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オンボーディング施策が中途採用者の定着率アップに効果的な理由

オンボーディング施策が中途採用者の定着率アップに効果的な理由

企業の人手不足が深刻化している現在では、新入社員であれ中途採用の社員であれ、いかに離職率を下げるかが重要な課題です。特に中途採用者は即戦力として採用していることが多いので、定着率を上げることで会社の業績を高めることも可能になるでしょう。

ここでは、中途採用者の定着率アップのために効果的だと考えられているオンボーディング施策についてご紹介します。オンボーディング施策とは何かだけでなく、企業がどのようにオンボーディング施策を講じていくべきかについても知ることが重要です。

オンボーディングは新規社員が組織に順応し能力を発揮できるようにする施策

オンボーディングとは、新規に採用した社員に対して、できるだけ早く組織に溶け込んで能力を発揮できるようにする企業の施策のことです。
中途採用者は新たに就職した会社のやり方、物事の進め方について何も知らない状態です。新入社員であれば研修が行われますが、中途採用者に対して研修が行われることはなかなかありません。企業側から何のサポートもなければ、いかに優秀な人材であっても自分の能力を発揮するまでにかなりの時間を要することでしょう。仕事の進め方やシステムの使い方などについてしっかりと研修などがあれば、それだけ早く仕事に慣れて本来の能力を発揮しやすくなります。

さらに、オンボーディングが注目されている背景には、新入社員の離職率の高さ、中途採用者の定着率の低さもあります。現在では自分に合った仕事が見つかるまで転職することも珍しくありませんが、企業としてはせっかく資金を投入して採用したのにすぐ辞められてしまっては業績にも響きかねません。オンボーディングによって新規社員を手厚くサポートし、素早く戦力化することは重要です。

オンボーディング施策の重要性

オンボーディング施策には多くのメリットがあり、すべての企業が意識して行うべき手法となりつつあります。
オンボーディング施策によるメリットのひとつが、中途採用者の即戦力化です。新入社員が戦力になるまでにかかる時間は1年程といわれています。以前同業種で働いていた中途採用者の場合はこれよりも早く戦力になることが期待されますが、順応に時間がかかることもあります。ですが、オンボーディング施策ならより早く即戦力化を目指すことが可能です。

各企業には独自のルールやシステムが存在するため、オンボーディングでルールやシステムの説明が行われれば中途採用者が企業に慣れやすくなるのです。さらに、オンボーディングでは中途採用者の定着率を向上させることができます。

まず即戦力化によって企業に貢献しているという意識が高まれば、社員自身の承認欲求が満たされ、やりがいを見出せるようになるでしょう。加えて、オンボーディング施策では社員の企業に対する愛着を高めることもでき、より長く働いてもらうことに繋がります。

オンボーディングによって部署内のコミュニケーションを円滑に進めることも可能になります。社員の離職の主な原因となるのが「職場の人間関係」です。部署内のコミュニケーションが活発であれば人間関係によい影響を及ぼし、結果として離職率の低下・定着率の向上に繋がるのです。

当然ですが、定着率が向上すれば採用にかかる費用も削減可能になります。求人サイトへの広告、会社説明会、ホームページの作成など求人・採用にはかなりの費用がかかります。オンボーディングによってこれらの費用を圧縮・削減することができるのは、大きなメリットといえるでしょう。

オンボーディング施策のポイント

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オンボーディング施策を行うポイントは数多くありますが、まず意識すべきなのは入念な準備です。特に「思っていた仕事と違った」「やりがいが感じられない」などの理由で離職する社員が多いのであれば、それに特化した対策を講じる必要があります。
例えば、中途採用の面接ではどのような仕事が期待されているかしっかり説明すること、入社前のオリエンテーションを開催することなどが考えられるでしょう。企業側としても何らかの目標を設定して、オンボーディング施策のプランを立てていかなければなりません。

オンボーディング施策は継続的に行っていかなければならないので、入社した日、1週間後、1ヵ月後、3ヵ月後、半年後など、ある程度のスパンでどんなオンボーディングを行うか決めていきます。

加えて充実したマニュアルの提示、仕事にやりがいを感じられるようにするための目標設定、定期的な面談の実施など、企業としてできることは非常に多くあります。部署間のコミュニケーションを密にして横の繋がりを増やすことも、社員がやりがいを感じることに繋がります。

オンボーディング施策の効果を高めるには

ある程度の費用をかけてオンボーディング施策を行う場合、できるだけ高い効果を得たいと考えるのは当然のことです。オンボーディング施策の効果を高めるためには、やはり継続的な実施が不可欠です。
入社前のオリエンテーションを行っても、入社後のサポートがなければ定着率を上げることはできません。特に中途採用者の場合、仕事のやり方や人間関係に悩んでしまうことも多いので、すぐに相談できるカウンセリング窓口を設置することは効果的です。

加えて定期的にオンボーディング施策の効果を確かめることもできるでしょう。社員へのアンケート調査を実施して、さらにどのような点でオンボーディング施策が必要かを見極められます。

オンボーディング施策でより結束力のある会社に

オンボーディング施策は新入社員、中途採用者を問わず、会社に馴染み能力を最大限発揮するためにどうしても必要なものです。必要な人材を確保し、業務を円滑に進めるためにも、オンボーディング施策の実施を検討してみましょう。

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