採用成功率をあげる1対1の採用戦略 ~転職潜在層を狙った面談のススメ~

採用成功率をあげる1対1の採用戦略 ~転職潜在層を狙った面談のススメ~

ようやく巡り合えた即戦力人材へ内定オファーを出したが、あっさりと辞退された。当社が本命だと言ってくれていた競合他社の人材にも内定後に辞退された。いずれも理由は「他社に決めました」というもの。採用選考が終盤に差し掛かろうとした際に、本命人材に辞退されることは非常にショックであり、競合他社さえいなければ・・・と思う採用担当者も多いことでしょう。

一人の候補者に複数の志望企業があれば自社は競争にさらされ、内定承諾率は必然的に下がります。では、そこに競合が1社もいなければどうでしょうか?今回は、候補者の転職希望先に併願企業が無い、「候補者と自社だけの1対1の採用戦略」へ持ち込む手段や採用過程のポイントをお伝えします。

求人サイトや人材紹介からの応募者は併願企業だらけ

2021年以降、人材系の上場企業は軒並み好業績をたたき出し株価も堅調に推移しています。新型コロナの急襲により一時的に落ちた求人倍率は、勢いよくリバウンドしてV字回復の兆しであり、求人サイトへの掲載や人材紹介会社へ依頼する企業は後を絶ちません。

特に20~30代前半の転職適齢期の人材なら、スカウト型求人サイトや人材紹介会社へ登録するや否や、複数企業から選考のオファーが舞い込む状態になっていることでしょう。例えば人材紹介会社を活用して転職を志す場合、登録する人材紹介会社の平均は3社といわれています。登録後、大手紹介会社であれば20~30社もの求人を紹介され、そこから自分の志向や希望条件に合致する企業へ応募していくわけです。他にも複数の人材紹介会社から複数の求人を紹介され、最終的には候補者一人あたり平均5~6社は応募をすることになります。求人サイトの利用であっても、1社だけエントリーして様子見というケースは少なく、併願してエントリーし選考に挑むことの方が圧倒的に多いでしょう。

人材が優秀であればあるほど選考は次々と進むわけですから、求人サイトや人材紹介会社を経由して応募してきた場合は、内定のタイミングで他にも競合他社が存在することが大いにあるわけです。今回は、待遇やポジションをどうするのか?候補者をグリップする手段は?熱意を伝えよ!などの競合に勝つための方法ではなく、そもそも競合がいない状況で採用をやりましょう、というお話です。では早速その本題に入っていきます。

転職を考える前に会う

これが結論です。求職者の売り手市場となった今、採用に成功している会社は何をしているか?と言うとずばり、逆張りを実施しています。逆張りとは転職活動者ではなく、非転職活動者、つまり採用したい人材がまだ転職活動を始めるより前に声をかけて、面談へ呼び込んで、ある程度時間をかけて採用しているのです。非転職活動者である転職潜在層へアプローチする手法としてヘッドハンティングがありますが、当社の同サービスでは、1次面接からの内定承諾率は、通常の人材紹介に比べて倍以上高くなっています。転職潜在層が企業とコンタクトできると高確率で採用出来るのがお分かりになると思います。

また、リクルートワークス研究所の調べによると、転職市場に現れる転職顕在層は6%にとどまります。それ以外の94%は転職潜在層となっていますから、自社にマッチする人材は、この転職潜在層の方が圧倒的に多く存在していることになります。うまくアプローチできればこれまで出会えなかったような人材の採用も夢ではありません。

出典:リクルートワークス研究所「全国就業実態パネル調査(JPSED)2020 」

人事の方々がどのようにして、この転職潜在層へアプローチしているかというと、代表的なチャネルは下記が考えられます。

1.展示会やカンファレンスに出向いてコンタクトする
2.社員のリファーラルで知人を紹介してもらう
3.LinkedInやFacebookなどのSNSでコンタクトする
4.ダイレクトリクルーティングサイトで非転職活動者へスカウトする
5.ヘッドハンティング会社へ依頼してスカウトする

1~4のアプローチ活動は自社内で人員と工数をかければ可能となり、外資系の企業はリクルーティング専門部隊がありますので、これらの活動を積極的に行っていますし、日系企業もSNSやダイレクトリクルーティングサイトの普及で転職潜在層へのアプローチが容易になってきました。ダイレクトリクルーティングサイトの場合、転職活動中か否かを見極める基準としては転職時期の希望が少なくとも半年~1年後以降や未定の場合が該当しそうです。

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転職潜在層の採用は「面接」ではなく「面談」となる

転職潜在層とコンタクトを取れた際に、気を付けなければならないのが「面接」ではなく、「面談」を実施するということです。転職潜在層の採用は、企業が通常の採用のように求職者の応募を募るわけではなく、企業側から「当社で働く気はないか?」と非転職活動者へ声をかけていくわけなので、企業にアドバンテージがある“選考”=面接は行わない方がうまくいきます。

また、通常の採用は“応募”から選考は始まりますが、転職潜在層を採用する場合は、その前に“認知”と“興味”の過程が加わります。転職潜在層を候補にしたい場合は、待っていても何も起こらないので、まずはこちらからアクションを起こすことになるわけです。具体的には、初めてSNSなどでコンタクトをとる際に「選考」ではなく、自社を知ってもらうきっかけとしてお会いしませんか?と声をかけるような働きかけが必要となります。

例:SNSでのコンタクト文
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はじめまして。
株式会社●●人事総務部長をしております●●と申します。

◯◯様の現職でのご活躍を目にしまして、大変魅力を感じております。
当社では貴殿の経験を活かせるプロジェクトをいくつか展開しており、
共にそのプロジェクトを成功出来ないかと考えておりました。

いますぐに転職をお考えでなくても構いませんので、
弊社スタッフとカジュアルにお話だけでもいかがでしょうか。

お忙しいと思いますので、電話やオンライン等でも対応させていただきます。
お返事お待ちしております。
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面談の前の心構え

候補者から連絡があり面談を設定できることになった際、企業が事前に心得ておきたいポイントがありますのでご紹介します。

① 事前準備
面談前に候補者の職務経歴書を読み込んだり、SNSを確認したりして、候補者に何が響きそうか、どうすれば口説けそうか、という仮説を立てることが有効となります。

② おもてなし
「価値観が重なるか」を最重要視し、まずは社長から自社の思いを語り、それを踏まえて候補者がどう仕事に取り組んでいるのか、などを聞くことに多くの時間を割くことが重要となります。

③ 次回の面談確約を意識
価値観が合いそうだと思えば、その場で次回会う日を決めることで、スピーディーに選考へとつなげることができます

これらに共通して言えるのは、採用する企業側が初めからその人材に対して積極的にかかわろうする点にあります。会社が全く無名で小さかったころから採用を経験されている方は懐かしいでしょうが、そのようなフェーズの会社は自社に応募があっただけで嬉しく、何とか自社に興味を持ってもらおう、少しでもフィットしたら採用したい!というあの積極性です。それと似た感じがあります。

面談を成功に導く流れ

次に面談中の流れについてもう少し詳しく見ていきたいのですが、ざっくりとした流れは下記画像のように1~4のステップになります。

STEP1 アイスブレイク
●目的
警戒感を無くし、リラックスして話せる雰囲気作り
●話す内容
・面談の目的
→「選考」ではなくまずは互いを理解する場であることを示す
・自己開示
→自身の開示を行うことで候補者に話しやすくなってもらう

まずは話しやすい雰囲気をつくることを心掛けていきます。アイスブレイクの得手不得手があると思いますので、苦手な方はご自身の自己開示や自己紹介でも構いません。例えば今、どんな仕事をしているのか?なぜこの会社に入ったのか?というのを説明することで、相手も非常に話やすくなり、自己紹介であればテンプレートの作成も可能なので、ハードルを高くせず実施してはいかがでしょうか。

STEP2 候補者の価値観理解
●目的
候補者理解や判断軸の把握
●話す内容
・現職の仕事内容
・候補者の将来(公私問わず)
→候補者の表情や反応から、興味・関心や転職の軸を探る

今取り組んでいる仕事内容、なぜ今の会社や仕事を選んだのか?数年後の中長期のキャリアプランをどのように考えているのか?などを把握することで候補者の判断軸を知ることが出来ます。

STEP3 入社意欲の向上
●目的
興味関心と入社意欲の向上
●話す内容
・自社の紹介
・質問対応
→採用したい候補者に魅力をお伝えする

前段の候補者の価値観を踏まえて、自社の説明する内容をいくつかのパターンで準備しておき、適切に変えて伝えていくことが重要になってきます。

STEP4 次のプロセスへの誘致
●目的
次回面談予定の確約
●話す内容
・次への期待
→候補者が興味を持ちそうな別の方に会っていただけないか打診
・「今」入社するメリット
→転職潜在層である候補者に、「今」転職を意識してもらう

候補者の価値観に合う社員との次回面談をその場で設定するのが有効です。その際には、次の面談者に会うメリットを伝えるようにしましょう。また、その面談者の紹介はいくつかのパターンを用意しておき、候補者の価値観に応じて伝えるとより次回面談が設定しやすくなるでしょう。

あせらずじっくり

このように面談を成功に導く流れに沿って実施し、候補者の価値観に合わせた対応を繰り返すことで、自社に対する興味度を次第に上げていくことが可能となります。どちらかと言うと顧客ニーズを探り、時間をかけて契約につなげる営業に似た活動に近いのかもしれません。

転職潜在層を候補者とした場合、他選考企業が無い分、他社負けするということが減る一方で、現職に留まるかどうかで悩む候補者との遭遇率は上がってしまいます。もともとは、転職しなくても良い状態にあった方なので、案件進行中も焦る必要がなく、冷静に人生の選択肢として「現職でこのまま人生を送ること」と「オファーをくれた他社で人生を送ること」を比較し吟味することができ、ご自身にとって納得感がないと転職という決断はできないわけです。

企業側は、候補者について把握することに努めます。また候補者が納得出来るよう、自社のこと、事業のこと、ポジションのこと、将来のこと、そして期待を伝えます。通常の採用より時間がかかることもありますが、それが本命人材であれば採用後の価値を踏まえて「あせらずじっくり」と向き合うことが、転職潜在層の採用を成功させるもう一つのポイントだと考えています。

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