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中途採用のコスト削減のために人事担当者が行うべき4つの取り組み

中途採用のコスト削減のために人事担当者が行うべき4つの取り組み

即戦力になりうる中途採用者の獲得競争は年々激化しています。中途採用にかかる採用コストを見極め、できる限りのコスト削減を目指すことは、人事担当者として企業利益の追求を手助けすることにもつながります。今回は、助成金の活用、「リファラル採用」の導入、採用管理システムの導入といったコスト削減のためにできる取り組みを4つご紹介いたします。コスト削減の目標値は中途採用のコスト相場を元に設定すると良いでしょう。

少子化に伴って年々中途採用者の獲得競争が激化している

リクルートワークス研究所が行った調査によれば、2017年の上半期は前年に比べて「中途採用で人材を確保できた」企業の割合が「5.6%」減りました。[注1]

また、「(確保できた企業)-(確保できなかった企業)」で求める「中途採用確保D.I」が、過去5年間における調査の中で初めてマイナスを割り込み「-4.2%ポイント」となりました。[注1]

このように、中途採用者の獲得競争は年々激化しています。少子化の流れを考えれば、今後採用がますます難しくなっていくことは想像に難くありません。コストのかかる従来型の採用を、抜本的に見直す必要性が高まっています。

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中途採用のコストを減らすためにできる4つの取り組み

具体的に、中途採用のコストを減らすために人事担当者ができる取り組みを4つご紹介します。

1.助成金を活用して採用コストを削減
厚生労働省の「労働移動支援助成金(中途採用拡大コース)」では、中途採用率を向上することで50万円の助成金が受給できます。

他にも、35歳未満の人材をトライアル雇用すれば、1人あたり最大5万円の助成を受け取れる「トライアル雇用助成金」(3ヶ月間)、高齢者・障害者・母子家庭の母などを雇用することで利用できる「特定求職者雇用開発助成金」など、利用できる助成金はいろいろとあるのです。

2.採用コストの少ない「リファラル採用」の導入
社員に知り合いや知人を紹介してもらう「リファラル採用」の導入も、中途採用のコスト削減には効果的です。リファラル採用は、中途採用者とのミスマッチを防いで大規模な広告費がかからないという点が最大のメリット。

GoogleやFacebookをはじめ、米国では85%以上の企業で採用されています。[注2]
国内でも中古品の売買で急成長を遂げた「メルカリ」が導入するなど、ベンチャー企業を中心に少しずつ浸透しつつある取り組みです。

ただし、単にリファラル採用をはじめたと社内に喧伝しても意味はありません。知人を紹介する金銭的なメリットを具体的に示したり、勧誘する際の文面をテンプレート化して人事から提供したりするなど、社員が気軽に制度を利用できる下地をつくる必要があります。

3.選考辞退を防ぐために迅速丁寧な対応を徹底
選考辞退が続いてしまうと、人材採用のためにかけたコストが無駄になってしまいます。

「エン 人事のミカタ」によるアンケートでは、選考辞退の理由として「採用条件のミスマッチ」や「ネット上での不評」「企業側の対応が悪かった」などの点が挙げられています。[注3]

選考辞退を少しでも減らすためには、応募者に対する連絡はこまめに、問い合わせの返事は迅速に。面接の時間帯や場所は複数用意して選択の余裕をもたせるなど、人事担当者は中途採用者に対するマナーと丁寧な対応を徹底しましょう。

4.採用管理システムで自社の採用を効率化
中途採用者の獲得競争激化に伴い、多くの企業が人を「選ぶ」側から「選ばれる」側になっているのも事実です。

ユーザビリティーの低い求人ページや採用システムを使っていれば、ライバル企業には勝てません。即戦力の中途採用者を確保するためには、より個々に合わせた選考が必要です。

大量のデータを管理し、面接の担当者との相性や的確な質問などを一括管理できる採用管理システムは、費用対効果の高い採用の補助ツール。システムを活用して採用フローを効率化し、採用コストの削減につなげましょう。

中途採用のコスト相場を参考にコスト削減の目標値を決める

マイナビが行った「2014年中途採用状況調査」のデータによると、職種別に見た1人あたりの採用コストが最も高いのは「メカトロ関連技術職」の「64.39万円」、最も採用コストが低いのは「技能工・運輸・設備関連職」の「19.36万円」。[注4]
業種が違うだけで、中途採用コストに約3.3倍もの差が出ています。

転職市場において、採用活動にかけられるコストの多さは、イコール優秀な人材を獲得できる可能性の高さとも言えます。
人事担当者は、中途採用のコスト相場と見比べた上で、現実的なコスト削減の目標値を決めると良いでしょう。

[注1]リクルートワークス研究所より:中途採用実態調査(2017年上半期実績、2018年見通し)[pdf]  http://www.works-i.com/pdf/180202_midcareer.pdf
[注2]リクルートワークス研究所より:米国の社員リファラル採用のしくみ[pdf]   https://www.works-i.com/pdf/r_000297.pdf
[注3]エン 人事のミカタより:面接前の辞退(ドタキャン)に関するアンケート     https://corp.en-japan.com/newsrelease/2015/2968.html
[注4]マイナビニュースより:2014年中途採用状況調査      https://news.mynavi.jp/article/tensyoku2014-1/

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