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集合研修とオンライン研修のメリット・デメリットを徹底比較!

集合研修とオンライン研修のメリット・デメリットを徹底比較!

社員教育を行うために、研修は非常に有効な方法の1つです。研修を行えば社員全員に同じ内容を教えられるとともに、各人の理解度もある程度把握できます。一定の教育を施すことができるため、業務内容に差が出ることを防ぐことも可能です。近年新型コロナウィルスの影響もありオンライン研修に切り替える企業が増えています。オンライン研修と集合研修それぞれのメリット・デメリットについて考え、どちらを採用すべきかについても考慮しましょう。

集合研修とは?

集合研修とは、業務外の場所に複数の社員を集め、講師が対面で講義を行うスタイルの研修のことです。英語では「Group training」、集合研修、集団訓練と言った意味があります。集合という言葉が使われている通り、大人数の社員を一つの場所に集め講師から対面形式で教えてもらうため、同じことを大人数に教えることに向いている研修と言えるでしょう。

集合研修の目的と効果

集合研修の目的は、一度に大人数の社員に対し一定の教育を施すことが目的です。特にオンラインではなかなか教育が難しい技術系、マナー研修等に使われることが多く、全員が同じ講師から同じタイミングで教育を受けるため教育内容にムラが出にくいという効果があります。また、集合研修は教育という側面だけでなく、他の社員と共同作業や実践を行うことで社員同士のコミュニケーションも活性化します。

オンライン研修とは?

オンライン研修とは、クラウド型配信サービスなどを使い、社員が任意の場所からインターネットを通じて受講する研修のことです。

オンライン研修には大きく分けて2つの種類があります。1つはすでに録画されたものを見ることによる「録画型研修」で、eラーニング、webラーニングと呼ばれることもあります。もう1つは動画をライブ配信してコミュニケーションを双方向で取ることができる「ライブ型研修」です。

オンライン研修の目的と効果

オンライン研修の目的は、時間や場所を限定せず教育を施すことが目的です。研修を受けるために移動が発生するような離れた場所で業務を行っている社員にも、移動なしで受講してもらうことが可能なため、研修を取り入れやすいというポイントがあります。オンライン研修の種類によっては、何度も同じ研修を受講することができるため理解が深まるという効果があります。

集合研修のメリット・デメリット

集合研修にはどのようなメリット・デメリットがあるのでしょうか。ここでは集合研修のメリット・デメリットについて解説します。

集合研修のメリット

メリット① 講師から直接フィードバックが受けられる

研修の内容に不明な点があったり、疑問があったりしたならすぐにその場で質問できます。そのため研修終了後は学んだ内容をしっかり理解しすぐに実践することが可能になります。

メリット② 一体感を高めることができ交流が生まれやすくなる

他の社員との交流によって一体感を高めることができ、多くの社員が一緒にいること、対面式であることなどから今まで交流を持ったことがない社員同士の間にも交流が生まれやすくなります。

メリット③ 対面だからこそ高い効果を得られる

集合研修は、オンライン研修では難しい新しい技術系、マナー研修が多く、対面で実践的な教育を受けることができるため一通りの業務内容をスムーズに習得することが可能です。そのため、高い効果を得ることができます。

集合研修のデメリット

デメリット① 時間的・人的コストがかかる

集合研修では、オンライン研修では発生しない研修会場の確保や講師の招待にコストがかかります。さらに大人数の社員が一度に研修に参加するため業務に支障が出る恐れがあります。集合研修の人数を減らし自社の会議室で行ったり、いくつかのグループに分けて研修を行ったりすることで、コストを抑えることができ、業務への支障を減らすことも可能です。

デメリット② スケジュール調整が難しい

集合研修では、大人数の社員のスケジュール調整を行う必要があります。また、社員だけでなく講師や会場のスケジュールも同様です。調整する人数が増えれば増えるほど運営側の負担が大きくなります。スケジュール調整が難しい場合は、一度に研修するのではなく複数のグループに分けて研修を行うことも可能です。

デメリット③ 再度受講することが難しい

集合研修の課題ともいえるのが、再度受講することが難しいという点です。講師を招いての講義となるため基本的には1度きりとなります。そのため研修後に業務で活用する中で疑問が出たとしても、講師に質問することができません。結果として研修を受けた直後では効果を感じられても、時間とともに学んだことを忘れてしまいます。課題解決のために、研修後は定期的に研修に対するフォローをすることで継続して効果を感じることができる可能性があります。

オンライン研修のメリット・デメリット

集合研修のメリット・デメリットについて解説しましたが、オンライン研修はどうでしょうか。ここではオンライン研修のメリット・デメリットについて解説します。

オンライン研修のメリット

メリット① 遠隔地にいる社員でも移動なしで研修が受けられる

これまでの研修では遠方にいる社員であっても、本社のある場所に移動して研修を受ける必要がありました。場合によっては研修のために1泊以上する必要がありましたが、オンライン研修を利用すれば、どこにいても同じ内容の研修を受けることが可能です。

メリット② コスト削減ができる

オンライン研修では、パソコンやスマートフォン、タブレットを使って動画を視聴するため、受講者は自分のデスクなどから研修を受けることができます。そのため遠隔地にいる社員が受講するための出張旅費(交通費、宿泊費等)や会場費が不要になり大幅なコスト削減に期待できます。

メリット③ 研修動画を繰り返し見ることができる

オンライン研修は集合研修と異なり、1度受講した内容を繰り返し見ることができるためより理解が深まります。また、研修当日に都合がつかなくても、後日動画を見て研修を受けることもできたり、何回かに分割して動画を見ることができたりと、自分のペースで受講が可能です。

オンライン研修のデメリット

デメリット① 共同作業や実践を伴う研修には不向き

オンライン研修では、基本動画を閲覧する形になるため知識を得るには有効ですが、技術系、マナー研修と言った実践を伴う研修には不向きと言えます。共同作業や実践を伴う研修を行う際は集合研修のほうが向いているでしょう。

デメリット② 質問ができない

オンライン研修には2種類あり、録画した動画を見るタイプとライブ配信によりコミュニケーションを双方向でとるタイプです。オンライン研修の課題ともいえるのが、録画した動画を見るタイプでは基本一方通行の研修となるため、質問をすることができず疑問点が出てもそのままになってしまう点です。課題解決のためにも研修後疑問点や質問が出た場合、しっかりとフォローできる体制を作りましょう。

デメリット③ グループワークや議論が難しい

オンライン研修は画面越しで行うため、相手の顔色が読みづらかったり、リアクションが把握しづらかったりと言った問題があり、グループワークや議論が難しいところがあります。オンライン研修内でグループワークや議論を行う際は、工夫が必要になります。

集合研修とオンライン研修の違いを比較

集合研修とオンライン研修を、上述のメリット・デメリットをもとに8つに分けて比較します。

集合研修とオンライン研修の比較

① コスト
【集合研修】
社員が一つの場所に集まり研修を受講するため、講義会場費、交通費、宿泊を伴う場合は宿泊費、さらに講師や準備スタッフの人件費と言った様々な費用が発生します。

【オンライン研修】
オンライン環境の整備費、クラウド型配信サービスやeラーニングを利用する場合はサービス料が発生しますが、集合研修よりはコストは発生しません。

② 研修場所
【集合研修】
一つの場所に集合し研修を受講するため、遠方の社員は移動や宿泊が発生します。

【オンライン研修】
任意の場所で研修を受講するため、遠隔地からの受講も可能です。

③ 運営側の負担
【集合研修】
社員全員や講師、会場のスケジュール調整が発生するため運営側の負担が大きくなります。

【オンライン研修】
基本は受講者のオンライン環境整備が必要になります。

④ 向いている研修
【集合研修】
講師が対面で講義を行い、技術系やマナー研修と言った協同作業や実践に向いています。

【オンライン研修】
インプット中心の研修や語学研修と言った研修が向いています。

⑤ 研修を受けられる回数
【集合研修】
対面形式での研修のため、基本は1度きりの受講となります。

【オンライン研修】
受講するサービスにもよりますが、アーカイブが残っている場合が多いため何度でも理解できるまで受講可能です。

⑥ 講師への質問やフィードバック
【集合研修】
その場で講師への質問が可能となり、実践に対するフィードバックをもらうことも可能です。

【オンライン研修】
基本的にはオンライン研修は一方通行のため、質問をすることはできません。

⑦ グループワークや議論
【集合研修】
対面でグループワークや議論を行うため、相手の顔色がわかり、リアクションも把握できるため、グループワークや議論を行う際は集合研修が向いています。

【オンライン研修】
画面越しで会話をするため、相手の顔色やリアクションがわかりにくく、お互いにコミュニケーションが取れているかわからないまま会話をすることもあるため、グループワークや議論にはオンライン研修はあまり向いていません。

⑧ 社員同士のコミュニケーション
【集合研修】
共同作業や実践、グループワーク等の研修を受ける中で、今まで会話したこともない社員とコミュニケーションをとる場面も出てくるため、社員同士の間に一体感が生まれやすくなります。

【オンライン研修】
基本は一人で受講するため、社員同士でコミュニケーションをとることはありません。

集合研修・オンライン研修 それぞれが向いている研修内容

集合研修、オンライン研修を比べていくとそれぞれ向き不向きがあることがわかります。ここではより具体的にどのような研修がそれぞれに適しているのか解説します。

集合研修が向いている研修内容

向いている研修① 実践を伴う研修
技術を習得するための研修や、身体を動かす内容が含まれる研修は集合研修が向いています。実際に講師の実演を見ながら実践できたり、実践を見た講師からフィードバックがもらえたりと、理解がより深まりやすい特徴があります。

向いている研修② グループワーク
グループワークはオンライン研修でも可能ですが、相手の顔色がわかる点、リアクションが把握できる点では集合研修のほうが向いていると言えます。また接点のなかった社員同士の交流も生まれ、社内活性化につながる可能性もあります。

向いている研修③ 新入社員研修
新入社員研修では、実践を伴うビジネスマナー研修が実施されることが多いため集合研修が向いています。また、直接同期や先輩とコミュニケーションをとることで会社の雰囲気に溶け込みやすくなります。

オンライン研修が向いている研修内容

向いている研修内容① インプット中心の研修
知識の提供や思考力強化、階層別研修と言った、インプットを中心とした研修はオンライン研修が向いています。研修を受ける場所や時間を自分で決めることができるため、より集中して受講することに期待が持てます。

向いている研修内容② 語学研修
英語やフランス語と言った語学研修は、オンライン研修が向いています。外国人講師の場合、講師がどこに住んでいるかを問わず、オンラインを通じてよりネイティブな研修を受けることが可能です。

まとめ

集合研修とオンライン研修を比較し、メリット・デメリットについて解説しました。コストを抑えられる点やスケジュール調整が不要な点から、オンライン研修のほうが導入しやすいと感じるかもしれませんが、研修内容によっては集合研修のほうが受講者にとってプラスになる場合もあります。今一度自社で導入している研修は本当に集合研修でいいのか、オンライン研修でいいのか議論してみてはいかがでしょうか。

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