イニシエーションとは?定義から企業が行うべきサポートまで解説!

イニシエーションとは?定義から企業が行うべきサポートまで解説!

近年、採用や人事配置において「イニシエーション」というビジネス用語が注目されています。イニシエーションを意識したサポート体制を構築できると、社員のモチベーションや組織の定着率アップが期待できます。

今回は、イニシエーションの意味と、どのようなシーンがイニシエーションにあたるのか、具体的にどうすればイニシエーションを成功させられるのか解説します。

「イニシエーション」の意味は?

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まずは、「イニシエーション」の意味を確認しておきましょう。

イニシエーションの意味は使用シーンによって異なる

本来、イニシエーションは宗教的な意味合いが強い言葉で、人を現在の状態から新しい状態に変えるために必要とする「通過儀礼」を意味します。そのほかにも、医療においては「発がんの初期ステップ」、心理学においては「精神が心理的ショックから成熟に向かうこと」などの意味を持っています。一方で、近年ではビジネス分野でも多く使われるようになりました。

ビジネスにおけるイニシエーションとは?

ビジネス用語として使われる「イニシエーション」について、詳しくみていきましょう。

ビジネスで使われる際は、「新しい環境に移った際に発生する困難と、それを乗り越えること」を意味します。アメリカの産業組織心理学者D・フェルドマンによると、ビジネスにおけるイニシエーションには、「グループ・イニシエーション」「タスク・イニシエーション」の2種類あるとしています。

・グループ・イニシエーション
「グループ・イニシエーション」とは、新しいメンバーが新しく加入する組織に忠誠心や協調性、誠実さを示し、既存の人間関係や組織の一員として受け入れられることを意味します。

・タスク・イニシエーション
職場の仕事上における課題を乗り越えることを、「タスク・イニシエーション」と呼びます。グループ・イニシエーションのあと、仕事や職場そのものに馴染む段階です。

企業がイニシエーションに注目するようになった背景

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イニシエーションの意味を理解すれば、それほど特別な単語ではないことがわかります。それでは、なぜ今になってビジネス分野においてイニシエーションが注目されるようになったのでしょうか。

その大きな背景には、終身雇用制度の崩壊があります。多様な価値観や働き方が認められ、キャリアの幅も広がりました。年齢や職歴・学歴を問わず、異動や転職も一般的になり、新天地で働くという機会は増加。イニシエーションを経験する頻度が上がり、結果的に組織や仕事に馴染めないトラブルや離職も起こりやすくなりました。企業側もイニシエーションに配慮する必要性が高まったのです。

現代の企業には、優秀な人材を確保・定着させ、成果を出せる環境作りが求められています。

企業によるイニシエーションの考慮が必要なシーン

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終身雇用が一般的だった時代、イニシエーションを経験するのは新卒者がほとんどでした。しかし、現在は新たなキャリアを求めて、中高年であってもイニシエーションを経験する機会が増えています。

ここからは、イニシエーションにあたるシーンと、各シーンにおいて企業に求められる支援についてみてみましょう。

採用

新卒採用や中途採用では、全く新しい環境に飛び込むことになります。企業側は、新入社員が組織に馴染み、業務を円滑にこなせるようにサポートする必要があります。

新入社員はすべてが初めてのことになるため、同僚や先輩社員、上司が密にコミュニケーションをとり、組織として受け入れる体制が求められます。職場の人とお互いに理解が進めば、新入社員がイニシエーションを乗り越えやすくなります。研修を行うときは、中途採用の社員と新入社員で内容を変えることもポイントです。

出向

人材不足により、企業間での人材共有=出向する機会も増えています。同グループ内や提携企業であっても、異なる企業の新しい環境で働くことは、イニシエーションにあたります。

出向先では人間関係も業務内容も変化するため、出向社員にかかるプレッシャーやストレスは大きいものです。出向社員が自社で成果を出せるように、円滑な人間関係や業務遂行のためにサポートしましょう。一般的に、業務命令で出向や出向先が決まります。出向社員のなかには、助言を受けたり仕事のやり方を変えられたりするのが苦手な人もいます。自社のなかでも、とくにコミュニケーション力のある人をサポート役に立てるのが好ましいといえます。

人事異動

人事異動は、ビジネスにおいてとくに身近で頻発するイニシエーションです。企業全体では大きな変化はありませんが、変化があった本人や周囲にとっては負担になっている場合があります。新しいメンバーが新しい部署に馴染めるよう、企業側のサポートが求められます。

一方で、同企業内の場合、社内の雰囲気やルールを把握しているため、グループ・イニシエーションを乗り越えやすいといえます。このとき、タスク・イニシエーションが重要になってきます。また、サポートする社員は問題解決や指導、管理の経験を積めるため、管理職候補をサポート役に付けるのが望ましいでしょう。

リアリティショックを克服するには「イニシエーション」が必要

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社員がイニシエーションを乗り越えるためには把握しておきたいのが「リアリティショック」です。ここからは、リアリティショックについても確認しておきましょう。

「リアリティショック」とは?

リアリティショックとは、入社する前に持っている理想と、入社後に経験する現実との差異に対して受ける心理的な衝撃を指します。リアリティショックが起きる原因は、「仕事内容や自分の能力に対するギャップ」「人間関係に対するギャップ」「他社の能力に対するギャップ」「自分への評価に対するギャップ」など。

現在、新卒採用者の3年以内の離職率は約3割といわれています。イニシエーションを乗り越えるためのサポートをするときは、リアリティショックを防ぐことが重要です。

リアリティショックの弊害

社会人の7割以上が、リアリティショックを受けたことがあるといわれています。誰しもリアリティショックを多少受けることはありますが、衝撃が大きすぎたり企業からのサポートがなかったりすると、企業側にもさまざまな弊害が発生します。

組織に馴染めず人間関係を上手く構築できないと、業務に集中することができません。結果的に、業務へのモチベーションが低下したり、企業に対して不信感や無力感を抱いてメンタル不調に陥ったりします。リアリティショックによってモチベーションが低くなって業務成果が出ないと、企業側もその社員を評価や信頼することができず、さらに社員のモチベーションが下がり業務成果も出ないという悪循環に陥ります。最悪の場合、早期離職に至るケースもあります。

リアリティショックを防ぐためにはイニシエーションの成功が重要

リアリティショックを防ぐために必要になってくるのが、イニシエーションの成功です。
新たな環境でストレスを感じていても、企業や組織の人間に信頼感を持っていれば、悩みや不安を相談することができます。企業側も、新しいメンバーが何に対してギャップを感じているのか把握できるでしょう。

優秀な人材が能力を発揮できなかったり離職したりしないよう、企業としてサポート体制を整えることが重要です。

イニシエーションを乗り越えるために企業ができるサポート

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最後は、企業が具体的にどのようなサポートをするべきなのかみてみましょう。

コミュニケーションの活性化

円滑な人間関係を構築できれば、組織に馴染む最初の基盤となるので、安定した精神状態で業務に臨んでもらうことができます。そのために、まずは社内のコミュニケーションを活性化して、新しく入ったメンバーが周囲の人に声をかけやすい環境を作りましょう。歓送迎会やランチなど気軽に雑談ができるシーンであれば、悩みや不安を相談しやすく、イニシエーションを乗り越えやすくなります。

信頼関係を築きやすい環境づくり

信頼関係を築きやすい環境づくりも、イニシエーション成功のためのポイントです。新しいメンバーと信頼関係を築くときは、先輩社員や上司が誠実さや学ぶ姿勢、組織のために動く姿勢を見せることが有効です。新しいメンバーは、既存社員の様子を見て、組織や周囲の人間が信頼できるかを判断します。先輩社員や上司の働きぶりから信頼できる組織だと認知してもらえれば、イニシエーションの成功にもつながります。

心理的な安全を確保しやすい人材育成制度の構築

組織を円滑に運営するためには、職場の心理的安全性を確保することが重要とされています。心理的安全性とは、他者が自分の発言を拒絶したり罰したりせず、自分の意見や気持ちを誰にでも安心して発言できる状態を指します。職場の心理的安全性を確保できれば、指導者は、ストレスなく新しい人材を育成することができます。新しく入ったメンバーも職場の様子を見て、質問や相談することに対して抵抗を感じにくくなり、イニシエーションを成功させやすくなります。

グループ・イニシエーションを考慮した研修の実施

研修を行うときはメンター制度やマンツーマンでのOJT、コーチングなどが効果的です。新しいメンバーが組織に馴染み、成果を出すための最初のステップは、グループ・イニシエーションを成功させることにあります。新しいメンバー1人に対してそれぞれ先輩社員がつくことで、信頼関係を構築しやすくなり、リアリティショックを感じにくくなります。また、指導側も新しく入ったメンバーの変化に気づきやすく、リアリティショックの差異を埋めるようなアドバイスや研修を行うことができるでしょう。

イニシエーションを意識して組織力や人材の定着率アップを図ろう!

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企業に新しく入るメンバーがイニシエーションを乗り越えられれば、優秀な人材が本来の力を発揮できるだけでなく、組織としての結束力や人材の定着率を上げることができます。採用や出向、人事配置の際に、新しいメンバーが新しいポジションや部署に馴染めるよう体制や雰囲気づくりをすれば、既存社員も働きやすくなります。人事不足も深刻化する現代では、経営の成功のためにイニシエーションへの配慮が欠かせないといえるのではないでしょうか。

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