人事ねた

キャリアデベロップメントプログラムの導入が会社の明日をつくる

キャリアデベロップメントプログラムの導入が会社の明日をつくる

社員にいつも同じ業務をしてもらうだけでなく、より高いスキルや資格を身に着けて欲しいと考える企業は少なくないことでしょう。社員がより高いスキルを身に着けられれば、会社への貢献度もさらに高くなります。しかし、社員が描くキャリアと、企業が求めるキャリアの間に乖離があると、社員のモチベーションにも大きく影響してしまいます。そこで、企業にとっても、社員にとっても非常に重要な「キャリアデベロップメントプログラム」について考えてみましょう。

キャリアデベロップメントプログラムとは?

キャリアデベロップメントプログラムとは、社員のキャリアや能力開発を行うためのプログラムのことです。キャリアデベロップメントプログラムは短期的なものではなく中長期的なもので、会社が求める理想の社員を獲得するために非常に重要なプログラムです。
企業は社員がよりスキルアップするため、より能力を高めるために、どんな支援が必要かを見極めて実施していくことができます。それとともに、社員が描く将来のキャリアと企業が求める理想の社員との隔たりを埋めるのにも役立ちます。これは社員の仕事に対するモチベーションを高めることにも繋がります。

キャリアデベロップメントプログラムのメリット

キャリアデベロップメントプログラムには、企業にとっても社員にとっても大きなメリットがあります。まず挙げられるメリットは、社員のエンゲージメント、つまり会社への愛着が向上することです。
キャリアデベロップメントプログラムによって、社員はかなり早くから自分が会社にどのように貢献できるのか、どのような目標を設定したらよいのか、自分が描くビジョンがどのように会社に役立つのかなどを認識することができます。社員と企業との間に信頼関係が生まれるため、やりがいを感じやすくなるでしょう。

こうした信頼関係は社員の離職率の低下というメリットも生み出します。自分のキャリアプランを会社が応援してくれる形になるので、会社と一緒に目標を実現するという一体感が生まれます。社員にとって非常に魅力的な企業、職場となるため、仕事に打ち込むモチベーションとなるでしょう。

加えて、企業側は人材をどこに配置したらよいのかをさらに見極めやすくなり、適材適所を実現できるでしょう。自分が実現したいキャリアを企業がサポートしてくれるため、社員はより一層やる気を持って業務を行うことができます。

キャリアデベロップメントプログラムの導入方法

83d4c960f75c5bc080cbce2ba408e9c8
非常に多くのメリットがあるキャリアデベロップメントプログラムを導入するには、まず準備が必要です。この準備には社員一人ひとりの適性や希望を見極めることが含まれています。社員へのアンケートやヒアリングを行って、どのようなキャリア形成を望んでいるかを知るようにしましょう。
次に企業としてのニーズを見極め、社員の希望と照合します。ここでキャリアデベロップメントプログラムのもっとも重要な部分、企業と社員の希望するキャリアの差異を無くすことができます。しっかりとヒアリングを行うことで希望やニーズをすり合わせるようにしましょう。このすり合わせが行えれば、研修制度や教育制度を充実させ、組織として人事などの対応を取ることができます。

社員が希望する資格を取得するための支援制度を作ったり、研修の内容に技能を高めるプログラムを組み込んだりできるかもしれません。さらに、やる気のある社員をより重要なプロジェクトを担当している部署に配置換えすることも可能です。社内フリーエージェント制度を導入している企業も少なくありません。キャリアデベロップメントプログラムを実施したなら、定期的に方向性のチェックを行い、効果的にプログラムが進行しているかを確認すべきです。

キャリアデベロップメントプログラムの課題

キャリアデベロップメントプログラムは企業にとっても社員にとってもメリットの大きい手法であるように思えますが、課題も多くあります。その点もしっかり理解したうえで、キャリアデベロップメントプログラムの導入を決めるようにしましょう。
まずキャリアデベロップメントプログラムは、社員が長期間会社に留まってくれるという仮定の下に導入されるものです。現在では転職する人も非常に多いため、キャリアデベロップメントプログラムにこだわりすぎると優秀な人材を逃すことになりかねません。キャリアデベロップメントプログラムは雇用の流動性を考慮して組む必要があるでしょう。

次に問題となるのは人事評価制度との整合性です。現在では会社への貢献度によって人事評価が行われることが多いので、キャリア形成に力を注いでいる社員が正当に評価されていないと感じることがあります。社員のモチベーション低下にも繋がりかねないので、キャリア形成が人事評価に反映されるようなキャリアデベロップメントプログラムを構築する必要があるでしょう。

もしAIによる配置転換を導入しているのであれば、キャリア形成に励んでいる社員が適切に評価されないことがあることも覚えておきましょう。キャリアデベロップメントプログラムは、最新の技術や状況に合うようなフレキシブルさが求められているのです。

キャリアデベロップメントプログラムで会社の明日を切り開く

キャリアデベロップメントプログラムは、すぐに成果が出ないとしても、会社にとって必要な人材を育てるのに不可欠な手法です。これから何十年にもわたって継続的に業績を伸ばしていきたいのであれば、キャリアデベロップメントプログラムによる人材育成に力を注ぐようにしましょう。キャリアデベロップメントプログラムが会社の明日を切り開くカギなのです。

関連記事としてこちらも併せてご覧ください

キャリア自律とは?組織が今すぐ促進すべき3つの方法

こんな記事も読まれています