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ファシリテーションスキルが管理職に不可欠な理由とその磨き方

ファシリテーションスキルが管理職に不可欠な理由とその磨き方

会議やプロジェクトにおいて意見を集約したり合意を形成したりするのは容易なことではありません。有能な社員には、管理職として会議をまとめたりプロジェクトの方向性を決めたりできるスキルを身に付けて欲しいと思うことでしょう。ではどのようにして管理職にこのような能力、すなわちファシリテーションスキルを持たせることができるのでしょうか。

今回はファシリテーションスキルが管理職に必要な理由とその磨き方について解説します。

ファシリテーションとは活動を容易に行えるようにすること

そもそもファシリテーションとは、「活動を容易に行えるようにすること」と定義されます。会議の先頭に立って意見をまとめる人にはファシリテーションスキルがあるように思えますが、必要なのはまとめるだけではありません。
複数の人たちの意見が割れた場合にすべての人が納得いく結論が出るよう調整することや、チーム内のコミュニケーションが円滑に進むよう潤滑油のような役割を果たすことが含まれています。

ファシリテーションスキルが管理職に必要な3つの理由

ファシリテーションスキルは、特に多くの社員を監督する管理職に不可欠なスキルです。
業務においては、管理職がチームの目的、メンバー、アプローチの方法などを決めていきます。目標の共有やメンバーの意見の集約、活動のプロセス設計などを円滑に行うためには、管理職の社員がファシリテーションスキルを身に付けていなければなりません。

具体的に、ファシリテーションスキルが管理職に必要とされる理由を3つご紹介します。

1つ目は、より多くの意見やアイデアが出やすくなるからです。コミュニケーションが円滑に行われ、より多くの意見やアイデアが出れば、それだけプロジェクトが高度なものになっていくことでしょう。自由な雰囲気のなかで発言ができれば、会議の参加者のモチベーションアップにもつながります。

2つ目は、会議の時間が短縮するからです。ファシリテーションスキルの高い管理職がいれば議論が横道にそれないように調整できるので、会議の時間が無駄に長くなりません。チームのメンバーが協力、チームワークが向上し一体感が生まれます。

3つ目は、他部門との意見交換や協力体制の構築がスムーズになるからです。プロジェクトを推進していくうえで必要なのは、さまざまな部門を横断しての意見の集約や判断です。他部門との意見交換や協力体制の構築などは管理職の社員が行う分野であり、さらにファシリテーションスキルが求められる業務範囲でもあります。

チームのメンバーに気を配りつつ、できる限り中立の立場を保ち決定を下すためには、かなりのスキルが必要となります。管理職に就く社員にファシリテーションスキルが求められるのにはこうした理由があるのです。

ファシリテーションスキルの向上方法

ファシリテーションスキル2
ファシリテーションスキルは、生まれながらに持っているものではありません。企業として社員にファシリテーションスキルを身に付けて欲しいと思うなら、研修を繰り返すことによって訓練することが必要です。ファシリテーションスキルには、話し合いを円滑に進めるための「グランドルール」やどんな意見でも出してもらう「ブレーンストーミング」などがあります。
ブレーンストーミングではほかの人の意見を否定することなく、より一層具体的に検討していくスキルも必要とされます。意見を聞いてまとめ、最終的なゴールへと誘導することも重要です。こうしたスキルは実際に会議などを行ってみて初めて身に付くものです。

さらに自分が好ましいと思う意見に肩入れすることなく、中立の立場を保つのは簡単ではありません。つまり研修ではただ単に講義の形でファシリテーションスキルについて解説するよりも、実際に会議のシミュレーションを行ってトレーニングすることが必要になるのです。議題を決めてさまざまな意見を出してもらい、1人の社員がその意見をまとめるといった実践的な方法を用いれば、ファシリテーションスキルを素早く向上させることができるでしょう。

もちろん1回の研修でファシリテーションスキルが身に付くわけではないので、繰り返しトレーニングを行うことが重要です。会議だけでなく、ほかの状況も想定してファシリテーションスキルを磨く実習を行っていけば、管理職の社員だけでなくほかの社員のモチベーションアップにもつながるはずです。

管理職社員のファシリテーションスキルを向上して活気のある企業に

より効率よく最大限の業績を得るためには、管理職社員にファシリテーションスキルを身に着けてもらうことが重要です。ファシリテーションスキルを身につけた管理職の社員がいれば、自由な意見交換と速やかな意見集約、さらに効果的なプロジェクトの推進が行えるようになり、会社全体が活気にあふれていくことでしょう。
より有能な社員を育成し、会社の業績を伸ばしていくためにも、ファシリテーションスキル向上のための研修は欠かせないプロセスなのです。

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