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パルスサーベイの導入が従業員の離職対策に効果的な理由

パルスサーベイの導入が従業員の離職対策に効果的な理由

企業の経営者や人事担当者の方であれば、社員の離職を防ぎできるだけ長く勤務してほしいと願っていることでしょう。そのためには、社員や従業員の満足度を的確に把握しなければなりません。従業員満足度を測るのは簡単なことではありません。近年注目を集めている調査方法が「パルスサーベイ」です。今回はパルスサーベイのメリットや注意点などを見ていきましょう。

パルスサーベイとは

パルスサーベイとは、ごく短時間の意識調査を高頻度で行う従業員満足度調査です。パルスとは「脈拍」を意味し、健康チェックで脈拍をチェックするのと同様、簡単な設問で頻繁に従業員満足度調査を行います。従業員が不満を抱く兆候を、素早く見極めることが可能です。
パルスサーベイは毎週もしくは毎月、社員が1分から5分程度で回答できる10問程度の設問を用いて行います。調査は毎週もしくは毎月と頻回ですが、設問数が少ないため、運用担当者も無理なく実施できるでしょう。

パルスサーベイのメリット

パルスサーベイの実施には、多くのメリットがあります。
1つ目のメリットは、手軽に従業員満足度調査が行える点です。調査を受ける従業員側も10問程度の設問なので回答しやすく、集計する側もクラウドを活用することで負担を減らせます。
2つ目のメリットは従業員満足度がリアルタイムで分かる点です。先週は従業員満足度が高かったのに、今週は大きく下がっているかもしれません。毎年の調査では、従業員満足度の変化に合わせたシステム・給与の調整は難しいでしょう。しかし毎週行うパルスサーベイであれば、従業員満足度の変化に敏感に気付けるため、対策も打ちやすくなります。

会社・部署としてだけでなく、従業員一人ひとりの心の状態の変化に合わせて対処できるでしょう。対策を講じたあとの変化や効果を測るのにも非常に便利です。

パルスサーベイにはコストパフォーマンスがよいというメリットもあります。年に一回行う大規模な調査を専門機関に依頼すると数十万円単位の費用がかかります。従業員満足度の把握にも対策にも時間が必要です。パルスサーベイは自社が設定した10問前後の質問で行えるため、低コストで実施できます。

パルスサーベイの方法

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パルスサーベイを導入するためには、4つの段階があります。
1つ目は質問項目の設定です。質問項目は、業種や労働形態によって異なります。「仕事量は適切か」「経営者に対して希望はあるか」「役割分担に満足しているか」「仕事をしていて楽しいか」といった基本的な質問が入ることでしょう。設問によってパルスサーベイの効果が大きく変わります。調査内容の決定は慎重に行ってください。

2つ目のステップは調査の実施です。従業員の多くが質問に回答してくれなければ、適切な調査とはいえません。実施の際、調査に関する決まりごとの周知が非常に重要です。いつ調査が行われるのか、いつまでに回答しなければならないのかを必ず知らせてください。社員がメールチェックをする朝の時間帯、比較的時間に余裕のある昼休憩などに合わせて調査を行えば、回答率の向上にもつながります。

3つ目は、回答の分析です。調査終了後はできるだけ早く回答を分析します。従業員の満足度が高い部分と低い部分を調べます。以前の結果を踏まえた調査であれば、対策の効果が見られるかどうかもあわせて確認しましょう。

4つ目は対策の検討と実行です。調査の結果、よかった部分は継続するため、もしくは向上させるための対策を、悪かった部分は改善するための対策を講じるようにしましょう。これでパルスサーベイを効果的に実施できるのです。

パルスサーベイの注意点

パルスサーベイを実施するうえで、注意すべき点がいくつかあります。1つはマンネリ化です。同じ質問を繰り返していると従業員も回答するモチベーションが低くなってしまいます。結果として回答率の低下につながるため、必要であれば設問を変え、回答率を高めるために調査の時間帯などを工夫するようにしましょう。
調査結果がどのように用いられるかを周知することも重要です。調査結果が人事評価に関係するとしたら、従業員から率直な意見を引き出すのは難しいでしょう。匿名での調査であることや、調査結果の使われ方をはっきり知らせ、従業員が安心して回答できる環境を整えてください。

パルスサーベイで組織改革をしよう

パルスサーベイを行えば従業員満足度が分かるだけでなく、組織の問題点が浮き彫りになります。組織の問題点を改善すれば、会社は従業員にとっても魅力的な場所となり、より会社への忠誠心が芽生えることでしょう。優秀な人材を会社に引き留め、離職率を下げるために、パルスサーベイは非常に役立つ手法なのです。

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