約3割が「業務上の相談は上司より生成AIへ」と回答/生成AIのビジネス活用状況レポート
プロフェッショナルバンクに登録しているハイクラス人材(平均年収1,197万円、平均年齢47.3歳/2024年1月現在)を対象に、『生成AIのビジネス活用状況』についてアンケートを実施いたしました。(実施期間:2024/1/23~31 回答数:769名)
アンケートの結果、ハイクラス人材は生成AIのビジネス活用に対して概ね好意的であることが明らかとなりました。ハイクラス人材が生成AIを活用している割合は?満足度は?そして生成AIと人間を比較した各種の優位性は?など、下記1~5で詳細に解説を行ないます。
目次
生成AIを業務で活用している人は約半数
まず初めに、生成AIの業務での活用割合についてご紹介します。
Q:現在、生成AIを業務で活用していますか?
全体の45%が生成AIを業務で活用していると回答しました。生成AIはハイクラス人材に広く普及していると言えるでしょう。なお、活用していない人の理由は「よくわからないから手が出ない」(39.0%)「生成AIを使ってやりたいことがない」(21.7%)などが多く見られました。
また、年代別に見ると、概ね年齢が上がるほど割合が低くなってはいるものの、60代以上でも約4割が活用しており、幅広い年代に満遍なく普及していることがわかります。
Q:今後、生成AIを利用する可能性はありますか?
生成AIを活用していないと回答した人に、今後の利用可能性について聞いたところ、約8割が利用する可能性があると回答しました。利用しないとした回答者は全体の約1割のみという結果となり、現在活用している人を含め、大半が高い利用意向を示していることがわかりました。(活用していない人:423名)
ツールはChatGPT、用途は文章の校正・編集が最も多い
次に、生成AIの利用ツールと用途についての調査結果をご紹介します。
Q:利用している生成AIを教えてください。(複数回答可)
活用している人の8割以上がChatGPTを使っており、GPT-4も有料にもかかわらず約3割の人が利用しています。Bing AIとCopilotも含めたMicrosoft社が関連するツールを1つも使っていない人はわずか3%のみと、Microsoft社が圧倒的な地位を築いていることがわかりました。(活用している人:346名)
Q:生成AIの用途を教えてください。(複数回答可)
活用している人の約3分の2が「文章の校正・編集」に使っていると回答しており、「疑問点の解決」「新しいアイデア・戦略の創出」と続きます。また、プログラミングコードや画像・音声・動画の作成をするという上級者も一定数いました。(活用している人:346名)
全体の3分の2以上が生成AIに満足
次に、生成AIに対する満足度、課題についての調査結果です。
Q:生成AIの満足度を教えてください。
活用している人の3分の2以上が満足していると回答し、不満があると答えたのは1割ほどにとどまりました。生成AIの活用は概ね期待どおりか、それ以上の成果があると言っていいでしょう。(活用している人:346名)
生成AIと人間の比較ではまだ人間が優位
次に、生成AIと人間の優位性のついての結果をご紹介します。
「生産性」、「新しいアイデアや解決策の提案能力」、「業務上の相談相手」の3点で生成AIと人間を比較してもらいました。(活用している人:346名)
Q:あなたが生成AIへ依頼する業務において、生成AIと人間を比較し、どちらがより高い生産性を発揮できると考えますか?
生産性では、生成AI優位と回答した人が7割を超え、既に人間を上回っていると言えます。
Q:生成AIと人間を比較し、新しいアイデアや解決策の提案能力において、どちらがより優れていると考えますか?
新しいアイデアや解決策の提案能力では、人間優位と回答した人が7割を超え、まだ人間のほうが優れているという評価でした。
Q:業務上の相談相手として、生成AIと上司・同僚のどちらが適していると考えますか?
業務上の相談相手としても、人間優位と回答した人が7割を超えましたが、コミュニケーションでも生成AI優位と回答した人が約3割もいたことは驚きの結果と言えるのではないでしょうか。
おすすめの使い方、今後期待していること
最後に、生成AIのおすすめの使い方、今後期待していることに対する回答から、いくつかを抜粋してご紹介いたします。(活用している人:346名)
【おすすめの使い方】
・スピーチや挨拶文を考えてもらう。
・Excelでやりたいことを文章で書くと、関数やマクロを作成してくれる。
・英訳しやすい日本語で指示をするとアウトプットの精度が上がる。
・イメージ画像の作成。ロケやスタジオによる撮影の手間が削減できる。
【今後期待していること】
・回答内容の出所が表示される。
・時間指定で作業をしてくれる。
・作業を撮影した動画を読み込むと同じ作業をしてくれる。
・人事評価など、人間関係に軋轢を生むものを人間の代わりにやってくれる。
・自分の個性を付加できるようになる。
まとめ
今後、生産年齢人口が減少していく中で、生産性の向上は避けては通れない命題です。
本アンケートでは、生産性の面では既に生成AIは人間を上回っていると評価されています。一方、アイデア創出や相談相手としてはまだ人間のほうが優れているという評価ですが、これも今後生成AIの機能向上と使う側の人間のスキルアップによって、逆転する未来もそう遠くないと考えられます。
これから益々ビジネスで重要な役割を果たすことになるであろう生成AIをいかに使いこなすかが、ビジネスパーソンとしての重要な能力指標の一つになっていくのではないでしょうか。