからの採用力が向上するコンテンツ事例を5つ紹介します。

社員インタビュー

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社員インタビューは、読み手が入社後の働き方や業務について具体的なイメージを持てるコンテンツです。たとえば、入社するまでの経緯や入社を決断した理由、日々の仕事や会社に対する想い、1日の流れ、入社後に得たノウハウ、今後のキャリアデザイン、社内での待遇などをヒアリングし、文章にまとめます。インタビューの様子を映した動画も添えるとよりイメージが湧きやすくなるでしょう。

活躍している社員を1人ずつ取り上げるほか、座談会や対談の様子のレビューも効果的。求職者が入社後にギャップを感じないよう、脚色し過ぎず、社員や社内のリアルを伝えることがポイントです。

社員ブログの発信

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同様に、社員によるブログの発信もオウンドメディアだからこそ、提供できるコンテンツです。Webサイトのなかでもフォーマルな場であるコーポレートサイトよりも、カジュアルに社員が生の声を残すことができます。

具体的には、事業に対する熱い思いや、仕事に対する考え方、トレンド情報に対する意見などを記事にすれば、社内の雰囲気や求められる社員の人物像を感じやすくなります。インタビューよりもさらにリアルな空気を感じられ、入社意欲をかき立てるコンテンツといえるでしょう。

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オフィスツアー動画

社内の様子を映したオフィスツアー動画も、オウンドメディアならではのコンテンツとなるでしょう。オフィスの雰囲気や社員の仕事ぶりは、入社しなければ確認できないことが多く、働きだしてからギャップを感じやすいポイントです。写真でもオフィスツアーは可能ですが、やはり動画のほうが現場の雰囲気が伝わりやすくなります。

近年は、リフレッシュスペースやカフェエリア、集中ブース、フリーアドレス席といった快適な職場環境の整備に力を入れている企業も増えています。オフィスにこだわりのある場合は特におすすめのコンテンツです。

経営者・会社からのメッセージ

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オウンドメディアで、経営者の想いや企業として大切にしている価値観をまとめたコンテンツを提示することで、事業への理解や共感を作ることができます。

多くのコーポレートサイトでは、経営者の事業に対する想いが掲載されています。しかし、顧客や事業に関係する全ての人に対するメッセージが一般的で、なかなか社内や未来の社員に向けた想いを知る機会がありません。

そのため、経営者や役員が顔を出して、事業への想いや重視する価値観、求める人材を発信することで、求職者からの興味を引くコンテンツとなります。

制度紹介・イベント情報の発信

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転職活動において、求職者の関心が高いにも関わらず質問しづらいトピックが、社内制度や福利厚生、娯楽に近いイベント情報です。しかし、いずれも意欲的に働くうえでは欠かせない要素であり、事前に知ることができれば、入社後の働き方やキャリアデザインを想定しやすく、不安も解消されます。

近年では、社員の健康に配慮した制度や働きがいを作るためのイベントを導入している企業が増えており、これを機に制度を見直してもよいでしょう。たとえば、若手の奨学金返済をサポートする制度や、勤続年数に応じて長期休暇が取得できる制度があれば、人材を獲得できるだけでなく、定着率アップにもつながります。魅力ある制度・福利厚生・イベントを紹介することで、求職者からの関心は大幅に上がるでしょう。

オウンドメディアリクルーティングの始め方

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最後は、オウンドメディアリクルーティングを始めるときの4ステップをお伝えします。

  1. 導入・運用リソースの確保
  2. 採用者のペルソナ設計・ターゲティング
  3. オウンドメディアの作成
  4. コンテンツの作成・拡散

今回は、オウンドメディアとして主流となっているWebサイトを作る場合の手順をみていきましょう。

導入・運用リソースの確保

まずは、導入・運用リソースの確保から始めましょう。先述の通り、オウンドメディアの作成・運営には金銭的・時間的コストがかかるうえ、幅広い分野の知見が求められます。そのため、継続的な運用ができるだけの、人と予算を確保したうえでスタートすることが重要です。リソース確保の目途が付いたら、オウンドメディアリクルーティングを主導する担当者の決定やチームの編成も行ってください。

採用活動では、オウンドメディアリクルーティング以外のアプローチも同時に進めることになります。他の採用手法との兼ね合いも含め、採用戦略をしっかりと立て、各方面と今後の計画をすり合わせましょう。

採用者のペルソナ設計・ターゲティング

続いて、求める人材の要素の洗い出し、ペルソナを設計し、ターゲティングを行います。オウンドメディアリクルーティングに限らず、採用活動では明確な採用基準や求める人物を定めていないと、必要な人材を採用できなかったり、入社後のミスマッチにつながったりします。

具体的には、職種・年齢・所有するスキル・目指すキャリア・志向性などの項目を設定します。求める人物像に近い社員がいれば、参考にするとより的確なターゲティングができるでしょう。

オウンドメディアの作成

下準備ができたら、Webサイトの制作に入ります。立ち上げの選択肢としては、社内で制作する、またはWeb制作会社に依頼するという2パターンがあります。

社内で制作すると、金銭的コストは抑えられますが、サイト制作の知見と技術を持った人材の確保が求められます。一方で、外部に委託すると、内部制作するよりも金銭的コストがかかりますが、プロのノウハウを活かしたサイトを制作できます。

新たに人材を雇うとなると、採用活動をするための採用が必要となり、本来の目的達成までの道のりが長くなってしまいます。そのため、社内にオウンドメディアの立ち上げと運用に関する知見を持った社員がいない場合は、プロに依頼するのがおすすめです。

ただし、Web制作会社にも得意・不得意があり、採用に使うオウンドメディアの作成のノウハウがない可能性もあるため、依頼先の選定が重要となります。

コンテンツの作成・拡散

どのようにサイト制作をするのか決まったら、メディアに掲載するコンテンツの作成を始めます。前章の【オウンドメディアからの採用力が向上するコンテンツ事例】で紹介したものの中から、自社の採用戦略に合わせて優先的に作成するものをピックアップしましょう。同時に、コンテンツの作成だけでなく、拡散する媒体や方法についても計画を練っておくことがポイントです。

社内でリソースが確保できない場合は、外注を上手く活用しましょう。サイトの保守運用を社内で行い、コンテンツの作成のみを外注すれば、出費を抑えつつオウンドメディアを運用できます。もちろん、コンテンツの企画・作成は社内で、サイトの保守運用は外注というパターンも可能です。

コンテンツを追加・拡散したら、中長期的に効果測定を行い、オウンドメディアが採用活動にプラスになっているのか、問題が起きていないかを確認しましょう。

オウンドメディアリクルーティングで欲しい人材の獲得を目指す!

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本記事では、オウンドメディアリクルーティングに必要な情報をまとめてお伝えしました。

オウンドメディアの作成・運用にはリソースが必要なうえ、一朝一夕で効果が出るわけではありません。しかし、オウンドメディアを運用することで、人材確保が難しくなっているなかでも、採用のミスマッチを解消し、求める人材の獲得や人材の定着率アップが期待できます。採用力を高めるという点において、オウンドメディアリクルーティングは有効な手法の1つといえるでしょう。

なお、情報社会である現代では、自社の魅力を伝えるオウンドメディアは企業の資産としても大きな価値を持ち、採用活動以外でも幅広いシーンで活用できます。より大きな視点で、オウンドメディアを用いた戦略を考えてもいいかもしれません。

応募の絶えない採用サイト 9のポイント

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