【人事向け】ニューノーマルとは?コロナ時代の経営・働き方について

【人事向け】ニューノーマルとは?コロナ時代の経営・働き方について

新型コロナウイルスの流行によって、「ニューノーマル」な経営や働き方が急速に普及しています。しかし、業務方法や内容を変革することは簡単ではなく、とくに予算的にも人的にもリソースを割きにくい中小企業では変化を起こしにくいこともあるでしょう。それでも、企業にとって「ニューノーマル」は必要なのでしょうか。

今回は、人事部や管理者向けに、新しい時代の働き方「ニューノーマル」について解説します。企業にニューノーマルが求められている背景や、ニューノーマルな働き方を自社で実現させるためのポイントもまとめて確認しましょう。

ニューノーマルとは?

ニューノーマル
ニューノーマルとは、直訳すると「新しい常態」を指します。一般常識が変化し、世間的に新しい常識が定着することを意味します。

新型コロナウイルスが流行する以前にも使われていた言葉ではありますが、パンデミックを機により強く求められるようになりました。ただし、パンデミック前後では、ニューノーマルに対する認識は若干異なります。

新型コロナウイルス流行以前のニューノーマル

そもそもニューノーマルという言葉は、世界中でネットが普及し始めた2000年代初めに使われるようになりました。ネット社会が定着することで、従来のビジネスモデルや経済イデオロギーが変化するという考えが生まれたためです。

また、リーマンショックによる世界的な金融危機の際も、ニューノーマルな時代だったとされています。金融危機が終わり、経済が回復しても元の状態には戻らないという考えから、資本主義社会から持続可能な社会にシフトしました。

新型コロナウイルス流行以降のニューノーマル

一方で、2020年に新型コロナウイルスが流行したことにより、これまでにはない規模のニューノーマル時代が到来することとなりました。

現在、ニューノーマルは、Withコロナ・Afterコロナに適応する行動を指します。感染リスクや人との接触機会を減らすことを目的とし、新しい生活様式や働き方が求められるようになっています。たとえ新型コロナウイルスの流行が収まったり、特効薬が開発されたりしたとしても、コロナ禍以前の社会に戻ることはもうないでしょう。企業にも、新型コロナウイルスによって変化し、新たな常識が定着した新社会に合わせた変革が求められているのです。

企業に求められる変化とは?ニューノーマル時代の経営&働き方

ニューノーマル
それでは、コロナ禍~コロナ禍後のニューノーマル時代には、具体的にどのような経営や働き方が必要なのでしょうか。コロナ禍において、従来の経営方針や働き方、業務方法から何も変わっていないという企業は必見です。

  • リモートワーク・オンライン研修の導入
  • インサイドセールスの導入
  • DX(デジタルトランスフォーメーション)の推進
  • 事業継続性の強化(BCP対策)
  • 従業員の健康に配慮した健康経営

企業に求められるおもな変化5つを詳しく紹介します。

リモートワーク・オンライン研修の導入

ニューノーマル時代の代表的な変化が、リモートワークやオンライン研修の導入です。人との接触機会を減らし、感染拡大を防止するために、これまで対面で行ってきたものがオンラインへ置き換わっています。

従来、企業に勤めるときは労働者はオフィスに出社することが常識でした。成果よりも業務時間や仕事ぶりを重視してきた日本企業にとって、オンラインで仕事をすることに対して抵抗を感じるケースがほとんど。そのため、ITが進歩しても、ほとんどの企業でリモートによる業務や研修に移行することはありませんでした。

コロナ禍によるニューノーマル時代において、ビジネスはオンライン化を軽視できないところまできています。オンライン化が難しいといわれてきたBtoCの市場にまで普及しており、厳しい競争社会において、業界問わず業務や研修のリモート化はぜひ検討が必要です。

インサイドセールスの導入

インサイドセールスも、ニューノーマル時代に広がっている業務のオンライン化の1つです。インサイドセールスとは、顧客の元に訪問せず、非対面で営業活動を行うことを指します。

長らく、「できる営業は“足で稼ぐ”」といわれてきましたが、ITを駆使すればオフィスや自宅にいながら、新たなビジネスチャンスを掴むことができます。顧客訪問にかかっていた時間や費用を削減できることで、より効率的に多くの顧客にアプローチすることが可能です。さらに、オフィス周辺に限らず、全国の人材を活用し、全国の顧客に営業をかけることもできます。

ニューノーマル時代では、営業活動についてもオンライン化が求められているのです。

DX(デジタルトランスフォーメーション)の推進

リモートワークやインサイドセールスの実施にあたっては、DXの推進が欠かせません。DXとは、デジタル技術によってビジネスや生活をより良いものに変容させることを指します。

DX=IT化と誤解されがちですが、DXはデジタル技術を駆使し、ビジネスモデルや組織、業務、企業文化を変革させて競争優位性を確立すること、つまり企業そのものが変容することといえます。単に、IT化を進め、チャットツール・勤怠管理システムの導入やビックデータ・AI(人工知能)の活用、業務のクラウド化などを始めるだけでは、DXが進んだとはいえないのです。

企業には、ニューノーマル時代に合わせ、企業戦略の見直しと、新たな目的を達成するためのデジタル技術の活用が求められているといえるでしょう。

事業継続性の強化(BCP対策)

これからの時代、企業には事業継続計画(BCP)を立て、不測の事態でも事業を継続できる、またはすぐに復旧して事業を再始動させられる準備も求められています。

新型コロナウイルスの流行は多くの人の期待を裏切り、急拡大・長期化しました。業務のオンライン化・IT化が進んでおらず、予算や対応、ルール作りが間に合わなかったという企業も多々あり、あらかじめ備えがあった企業との対応に大きな差が出ています。

たとえ今回のコロナ禍が終息しても、別の感染症が流行したり、地震や土砂災害など自然災害、テロなどの事件や事故が発生したりするリスクは十分にあります。企業には、不測の事態が起きても事業を続けるための事業継続性の強化が求められています。

従業員の健康に配慮した健康経営

従業員の心身の健康維持に力を入れ、従業員1人ひとりの生産性アップを図る健康経営も、ニューノーマル時代には欠かせません。

日本は超高齢化社会に突入しており、労働人口は減少、人材不足が深刻化しています。また、先進国のなかでも、日本人の労働時間は長く、働き方改革という面でも健康を保てる労働時間で、生産性を高めなければなりません。さらに、新型コロナウイルスの流行によって普及したリモートワークの場合、労働者の心身の健康状態を企業が把握しにくい現状もあります。

ニューノーマル時代では、従業員の健康管理を個人に任せるのではなく、企業が積極的に従業員の健康維持に投資をする仕組みが、企業の人材確保と生産性向上につながるのです。

ニューノーマルな働き方を実現させるための注意点

ニューノーマル
ニューノーマル時代には、経営・働き方の変革は必須といえます。しかし、単にIT化を進めたり、残業時間を制限したりするだけでは、トラブルが発生したり生産性が下がったりする可能性があります。

  • 社員同士の密なコミュニケーションを促す
  • 正しい実労働時間の記録を残す
  • モチベーション管理をして社員の状態を把握する
  • セキュリティを強化して情報漏洩のリスクに備える
  • 業務管理体制を整備する
  • 新しい働き方に合わせて人事評価制度を見直す

ここでは、ニューノーマルな経営・働き方の実現に向けて、6つの注意したいポイントをみてみましょう。

従業員同士の密なコミュニケーションを促す

リモートワークは、代表的なニューノーマルな働き方です。しかし、従業員同士がバラバラに働いていると、どうしてもコミュニケーションが希薄になりがちになります。コミュニケーション不足になると、従業員の評価が難しくなったり、従業員同士の認識に齟齬が生まれトラブルになったりします。

リモートワークでのコミュニケーションは、チャットツールやオンライン会議ツールを積極的に使用しましょう。基本として定期的なオンライン会議や、気軽なチャット利用の推進が有効です。とくにチャットツールは、メールのような業務連絡だけになりがちですが、会話をするようなカジュアルな使い方をすることで、お互いの真意を読みやすくなります。

リモートワークが普及したことから、料理やお酒のつまみを各従業員宅に配送するリモート飲み会のサポートサービスも登場しています。歓送迎会で集まれない分、従業員同士が近づける機会を提供するのもよいでしょう。

正しい実労働時間の記録を残す

従業員の実労働時間の把握は、企業の義務であり、残業代の計算や生産性の計測に欠かせません。しかし、ニューノーマルな働き方の場合、勤務開始時間と終了時間が曖昧になり、正確な実労働時間を把握できないことがあります。実際に、日本労働組合総連合会の調査では、リモートワークになってから労働時間が増えた人は5割以上にも上ることが分かっています。

正しい労働時間の把握のためには、勤怠管理システムの導入がおすすめです。勤怠管理システムを選ぶときは、勤務時間を正確に記録できる機能・給与システムと連携できる機能に注目しましょう。

加えて、就業規則を見直し、勤怠管理のルールを徹底することも重要です。残業をするときの申請方法や、業務時間や欠勤の連絡方法・連絡先の統一を遵守してもらうことで、長時間労働を防止し、正確な労働時間を記録することができます。

モチベーション管理をして社員の状態を把握する

ニューノーマルな働き方を実現するなかで従業員の健康に配慮するときに非常に重要なのが、精神面のサポートです。とくに、モチベーションの管理は、生産性に大きく影響を与えるため、企業から積極的にマネジメントする必要があります。

オフィスに出社すると、日々の様子や面談から従業員の精神状態を把握しやすく、必要であればフォローすることができます。しかし、リモートワークだと、小さな変化に気づくことが難しい一面があります。

そのため、できるだけチャットツールやオンライン会議ツールを利用して、コミュニケーションを密に取りましょう。また、従業員のストレスの大きな原因は、「仕事の質・量」「セクハラ・パワハラを含む対人関係」などが挙げられます。定期的に個人面談やアンケート、ストレスチェックを実施したり、複数の相談窓口を設けたりと、社員の状況をしっかり把握しましょう。

セキュリティを強化して情報漏洩のリスクに備える

ニューノーマルな働き方を実施する場合、自宅またはコワーキングスペースから情報にアクセスすることになります。そのため、オフィスで情報を扱うときよりも情報漏洩のリスクが高まることから、セキュリティの強化は必須と考えましょう。

業務で使うデバイスそれぞれにセキュリティを強化するサービスやソフトウェアを入れて、サイバー攻撃の脅威や機密情報の漏洩に備えます。万が一デバイスを紛失した際に位置情報を把握したり、遠隔でデータを消去したりするサービスの利用もおすすめです。

そのほか、情報を漏らさない体制づくりも必要となります。セキュリティに関する研修で従業員のITリテラシーを上げる・業務で使用するデバイスは企業が貸与する・各情報へのアクセス権を設定するなど、情報の取扱いに関するマニュアルを作成して周知しましょう。

業務管理体制を整備する

リモートワークやインサイドセールスでは、業務状況を企業側が把握することが難しいため、業務管理体制を整備し、業務状況や進捗を見える化しましょう。業務管理システムには、会計管理システムや営業管理システム、生産管理システム、採用管理システムなどさまざまあります。自社システムを開発することもできますが、既存のサービスを使うほうが低予算でスムーズに導入できます。

ただし、従業員の業務状況を把握することは重要ですが、仕事中の様子を確認したいからと、常にビデオ通話をオンさせる・過度に業務報告を義務付ける・パソコンの使用状況をチェックされるなど、従業員を監視するのはNGです。企業から信頼を感じられないと、余計にモチベーションが下がってしまい、生産性が落ちます。

業務の進捗は、業務支援システムを導入して、全体で共有したり確認できたりする程度に留めましょう。とくに管理者には、リモートワークに関する知識を周知し、リモハラの発生を防ぐことが必要です。

新しい働き方に合わせて人事評価制度を見直す

ニューノーマルな働き方を取り入れる場合、従来通りの人事評価制度では適切な評価を下せません。企業を変革させるときは、人事評価制度についても見直しましょう。

まずは従業員がニューノーマルな働き方への変革で人事評価や収入に対する不安を抱かないよう人事評価制度と賃金制度を明確にし、しっかり周知としてください。また、新しい人事評価制度を考えるうえで、社内の意識、とくに管理者の意識を変えることに注力しましょう。管理者によって評価基準が違うと、リモートワークによって正当に評価されない従業員が出てきたり、離職率の増加につながったりします。

リモートワークやインサイドセールスの割合が多い企業の場合は、勤務時間や勤務年数よりも、成果を中心に評価する仕組みづくりがおすすめです。ただし、極端に成果主義にすると、リモートワークができない業務担当者や長年貢献してくれている既存社員が不公平に感じてしまいます。そのため、業務内容や部署ごとに評価項目を変えたり、調整したりする程度がおすすめです。客観的な評価がしやすい人事評価システムの導入やAIの活用を検討してもよいでしょう。

ニューノーマルな経営・働き方への変革はすべての企業に求められている

ニューノーマル
新型コロナウイルスによってニューノーマルな働き方が注目されています。程度の差はあるものの、実際にほぼすべての企業に何らかの変革が求められています。企業の経営者や管理者、人事担当者は、コロナ禍が終息しても以前のような社会は戻ってこないことを前提に、早めにニューノーマルな経営・働き方の実施を目指しましょう。ただし、企業によって変革が必要な業務や導入に向いているデジタル技術は異なるため、実施自体は慎重に進めてください。

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