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ビジネス研修で社員の「気づき」を引き出すプログラム進行のコツ

ビジネス研修で社員の「気づき」を引き出すプログラム進行のコツ

多くの企業がビジネス研修を行っていますが、その効果が本当に現れるかどうかは別の問題です。ビジネス研修を行うためにはかなりのコストや労力がかかっているので、研修で学んだことをいかに実践してもらうかは企業にとって非常に重要な課題といえます。そこで今回は、ビジネス研修において、社員の行動につながる「気づき」を得させる方法について見ていきましょう。

ビジネス研修で社員の「気づき」を引き出すポイント

ビジネス研修において、社員の「気づき」を引き出すポイントはいくつかあります。その1つは研修前の意識付けです。その研修がどのような目的で行われるものか、参加する社員にはどのようなことが期待されているのか、などを明確に知らせる必要があります。
ただ単に「研修に参加しなさい」とだけ伝えて漫然と始めてしまえば、社員としては「気づき」を得るどころか、何を学ぶべきかさえ分からないでしょう。研修の目的、意義、さらには社員のキャリア形成にどのように寄与するかを伝えるだけで、社員は多くの「気づき」を得られるはずです。

続いて重要なポイントは、受講者同士の考えや意見を交換する場を設けるということです。たとえば、接客の方法について研修で学んだとしましょう。ただ単にどのように接客すればよいかを学ぶよりも、実際に誰かを顧客に見立てて接客してみるほうが、より多くの気づきを得ることができます。

さらに受講者同士で率直な意見交換を行うと、さらに多くの気づきが得られます。意見交換の際は、どんな点がよかった、どんな点は改善が必要だ、という単純な評価ではなく、相互成長への願いが込められたフィードバックが重要です。たとえ改善すべき点を指摘されたとしても、ポジティブな意見であれば多くの気づきを引き出すことができるでしょう。

そもそもビジネス研修における「気づき」とは?

研修でよく耳にする「気づき」ですが、そもそもこれはどういった意味なのでしょうか。気づきとは、今まで自分の中にあった解釈や理解が何かのきっかけで変化することを指します。
たとえば、今まで自分はおしゃれに興味があまりないほうだと思っていた方が、ほかの人から服のセンスを褒められたことで意外とファッションセンスがあると気づくことがあります。このように気づきは何かのきっかけによって引き出さることが少なくありません。

ビジネス研修においても、社員に多くの気づきを与えたいのであれば、そのきっかけとなるものを提供する必要があります。たとえば、社員に観察させること、固定概念を覆すような問いかけを行うことが挙げられます。研修のほかの受講者がどのように行動するか、どのように考えているかを見せるのは気づきを引き出す1つの方法です。

さらに「もし自分が経営者だったらどんなことを社員に望むか」「自分に何かのプロジェクトが任されたらどんなアイデアを出すか」など、普段あまり考えないであろうことを問いかけると、新たな思考パターンが生み出され気づきにつながります。これまでとは異なる角度、視点、考え方で物事を見ると、より多くの気づきが生まれてくるでしょう。一方、理詰めで研修を行ったり、固定観念で教えたりすると気づきを引き出すのは難しいといえます。

「気づき」を「行動」に変えることの重要性

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ビジネス研修において気づきを与えることは非常に重要ですが、気づきを行動に変えることはさらに重要です。というのも、研修では社員が多くの気づきを得て手ごたえがあっても、現場に戻ると行動にまったく反映されないということが起こり得るからです。気づきが行動につながらなければ、どれだけ質のよい研修を行っても会社の利益にはならないでしょう。社員のモチベーションの向上や職場環境の改善も見込めません。
そのため、気づきをいかに行動につなげるかということは、ビジネス研修において最も重要な課題となるのです。社員が研修で学んだことを忘れず、日々実行していくために必要となるのが上司となる管理職の声掛けです。できるだけ多くの気づきが行動へとつながるよう、研修で学んだことを定期的に部下に思い出させたり、決められたことをすでに行ったかなど尋ねたりすることで、気づきが確実に行動に変わるよう助けていきます。さらに研修から一定期間をおいてアンケート調査をしたり、上司との面談を設定したりして行動を促すのもよいかもしれません。

気づきを生み出すビジネス研修で社内を活性化させよう!

今回は、ビジネス研修において社員の「気づき」を引き出すコツを紹介しました。ビジネス研修を行う際は、単純に研修内容を充実させればよいというわけではありません。この記事で紹介した、研修前に意識付けをすること、受講者同士の意見交換の場を設けること、前向きなフィードバックを行うことによって、社員の「気づき」を引き出すことが重要です。
ビジネス研修は、社内を活性化させ、会社全体の利益をアップさせるための重要な活動のひとつです。時間も費用もかけたのに形骸化してしまうのはもったいないので、研修前後の働きかけをしっかりと行い、本当に意味のある研修を行っていきましょう。

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