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サーバントリーダーシップとは?これからの企業活動における重要性

サーバントリーダーシップとは?これからの企業活動における重要性

研修や面談などを行っても社員のモチベーションが上がらないようなら、上司や管理職にあたる社員のサーバントリーダーシップが足りていないのかもしれません。
サーバントリーダ-シップとは、まずは相手に奉仕することで信頼関係の構築や共同体意識を高め、社員の自主性や成長を促すリーダーシップ哲学です。

今回は、サーバントリーダーシップの特徴や企業における重要性、導入ポイントなどをご紹介します。

サーバントリーダーシップとは?

企業内でのリーダーシップにはいくつかの種類があります。まずは支配型のリーダーシップです。
これは1人の絶対的なリーダーがいて、そのリーダーが指示や命令を与えてチームを動かしていきます。リーダー自身もプレーヤーとなり、業務に打ち込みつつ部下たちの業務の管理を行わなければなりません。非常に高い能力や知識、経験が要求されます。
支配的リーダーシップは、リーダーがあまりにも指導力を発揮してしまうため、
・ 部下の能力が伸びず周りの人が疲弊してしまう
・リーダー以外のメンバーが受け身で仕事をしがちになる
という弊害もありました。

そんな支配的リーダーシップの対極にあるのがサーバントリーダーシップです。「サーバント」とは「召使い、使用人」という意味で、支援型リーダーシップとも呼ばれています。リーダーはほかのメンバーに対し、奉仕の気持ちを持って接する必要があります。部下を支えること、自分の成果ではなくチームの成果を第一にするリーダーが必要とされているのです。

サーバントリーダーシップでは、リーダーがどうすればチームのメンバーの能力を最大限引き出せるかを真剣に考えます。メンバーの話をしっかり聞き、共感し、思いやりの心を持って部下の成長をバックアップしていきます。これによりチームのメンバーは受け身の仕事ではなく、自分から主体的に行動して目標を達成しようと動かされるのです。
自分をある程度犠牲にしても、部下の目標達成、成長、自己実現を後押しできるリーダーこそ、サーバントリーダーシップのある社員といえるでしょう。

サーバントリーダーシップが企業で重要になる理由

これまで支配的リーダーシップで成功を収めてきたはずなのに、なぜ今はサーバントリーダーシップが必要とされているのでしょうか。
その1つ目の理由は、働き方の多様化です。以前は終身雇用制で上司からいわれたことを部下がこなしていれば徐々に昇進していき、それまでの業務を繰り返すことである程度の成果が得られていました。

しかし現在では、個人の能力や経験、知識がより重視されるようになりつつあります。こうした多様な人材を適切に評価するためには、各自の能力を適切に把握しなければなりません。
そのためにサーバントリーダーシップによって、各社員の能力を最大限に引き出せるリーダーが必要となっているのです。
これまで行われていたさまざまな業務を機械がこなすようになってきたことも関係しています。従来の業務をただ繰り返せばよい時代は終わり、創造的でアイデアに溢れたアプローチが必要です。

サーバントリーダーシップによって、より革新的な、これまでにない業務や課題の解決方法を見つけ出すことができれば、企業の業績に良い影響を与えることは間違いありません。
支配的リーダーシップでは決して生み出すことのできないものを、サーバントリーダーシップは生み出すことができるのです。

サーバントリーダーシップを導入する際のポイント

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サーバントリーダーシップを導入する際の大きなポイントは、企業の経営者自身が顧客と従業員の満足度を最重要視することです。サーバント、つまり顧客と従業員に奉仕する精神を持てるかどうかがカギとなります。
サーバントリーダーシップを導入して成功を収めている企業の多くは、現場をよく知る従業員を組織のトップに位置づけ、いかに従業員の満足度を向上させるかに注力しています。
もちろん従業員の言う事をすべて受け入れるわけではありません。企業の方針や企業理念は経営者が決定し、従業員に間違いがあれば恐れずに指摘します。

しかし経営者の理念を現場に押し付けるのではなく、現場を働きやすくすること、従業員の声に耳を傾けることによって、従業員の士気を高め主体的に行動してもらえるようになるのです。企業によっては社員が第一、顧客が第二という経営方針を掲げているほどです。

社員を支える経営者、部下を支える上司という構図こそ、サーバントリーダーシップの真髄なのです。

サーバントリーダーシップで働きやすい環境作りを

サーバントリーダーシップを持つリーダーがいれば、社員は安心して働くことができます。自分の言い分が理解されている、必要であれば自分の希望が実現されることを知っているからです。
支配的リーダーシップだった企業がサーバントリーダーシップに変えるには、かなりの労力と時間がかかることでしょう。それでもサーバントリーダーシップを導入することで、時代に合った働き方を実現できます。
サーバントリーダーシップを導入して、社員がやりがいを感じられる環境作りを築き上げていきましょう。

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