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社員のビジョニング力の育成が企業の発展に繋がる訳とは

社員のビジョニング力の育成が企業の発展に繋がる訳とは

企業にとって業績を向上させることは最重要課題の1つですが、それと共に必要なのが中長期的な計画です。長期的な視点を持って仕事を行うことによって、より多くの利益を生み出すことができるからです。
しかし、社員すべてが長期的な視点で仕事をしているわけではないでしょう。
この記事では、研修などによって社員の長期的な視点、つまりビジョニング力を育成することがどうして重要なのか見ていきましょう。

ビジョニング力とは立てた目標を達成する能力のこと

ビジョニング力は、ビジョンとは大きく異なります。ビジョニング力とは、ビジョンを立てる能力のことではなく、立てたビジョンをいかにして達成していくかという能力のことです。ビジョニングは口でいうほど簡単ではありません。

企業が求める中長期的な目標には、分かりやすいものもあればそうでないものもあります。例えば、商品の売上を1億円にする、顧客満足で90%を目指すなどのビジョンは分かりやすいですが、数値目標がない漠然としたビジョンの場合には社員の共感を得にくくなります。そのため企業のビジョンや戦略について社員に説明し、共感を得て能動的に動いてもらえるようにするビジョニング力が必要となるのです。

ビジョニング力は会社が発展していくために重要

では、いったいなぜビジョニング力は、社員や企業にとって重要なのでしょうか。通常すべての企業はビジョンを持っています。将来こんな会社にしたい、このくらいの業績にしたいなどの目標を立てているのです。
しかし、それがすべての社員に浸透しているかというと、そうではありません。ビジョンや中長期的な目標が形骸化し、社員から忘れ去れていることも珍しくないのです。社員一人ひとりがビジョンを自分の目標として捉えていない限り、そのビジョンを実現することはできません。

そこで、社員、特にマネージャー職の社員にはビジョニング力を高めてもらい、社員の意識改革を行う必要があるのです。すべての社員が同じ目標に向かって働けば、会社の一層の発展に繋がることはいうまでもないでしょう。
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ビジョニング力を高めるためには構想力・相乗力・完遂力の向上が必要

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社員のビジョニング力の向上が企業の発展に寄与することはわかっても、いったいどのようにビジョニング力を高めていけばよいのでしょうか。まず、ビジョニング力には3つの要素があることを知る必要があります。ビジョンを作る「構想力」、ほかのメンバーを巻き込んで効果的に仕事を行う「相乗力」、そして最後までやりきる「完遂力」です。
構想力は、いかに社員の共感を得られるビジョンを作れるかを左右します。マネージャーであれば、自部門のビジョンを設定し、より上位の組織と調整し、個人の目標との関連性を持たせることが必要になります。

目標の関連性がないと社員一人ひとりはビジョンが自分に関係したことだと認識することができず、仕事へのモチベーションを上げるのが難しくなります。ビジョンをストーリー化し、戦略を練り、チームの一体感を高めることができるのが1つのビジョニング力です。

この構想力を向上させるためには、自分のこれまでの経験を深く分析し、それを今後どのように活かしていくかを具体的にイメージさせることが重要です。さらに自分に何が期待されているかを正確に把握し、それを上回ることができるよう努力する必要があります。加えて研修を通して、自分の視点を、一社員という視点から、経営陣に近い視点に変化させることで、より具体的で効果的なビジョンを打ち立てることができるようになるのです。

続いて、相乗力はチーム内各自の能力をしっかりと把握し、その能力を組み合わせることで向上させることができます。特にマネージャー職であれば、チーム内の社員一人ひとりとのコミュニケーションを緊密に取って各自の能力を詳しく知ることが求められるでしょう。

そのうえで円滑にプロジェクトが進むようにマネジメントする必要があります。さらに相乗力には、一人ひとりが最大限の能力を発揮できるような環境を作ることも含まれます。加えて重大な決定は人に任せず、自分で下せるようになることも重要なポイントです。

こうした構想力・相乗力に加えて、障害があってもあきらめずに物事を進めていく完遂力も重要です。自分1人ですべてを行おうとするのではなく、障害を乗り越えるためにほかの部門と連携したり、助けを求めたりする柔軟性も完遂力に含まれています。プロジェクトを完遂して結果を残しているマネージャー職の社員は、さらに大きな仕事を任せられることでしょう。

研修にはビジョニング力向上のカリキュラムを導入すべき

ビジョニング力の3つの力は、通常の業務で身に付けるのが難しいものばかりです。そのため、企業としては社員研修によって根気強くビジョニング力を向上させていく必要があります。特にマネージャー職の社員に関しては、ビジョニング力向上のためのカリキュラムを導入することによって、効果的な指導を行うことができるでしょう。マネージャー職の社員のビジョニング力が向上すれば、大きなプロジェクトを成功に導くことができ、企業全体の発展に繋がっていくのです。

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