『社長の覚悟—守るべきは社員の自尊心』150社以上に関わった経営者が語る“社長の心得”

『社長の覚悟—守るべきは社員の自尊心』150社以上に関わった経営者が語る“社長の心得”

会社を経営する上では、さまざまな壁にぶち当たります。中でも優秀な人を育て、やりがいを持って働いてもらうにはどうすれば良いかというのは最大の課題ではないでしょうか。今回は柴田励司著『社長の覚悟—守るべきは社員の自尊心』(ダイヤモンド社/2015年3月13日発売)を取り上げます。社長のみならず、部下や後輩を抱える人にも広くお勧めの1冊です。

「動きすぎてしまう社長自身の存在」が問題の根っこにある

業績が思うように伸びない、資金繰りが厳しい、人材が育たない……会社がこのような状態に陥っているとき、どのような原因を想像するでしょうか。もちろん企業によってさまざまな要因が考えられるはずですが、これを「問題の根っこには往々にして『動きすぎてしまう社長自身の存在』がある」と一刀両断するのが本書の著者、柴田励司氏です。

柴田氏はデジタルハリウッドやカルチュア・コンビニエンス・クラブなどさまざまな企業の経営に関わったのち、人材育成・人材開発を行う「Indigo Blue」を創業、現在では会長を務めながら次世代経営者・リーダー育成に力を注ぐ人事・人材育成のプロフェッショナル。経営者あるいはアドバイザーという立場で150社以上の企業に携わった経験の中から、そのノウハウを7つの法則としてまとめたものが本書『社長の心得』です。

経営においてもっとも重要な資源は「ヒト」。しかし社長次第では……

「動きすぎる社長」がなぜいけないのか。会社を背負っているという責任感、自負心からではないか。そう思う人も多そうですが、「動きすぎる社長の下では、経営において最も重要な資源であるヒトが育たないため」というのが柴田氏の持論です。会社の明暗を分かつものはヒトであるのに、社長がすべてにおいて口を出すと育たない。それどころかやる気を失い、去っていくことすらある、というわけです。

かく言う柴田氏も、38歳で外資系企業の日本法人社長になったときは、典型的な「動きすぎる社長」だったといいます。「社長たるものビジョンを示し、戦略を描き、周知徹底しなければ」と時間と労力を費やすものの、動けば動くほど部下の心は離れ、仕事は空回りする一方。願いとは逆に、状況はどんどん悪くなっていきました。転機となったのは、動きすぎるのをやめたこと。「You work for me(俺のために働け)」から「I work for you(みんなのために働くよ)」へと、小さなことからひとつひとつ自己改革をはかった経験を持つ柴田氏だからこそ、本書の言葉にも重みがあります。
具体的に、本書で上げられている“覚悟”の一部をご紹介しましょう。

「社員のために働く」とはどういうことか

社員のことを考えていない社長はいないでしょうが、具体的に「社員のために働く」とはどういうことでしょうか。ここではたくさんのポイントの中から、2つをご紹介しましょう。

まずは「社員を守る」こと。何があっても、自分たちの給与や成長、将来などを社長が守ってくれる。社員はそう感じられることでやる気が出ます。ここで重要なのが、メンツを傷つけるようなことは絶対に言わないということ。体面が保てないようなことが社内で起きているなら、ただちにフォローする。そういう体制があってこそ、社員を守れていると言えるのです。

次に「退路を断つ」という覚悟。何ああったときは社長が身体を張って前に出る、責任を撮る。人はついつい保身に走りやすいものだから、だからこそ本当に絶ったほうが良いと柴田氏は述べています。

コミュニケーションは叱咤激励ではなく「聞く」ことから

話を「聞く」ことの大切さは、誰もが知っていることでしょう。ただ、柴田氏は多くの社長が「聞く」行動が弱いと指摘します。頷いて聞いているように見えても、実は聞いていなかったり、他の作業をしていたり、ややもすれば自分が口を挟むタイミングを見計らっているだけだったりするのです。指示をしたり叱咤激励するといった「言う」側に徹する社長も多くいます。

この根底にあるのが、社長に多い「社長たるもの、指示を伝えるものだ」という思い込み、そして社長の動きすぎ。社員とのコミュニケーションは「言う」「伝える」ではなく「聞く」から始める必要があります。さらには、建前ではなく本音を引き出すためにも、聞く環境づくりや聞く姿勢、社員の個性によって変える接し方など、さまざまなポイントが紹介されます。

「できない社員」をどうするか
人の育成に関わったことがある人であれば、必ずぶち当たる壁が「できない人」。何度言ってもミスをする、どう贔屓目に見てもやる気が足りない、物覚えが悪すぎる。そうした人はどこにでもいるものです。しかし柴田氏は「できない人間はいない」と主張します。創造力や決断力、個々のスキルなどはパーツにすぎない。大切なのは目的達成や問題解決のために必要なことを着実に実行する気持ちであり、それは誰でも持っている——その信念が、まずは大切なのです。

必要なスキルを鍛え、ヒトの配置を工夫し、部下のタイプを見極め、ときには手取り足取りで教える。それでももしその人が輝けないのであればどうしたらいいのでしょうか? 本書には、こうあります。「それはトップの力不足か、採用のミスです。そのときは『社員が活躍できる場を、自分や会社は提供できなかった』と考えて、その社員が輝けそうな会社を必死に探し、転職支援をする。社員の支援とは、そのくらい徹底して真剣に行なうべきなのです」柴田氏が述べる「I work for you」は、ここまで徹底したものなのです。

タイトルは『社長の覚悟』ですが、『マネージャーの覚悟』『先輩の覚悟』と言い換えても、充分に通用するでしょう。人の上に立つ人なら、一度はこの“覚悟”を頭に入れておくと良いかもしれません。

柴田 励司氏-企業が求める次世代リーダーの育成と課題、そして対策

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