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1on1マネジメントで「個人」のパフォーマンスを向上させる極意は「傾聴」と「肯定」

1on1マネジメントで「個人」のパフォーマンスを向上させる極意は「傾聴」と「肯定」

会社として業績を伸ばすため、また、部下やチームをまとめて自分の評価を高めるためにも、必要になってくるのが社員一人ひとりに対するフォローです。ただ、会社組織の中で出世する人は基本的に「部下だったときに仕事ができる」から出世しているため、マネジメントスキルを持っているとは限りません。

そこでひとつの解決策になってくるのが、上司やマネージャーが社員と1対1で話し合う時間を作る「1on1マネジメント」です。

今回は社員のパフォーマンスやモチベーション維持・向上に効果的な1on1マネジメントの基本や、1on1マネジメントを成功させる極意について解説していきます。

1on1マネジメントのメリットは個人のパフォーマンスとモチベーションの向上

1on1マネジメントを導入すると、面談を通じて個人のパフォーマンを向上し仕事に対するモチベーションを維持することができます。

会社組織は仲良しグループではありませんが、ドライな関係性を好む人ばかりとも限りません。多くの社員にとって、会社は1日の中で最も長い時間を過ごす共同体です。上司や同僚、部下から冷たく事務的に当たられるよりも、折に触れてコミュニケーションを取れたり、評価してもらえたりするほうが仕事に対するモチベーションを高めることができます。

「社内に理解者がいる」ことはその職場で働くモチベーションになりますし、上司やマネージャーが意識して理解者になることができれば、各社員からの信頼や尊敬を受けることにもつながるでしょう。尊敬できる上司がいることは、離職率の低下、コミュニケーションの円滑化にも一役買ってくれます。

なお、マズローの5段階欲求説によると「他社から認められる」ことで満たされる尊厳欲求は、5つある欲求の中でも2番目に高い欲求です。会社の上司やマネージャーといった上位の人が相手を認めると尊厳欲求を刺激しやすいので、1on1マネジメントは上下関係がある中で実施しましょう。

また、5段階欲求説の中で最も高い次元の欲求は「自己実現の欲求」です。普段はプロジェクトごとの管理に集中していても、それぞれの社員が目指すなりたい自分像は同じものではありません。1on1マネジメントを通じ、社員が望む方向に成長しているかどうかをこまめにフィードバックしていけば、各社員はパフォーマンスの向上や自己実現の欲求を満たすこともできるでしょう。

1on1マネジメントを成功させる極意は「傾聴」と「肯定」

1on1マネジメントを成功させる極意は、「傾聴」と「肯定」を心がけることです。上司と部下という立場で会話をする場合、立場の強い側が意識して相手の意見や考えを引き出しやすい状況を作らないと部下は話すことができません。

とくに1対1の会話では逃げ場がないので、否定の言葉は印象が強くなります。1on1マネジメントをする場合は「だが」「しかし」「そうは言っても」といった言葉で相手の話を遮らず、最後まで聞く傾聴の姿勢を徹底しましょう。
「途中で会話を遮られる」のは、どんな事情があっても快いことではありません。自身の経験から否定したほうが良い内容だったとしても、まずは一旦話を受け止め、「言いたいことはわかる」と考えや気持ちを肯定した上で会話を続けることが重要です。

同様に、話し合いの最中に資料やパソコンを見ながら話をすると「この人は自分に興味がない」という印象を与えてしまうので、気をつけましょう。

社員の緊張を緩める場合、あえてプライベートな話や自分の失敗談を語るところから1on1マネジメントをはじめるというテクニックも使えます。また、1on1マネジメントは他人に話を聞かれる心配のない別室で行い、対話が終わるまでは緊急の連絡以外取り次がないようにしましょう。中長期的な目標や弱みなど、他人の目があると話し出せない話題もあるからです。

人間として相手をフォローすることで社員のスキルを育てよう

1on1マネジメントは、社員のことを一人の人間として捉え、仕事だけでなくメンタルも含めてフォローするための面談手法。上手に使えば離職率を下げたり社員の成長を促したりできる1on1マネジメントのスキルは、あらゆる対人関係で役に立ちます。

社員のマネジメントにお悩みの人事担当者や上司は、自身の評価を高めるためにも1on1マネジメントに取り組んでみましょう。

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