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新卒入社まで繋がるインターンと繋がらないインターン

新卒入社まで繋がるインターンと繋がらないインターン

近年、中小企業・大手企業を始め多くの会社で導入しているインターンシップ。
現在、1日からの短期体験型や1カ月以上の実務を経験する長期有給インターンシップなど、多種多様なインターンシップを多くの会社が導入をしています。
今回は新卒入社まで繋がるインターンと繋がらないインターンについて詳しくご解説します。

インターンシップの種類とメリット・デメリット

インターンシップというと、日本企業では一般的に1日、長くても2~3日程度の体験型インターンのイメージがあると思います。ただ、海外のインターンシップは1カ月~2ヶ月以上の長期実践型が一般的で1日、2日程度の体験型はそもそもインターンと呼ばないことも多いです。

また、会社の規模感によっても日数は異なる傾向があり、大手企業では現場を巻き込む工数を考慮し短期インターンシップの実施が多く、中小企業・ベンチャー企業ではより意欲の高い学生の囲い込みを目的に長期インターンシップの導入が盛んになっています。近年では大手企業でも1、2年生の囲いこみに長期インターンシップを検討している会社も増えているとのことです。

学生の目的もそれぞれ異なり、短期インターンシップでは業界・企業研究を目的にしていることが多く、会社の知名度や業界で選ぶケースがほとんどです。
逆に、長期インターンシップでは本人の自己成長や経験を目的にしているため、会社の知名度は関係なく、仕事内容や業務内容の幅広さで参加を決めている学生が多い傾向にあります。
このことから、短期・長期の両方を上手く切り分けて設計できれば、より多くの学生にアプローチが可能であることがわかります。

短期インターンシップのメリットは、何よりも「実施のしやすさ」と「人数を多く集めることが可能なこと」です。会社のブランド力があれば、1日での体験型で20人~30人を一回で集めることもでき、またビジネスコンテスト形式でのワークショップなどコンテンツの工夫もしやすく、会社の採用ブランディングにも積極的に利用できます。
一方でデメリットとしては、学生の目的が業界研究・企業研究であることが多く、参加後の本選考参加率はあまり高くない傾向にあります。

長期インターンシップのメリットは、「比較的成長意欲の高い学生に接点を持つことができ、優秀な学生だと即戦力にもなれること」です。学生のうちから早期に社会で活躍できる人材になりたいと考えている層が長期インターンシップを希望する傾向があり、各世代のトップ層に出会える確率も短期インターンシップと比較すると高く、会社のビジョンや仕事内容・人に惹かれてそのまま新卒入社するケースも短期インターンシップに比べて多い傾向にあります。

デメリットは、長期インターンシップを設計するにあたり現場の負担が多くかかることや、受け入れできる人数も少数であるケースが多いことです。また、学生側からも会社の良いところ悪いところが全て見えるため、現場社員や業務内容が魅力的に映らないと新卒入社まで繋がるケースは低いですくなります。
業務の設計や誰が見るかなど細かく設計し、現場社員に対して会社全体で採用を強化する意識の啓蒙から始めることが大切と言えるでしょう。

新卒入社に繋げるためのポイントと離脱してしまう原因

短期・長期インターンシップともに、まずは会社で若手社員が活躍する風土や組織をつくることが必要不可欠です。
インターンシップに来る学生は比較的意欲が高く、本人が活躍できるイメージのある会社を求めている傾向にあります。インターンシップを実施して学生を集めたとしても、その土壌がないと結局新卒に繋がらないケースや入社後の早期離職に繋がります。
意欲の高い学生だからこそ、早期に見切りをつけてしまうケースが多いため、会社側としても時代に合わせた経営や人事制度・育成を考慮した上で、インターンシップを企画することが大切です。

上記の新卒入社に繋げるためのポイントを前提にした上で、短期・長期インターンシップでそれぞれ新卒入社に繋がらない理由も考察しましょう。

まず、短期インターンシップでは「ただ実施するだけ」というケースになっている可能性があります。
例えば、夏休みに1日インターンシップを実施したとすると、本選考までの期間はおよそ半年以上間が空いてしまいます。これでは離脱をしてしまうことも多いので、本選考まで定期的な会社イベントや勉強会に招待するなどして、常に会社のことを意識してもらう必要があります。

また、長期インターンシップでは学生が成長を感じられず、離脱してしまう可能性があります。雑務だけをこなしている場合や放置されすぎたり、過保護になりすぎていたりと要因はさまざまですが、あまり刺激がない状態だと学生は長期インターンしている意味を見いだせず離脱してしまいます。

成長を常に感じることのできる仕事のステップアップを設計し、現場社員が長期インターン生を新卒採用に繋げる意識を持って接することが重要です。

大事なのは「入社後の環境を整えて人材育成に注力すること」

短期・長期インターンシップともに、学生を新卒入社に繋げることだけを目的にしていると上手くいかないのが現状です。
新卒入社後の活躍できる環境をまずは整え、若手の育成・採用を会社全体のコアプロジェクトとして位置付けてどれだけ社内に浸透させることができるかがインターンシップ成功の鍵となります。

人事の企画力、コミュニケーション力で明確に差がつくポイントにもなるので、会社全体として人事の育成にも注力する必要があります。

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