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社員研修でのアサーショントレーニング導入の必要性

社員研修でのアサーショントレーニング導入の必要性

ビジネスマンにとって理想的なのは、相手の意見を尊重しつつも自分の意見を主張する姿勢です。
そうしたビジネスマンの姿勢を社員に学んでもらうためには、社員研修を利用するのがもっともよい方法といえるでしょう。
社員研修にアサーショントレーニングを導入すれば、社員一人ひとりが適切な自己表現を身に付けられます。
こちらでは、アサーションについて解説し、さらにアサーションがどのようにビジネスシーンで重要になるのかについてお伝えいたします。

アサーションとはお互いの意見を尊重しながら自己表現するコミュニケーションスキル

アサーションは、ビジネスシーンにおいて、自分と相手の双方の意見を尊重しながら自己表現を行うコミュニケーションスキルです。
アサーションは、もともと医療用語として使われ始めた言葉で、「自己主張」と定義されます。
しかし、1970年代頃の公民権運動の影響を受けて徐々に意味合いが変化してきており、現在では「自他尊重の自己表現」という意味で用いられることが多くなっています。
ビジネスシーンでは自分の主張を相手に知ってもらうことは必要不可欠です。
しかし自分の主張ばかりを通そうとすると軋轢が生じ、コミュニケーションがうまくいかなくなってしまいます。
一方で相手の主張ばかりを受け入れていると、取引先とよい関係を築くのは難しくなるでしょう。
そこで、自分の意見も相手の考えも尊重しつつ、自分の主張を行うアサーションを身に付けることが、ビジネスパーソンにとって必要なのです。

アサーションの3つの種類

アサーションは非常に高度なコミュニケーション能力であるため、実際に身に付けるのは簡単ではありません。
人にはそれぞれ異なる自己主張の方法があり、それは主に下記の3つにパターン化されます。
*アグレッシブ
*ノン・アサーティブ
*アサーティブ

アグレッシブは攻撃的なタイプです。
自己主張が強く、相手に対して常に優位に立とうとします。さらに自分の主張を通すために、ときに悪意をもって行動します。精神的な幼さが見られるタイプです。

ノン・アサーティブは非主張タイプです。
このタイプは自己主張が苦手で、物静かな性格であることが多いです。ビジネスシーンでは言い訳をすることも多く、優柔不断なので何かの決定を下すときに時間がかかります。

アサーティブは理想的なコミュニケーション能力を持つタイプです。
自分の主張は行うものの相手を傷つけず、場の空気を壊すことなく円滑なコミュニケーションを誘導できます。アサーティブな人は、組織の中でも重宝される人材といえるでしょう。

ビジネスにおいて、よい人間関係を構築しながら仕事の効率をアップさせるアサーションは重要

アサーション2
ビジネスシーンで、よりよい人間関係を構築しながら仕事の効率をアップさせるためには、アサーションが重要です。
たとえば取引先と交渉している場合、相手の利益と自社の利益を両立させなければなりません。相手の条件ばかりを受け入れていては利益を上げることはできませんし、自社の利益を追求しすぎると契約を結ぶことはできないでしょう。
さらに会社内においてもアサーションは重要です。職場では年齢や立場、性格、背景の異なる同僚や上司、部下と接しなくてはなりません。良好な人間関係を築いて職場の雰囲気をよくしていくためにはアサーションが不可欠です。
とかく部下や後輩の立場の方は、上司や先輩の命令や指示に「ノー」といえず精神的に不調をきたしてしまうこともあります。こうした場面においては、自他を尊重しつつ主張を伝えられるアサーティブであることが重要なのです。

アサーションのトレーニング方法

アサーションは誰でもすぐに身に着けられるものではありません。
そのため社員研修などを利用して、社員にアサーショントレーニングを行いましょう。
まず1つ目のアサーショントレーニングの方法が、「アイメッセージ」です。
これは相手に何かを頼むときに、「私は」を主語にして主張を伝えるというアサーショントレーニングです。
たとえば上司が部下に「これやっといて」というよりも、「私はあなたにこれをやってもらえると嬉しい」という表現の方が相手に不快感を与えずにすみます。

続いてのアサーショントレーニングはDESC法を使ったものです。
Describe、Express、Specify、Chooseの頭文字をとったもので、それぞれ描写、表現、提案、選択という意味です。
たとえば、上司にいつも締切ギリギリの仕事をするよう指示されるとします。これに対して自分にどのような影響が生じているかを客観的に描写します。
いつも残業している、納期に間に合わなくて取引先に迷惑をかけているなどが考えられます。
次に自分がどのように感じているかを表現します。
その後何らかの提案をします。もう少し前もって知らせてほしい、相手に納期の調整をしてもらってから仕事を回してほしいなどの提案があるかもしれません。
そして最後に選択をします。相手が受け入れてくれた場合とそうでなかった場合に分けて、自分の主張を考えておきます。
これらのトレーニング方法を社員研修に導入してみましょう。

社員研修にアサーショントレーニングを導入して社員のコニュニケーション能力を向上させよう

社員研修でアサーショントレーニングを行っても、すぐに全社員がアサーティブになれるわけではありません。しかし、トレーニングを行うことにより、一人ひとりの意識が変化し、それぞれが徐々にアサーティブになっていくことは可能です。
アサーショントレーニングを行えば、社員一人ひとりのコミュニケーション能力が向上し、ビジネスの効率もアップすることでしょう。

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