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『人間関係に必要な知恵はすべて類人猿に学んだ』あなたもきっと、猿人類!

『人間関係に必要な知恵はすべて類人猿に学んだ』あなたもきっと、猿人類!

おもしろい本を見つけました。「類人猿分類公式マニュアル2.0 人間関係に必要な知恵はすべて類人猿に学んだ」(夜間飛行/2015年9月11日発売)。人の性格を4つに分類し、それぞれを4種の大型類人猿になぞらえたものです。実はこの本、「15期連続売上アップ」という、とんでもないパワーを秘めていました。

人の性格を類人猿に分類?

私たちはとかく、人をタイプ別に分類するのが好きなようです。血液型や星座、生まれ月などを使って、その人の性格や言動、他人との相性などをおもしろおかしく論じたりします。「東男に京女」などという言葉があるくらいですから、昔からそうしたことが好きな民族だったのでしょう。
この本で用いているのは「類人猿分類」という方法です。その名のとおり、人の性格や言動パターンを「チンパンジー」「ゴリラ」「オランウータン」「ボノボ」という、4つの大型類人猿になぞらえて分類しています。
著者によると、これら4種の類人猿は人間に非常に近い種であり、しかもそれぞれ驚くほど性格や習性が違い、ほとんどの人の性格や言動は、この4種の類人猿に当てはめることができるそうです。
「本当かな?」と思いますよね。例えば、チンパンジーといえば群れを作って遊んだりケンカしたり、いつも大勢でにぎやかなイメージがあります。逆にオランウータンは「森の哲人」の異名を持つように、物静かで単独行動を好みます。同じようなタイプの人たちは、あなたの身近にもいるはずです。

僕チンパンジー。ゴリラ君の助けが必要です

では、本の中身を少しだけご紹介しましょう。
まずはいくつかのテストを行います。これは「このような状況のとき、どう行動するか」「このようなとき、どう接してほしいか」など、判断と行動、コミュニケーションへの要求を調べるものです。これらのテストによって、あなたがどの類人猿に分類されるかがわかります。それぞれを簡単にご紹介しましょう。

【チンパンジータイプ】

頭の回転とともに決断・行動も早く、失敗してもクヨクヨせず、前向きに成果を出していける。評価されることを求めている。

【ゴリラタイプ】

自分の利益や評価よりも、全体の秩序や調和を重んじる。冒険を嫌い、ルーティンワークを好む。ルールを破ることや、他者への敬意を欠いた言動には怒りを表す。

【オランウータンタイプ】

職人気質の一匹狼。状況を把握して、自分が納得した上で行動したいタイプ。干渉を好まず、親しい人からも一定の距離を置きたがる。

【ボノボタイプ】

理論ではなく、感情や主観によって行動する感覚派。感情表現が豊かで、他者との共感を求めるため、チームの中ではムードメーカー的な存在。

あなたにも思い当たるところがあるのではないでしょうか? こうして分類した4つのタイプへの接し方、組み合わせ方によって、個々の力を引き出し、さらにチームの能力を高めようというのが、類人猿分類という方法です。
ちなみに、個人プレーに走りがちなチンパンジーは、堅実なゴリラをサポート役につけると、安定したチームプレイで「いい仕事」ができるそうです。

個の力を引き出し、チームの能力を上げる

類人猿分類は、広島県福山市に拠点を置く総合食品企業「エブリイグループ」で生まれました。誕生の経緯にも興味深いものがありますが、やがてそれは体系的にまとめられ、洗練されていきます。
この分類法の特徴的な点は、単なる性格診断ツールではないということです。個々の性格を言い当てておもしろがるだけのものではありません。
このツールを使えば、例えば「チンパンジータイプはどんな言葉でモチベーションがアップするのか」とか、「ボノボタイプはどのような部署で力を発揮するか」というような、それぞれの能力を引き出す方法が見えてきます。
さらには、「この部署には誰と誰を組み合わせるか」「このプロジェクトを進める上で最高のパフォーマンスを発揮するチームメンバーは」などなど、複数の人材の組み合わせに対しても応用が利くでしょう。
つまり、人材個人の能力を引き出し、チームとしてのパフォーマンスを点検し改善する、人材活用ツールとして機能するのです。

応用が利く人材マネジメントツール

人事担当者にとって、人材配置は頭を悩ませる大きな問題です。また、現場でもコミュニケーションに関する問題は起こっています。
「チーム全体の成果が今ひとつ伸びない」「チームメイト間のコミュニケーションがぎくしゃくしている」「各自のモチベーションがなかなか上がってこない」。
それらの問題は、もしかしたら職場の環境が原因かもしれませんし、個人の能力が原因なのかもしれません。ですが、複数のスタッフでひとつの仕事にたずさわっていくのですから、人材マネジメントのミスマッチやコンフリクトが起こっていることも十分に考えられます。
そんなとき、この類人猿分類はとても役立ってくれます。例えば、社員全員に事前にテストを受けてもらい、それぞれのタイプを把握しておけば、適材適所の人材配置ができますし、個々の能力が最大限に発揮され、モチベーションも上がるという好循環に乗せることができます。
エブリイグループでは実際にそうした手法でこの分類を活用し、中核であるスーパーマーケット事業を行う株式会社エブリイは、15期連続2桁増収、8期連続増益など、驚異的な成果を上げています。
この類人猿分類は、企業はもちろん、複数の人が顔を合わせるあらゆる場面で役立ちそうです。そのエッセンスをくみ取って、仕事や日々の生活に役立ててみてはいかがでしょうか。

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