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優秀なグローバル人材を採用・育成! グローバル人事戦略のポイントを解説

優秀なグローバル人材を採用・育成! グローバル人事戦略のポイントを解説

経済の急速なグローバル化が進む中、今後の企業経営でますます必要となるものが国際競争力を強化するための「グローバル人事戦略」です。しかし総務省の調査によると、約70%の企業が海外事業に必要な人材が不足していると回答しているのが現状です。[注1]

国際社会を相手にビジネスで渡り合うために急務ともいえるグローバル人材採用とグローバル人材育成のポイント、そして実際にグローバル人事戦略を取り入れることが会社にもたらす利点を解説します。

[注1]総務省:グローバル人材育成の推進に関する政策評価[pdf]  http://www.soumu.go.jp/main_content/000496468.pdf

2つのケース別!グローバル人材の採用ポイント

グローバル人材の採用には、下記の2つのパターンがあります。

*外国籍の人材を採用する
*海外経験のある日本人を採用する

それぞれにおいて採用担当者が気をつけるべきポイントを見ていきましょう。

まず、外国籍の人材を採用する上で注意したいポイントは、「それぞれの国特有の文化を理解・共有しておく」ことです。
外国ではワークライフバランスの考え方も日本とは異なり、日本ほど仕事を最優先とする国は少ないといえます。また、宗教上、断食の習慣がある国や、昼寝の習慣(シエスタ)がある国もあります。受け入れる側にこうした文化理解がないと採用後に摩擦が発生し、せっかく採用した優秀な人材が定着しないことになりかねません。外国籍の人材を採用するにあたっては、生活環境や宗教的価値観、働き方に対する考え方の違いまで、事前に把握しておくことが大切です。

次に、海外経験のある日本人(または海外志向のある日本人)を採用する際の注意点について解説します。このとき最も重要視すべきことは、その人材がグローバルな分野で働きたいと思う「動機」(motivation)です。留学経験があり語学力が高い人材であっても、意外にも国内志向を持っている場合もあります。まずは以下の点を採用段階でしっかり擦り合わせ、採用後のミスマッチが生じないように気をつけましょう。

*「世界を相手に仕事をしたい」「海外で働きたい」という強いやる気があるか
*実際に語学力を活かしてどんな仕事をしたいのか

また、長期の海外駐在が前提となった採用の場合には、家族環境も把握しておく必要があります。家族帯同なのか単身赴任なのか、滞在先での条件なども事前によく話し合っておき、認識の相違がないようにしておくとことも大切です。

スキルだけでなく適応力も必要!グローバル人材の育成ポイント

産能大学総合研究所の調査によると、海外赴任後に成果を上げる可能性が高い人材には、

*仕事のスキル・専門性が高い
*異文化への関心が高い

という特長があるそうです。[注2]
グローバル人材として活躍するには語学力だけでなく、仕事における専門的なスキルと、異なる文化・価値観を乗り越えて関係を築く適応力が必要といえるでしょう。この点を踏まえると、グローバル人材を育成する際のポイントは下記の3つが挙げられます。

*異文化に関心が高く適応力の高い人材を採用して育成する
*仕事の能力が高い社員に、異文化への関心が高まる教育を行う
*語学教育も推進するが語学だけに頼っていてはいけない

グローバル人材には仕事の能力や語学力だけでなく、さまざまな不足の事態にも柔軟に対応できる力が必要です。実際に海外では、日本では考えられないようなトラブルが起きることがあります。たとえば以下のような事例です。

*終業時間と同時に運搬中の部品を放置して帰宅
*配線が乱雑であったために火災が発生
*休暇で帰省した現地作業員がそのまま会社に戻ってこない

このようなトラブルを乗り越え、周囲と良好な関係を築き、ビジネスで成果を上げる、そんな人材の育成を目標に進めていきましょう。

[注2]産業能率大学総合研究所:グローバル人材育成のポイント[pdf] http://www.hj.sanno.ac.jp/files/ri/page/9403/global_hrd_4.pdf

グローバル人事戦略を取り入れて世界的な競争力を獲得

グローバル競争に勝てるかどうかは、グローバル人材の採用と育成、そして彼らを活用するマネジメントにかかっているといえます。
実際にグローバル人事戦略を取り入れれば、下記のような成果を望むことができるでしょう。

*商品やサービスの現地市場を開拓(→新たな販路の拡大)
*海外工場の運営が順調になる(→生産コストが下がる)
*海外での新規ビジネスの創出(→ビジネスチャンスの獲得)

急速なグローバル化の中で国際競争力を身に着け、変化に対応していくためにも、戦略的グローバル人材の採用・育成を行っていきましょう。

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グローバル人材とは何か?―日本企業が取るべき育成の指針―

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