観察と観察するための目をもつこと
先週、何か新しい趣味を見つけたいと思いデッサン教室に行ってきました。
現役芸大生が、約1.5時間デッサンの基礎を教えてくれるというもの。自宅から1時間かかる大井町にアトリエがあるため、移動時間の方が長いことは申し込んでから気が付きましたが、そんなことは気にならないほど興味深い時間でした。
そもそもデッサンとは、「対象物をよく観察して本物のように描くこと」を指すようです。つまり、①ものを観察する、②ものを描くという2つのステップが存在することになります。
まず、①観察のパートでは、ライトを当て陰影ができるようにして対象物を観察します。今回はベタにリンゴをデッサンしたのですが、ライトをつけると昼間とは思えないほどしっかりと影がつき、何もしていない状態と比較すると、かなり「本物らしく」描けるような気がしてきます。
しかし、実際に鉛筆持つと驚くほど描けないことに気が付きます。そこに影があるのはわかるけれども、その陰はどこから始まっているのか、反対にどこに光が当たっているのか「わかる」けども「わからない」のです。
そんな中、講師の方が「稜線」という原理を教えてくれました。これは、物体には必ず、陰になっている箇所と、光が当たっている箇所がありこの箇所の境目が最も濃い色になっているという原理を指します。そのため、デッサンではこの「稜線」が最も暗くなるように注意をしながら描くという鉄則があるそうなのです。その概念を知ったうえでリンゴを観察すると、陰のはじまりはもちろん、陰の濃淡にまで目が届くようになります。
「稜線」は一つの例ですが、ものごとを観察し認知をするうえではもともと持っている感覚に+αの知識や概念を持っていることで、解像度がぐっと高まります。
私自身も様々な方のお話をお伺いしますが、ご自身のキャリアの素晴らしさに気が付いていない方も多くいらっしゃる中で、キャリアにおける解像度を高めるお手伝いができれば嬉しく思います。