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採用管理システムを採用するメリット&サービスの選び方とは

採用管理システムを採用するメリット&サービスの選び方とは

採用活動は、自社の運命も、応募者の運命も左右する重大な業務です。複数の応募を並行して進行させる必要があるため、手間と時間がかかります。そのため、採用活動に変わる業務の効率を良くしたいと考えている人事担当者は多いでしょう。

そんなときに導入を考えたいのが、「採用管理システム(ATS)」です。この記事では、採用管理システムの特徴や採用するメリット、システムの選び方など、採用を強化したいときに必要な情報をお伝えします。

採用管理システムとは?

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まずは、採用管理システムの導入を検討する前に、どのようなサービスなのか基本の情報を確認しましょう。

採用管理システムの基本知識

採用管理システム(ATS=Applicant Tracking System)は、応募者の情報や採用過程を管理するシステムです。

採用管理システムでは、主に下記の4つの管理が可能です。

・求人案件の管理
・応募者の情報管理
・応募者の評価や面接の進捗の管理
・内定者の管理

応募や採用では、多くの書類が発生するため、採用管理システムでデータ化すればスムーズに情報を管理することができます。

採用管理システムは「クラウド型」と「オンプレミス型」の2種類

採用管理システムは大きく分けて「クラウド型」と「オンプレミス型」があります。それぞれ会社の規模や、予算によって合う採用管理システムが異なるため、特徴やメリット&デメリットを紹介します。

・クラウド型の採用管理システム

クラウド型は、インターネット上でシステムを使うサービスです。社内でシステムを構築する必要がなく、導入コストが抑えられるため、中小規模の会社に向いています。すぐに導入できる点も魅力です。一方で、カスタマイズの幅が限られており、自社にフィットさせづらい一面もあります。

・オンプレミス型の採用管理システム

オンプレミス型では、自社の設備に採用管理システムをインストールして使います。社内でシステムを構築する必要があり、初期費用が高くなるため、社員規模が1000人以上の大きい会社に向いています。コストがかかる分、自由にカスタマイズできるため、自社のニーズに合わせた機能を持たせたり、セキュリティを強固なものにしたりできます。

採用管理システムの導入するメリット

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つづいては、採用管理システムの機能に触れつつ、導入することでどのようなメリットがあるのかを紹介します。採用管理システムを導入するか迷っている場合は、判断の参考となるでしょう。

応募者情報を一元管理

採用管理システムでは、バラバラに集められた応募者情報を1つのシステムで一元管理できます。

一般的に、採用活動では、複数の採用媒体を使って応募者を募るため、情報を別々に管理したり、手動で1つのシステムにまとめ直したりと、大きな労力がかかります。

一方で、採用管理システムでは、簡単に応募者の情報を集約できるため、採用担当者の間で応募者情報や、応募者からの問い合わせ内容を共有することが可能です。評価や応募者情報を共有管理すれば、応募者とのコミュニケーションや、情報伝達のミス防止にも役立ちます。

進歩状況の把握

応募者情報や面接者の評価など、各採用担当者が持つ情報をリアルタイムで更新・確認することができます。

日ごとに変わる応募者1人ひとりの異なる採用段階を、全社の採用担当者が把握するのは簡単なことではありません。

しかし、採用管理システムを利用すれば、情報の更新も、更新されたデータの閲覧もすべて1つのシステムで完結させられます。テレワークが推奨される現在は、オンライン面接も活発になっており、各採用担当者が自宅で面接を行った応募者の情報が共有しにくいケースもあるでしょう。この場合でも、採用管理システムに評価や情報を更新すれば、ほかの採用担当者がすぐに最新の情報にアクセスができるようになります。

採用募集ページの更新

自社サイトの採用募集ページを、採用担当者が簡単に変更、更新することができる点も採用管理システムの魅力です。

通常、Webサイトやページを作成・編集するには、プログラマーやWebデザイナーの手が必要です。作成時にWeb制作会社に依頼する企業は多いものですが、サイトを維持していくうえで、自社でページの更新ができない点に悩むケースは少なくありません。

採用管理システムでは、採用担当者が自分たちでページを更新できるよう、簡単な操作で作成・更新できるシステムが構築されており、テンプレートも用意されています。見た目も重視したシステムも増えているため、専門的な知識がなくてもおしゃれで、洗練されたページに移行することも可能です。特に採用募集ページは、説明会やイベントの紹介などこまめに更新が必要となるため、迅速な情報配信に役立つでしょう。

業務の効率化

採用管理システムでは、情報を一元管理できることから、さまざまな作業の効率がアップします。

ほかのシステムと連携させることで、一度の作業で2つの連携先の情報も更新でき、アナログな作業時間の軽減が可能。データにすることで、応募者の多い求人媒体や応募者の傾向などを可視化することもできるため、採用活動の成果や見直しにも役立ちます。

選考段階ごとに採用担当者が異なる場合でも、情報が1つのシステムに集約されているため、応募者の情報や評価の引継ぎにかかる時間を最小限に抑える効果もあります。

経営の改善

採用管理システムの導入は、経営の改善にもつながります。

高齢化社会が進み、売り手市場が続くなか、人材の確保は会社の経営において大きな課題です。多数の応募者のなかから、優秀な人材を確保するためには、積極的な情報発信や採用担当者間の情報共有、応募者との円滑なやり取りが欠かせません。採用管理システムで情報を管理しやすくなれば、優秀な人材を効率的に雇用することができます。

また、経営戦略を実現するためには、人材戦略が要となる点は広く知られています。優秀な人材を多く獲得できれば、経営戦略の実現や収益アップにもつながります。データ化した応募者の情報や、内定者や内定辞退者の情報も、採用戦略はもちろん、経営戦略に活かせるでしょう。

採用管理システムを選ぶときの3つのポイント

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採用管理システムはさまざまなメリットがありますが、ただ導入すれば良いものではありません。自社に合った採用管理システムをどう選べば良いか、確認しましょう。

他ツールとの連携機能

採用管理システムで連携できる機能は、業務効率化に欠かせません。とくに、カレンダーツールやSNS、人気のメッセージアプリと簡単に連携できれば、応募者とのやり取りや社内でのスケジュール共有がスムーズになります。また、連携できる求人媒体が多ければ、自動で情報をシステムに読み込んだり、分析したりと、情報の一元管理のメリットを一層活かすことができます。

連携できるツールは採用管理システムによって異なるため、自社が利用しているツールが活かせるのかは、導入前に確認しておきたいポイントです。

操作性

採用管理システムの操作性は、採用担当者の負担はもちろん、応募者の採用募集ぺージの使用感や、応募者とのやり取りにも影響します。そのため、管理画面や応募ページが使いやすいかにも、十分配慮しましょう。クラウド型の採用管理システムでは、トライアルを利用できるものもあります。

また、求人媒体別の応募者数や選考通過数、応募者の情報などの分析に関する使い勝手も、忘れず確認しましょう。

採用募集ページ作成・更新

先述の通り、採用募集ページの作成や更新もできる点は、採用管理システムの魅力の1つです。そのため、クラウド型の採用管理システムを選ぶときは、採用募集ページの作成や更新がしやすいか、どのような機能やテンプレートが用意されているのかを確認しましょう。

オンプレミス型であれば、プログラマーなど専門職が在籍していることが多く、自社でシステムを構築するため、社内で使いやすい仕様にできるでしょう。

採用を強化したいときのその他の選択肢

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採用管理システムでは、採用活動にまつわる多くの業務を効率化できますが、それだけで優秀な人材を採用できるわけではありません。最後は、採用管理システムの導入と並行して実施したい、採用強化策を紹介します。

既存社員のサポート

既存社員の意見は、採用活動の方向性や強化にも欠かせません。新しく採用する人材を育てるのも、ミスをフォローするのも既存社員です。そのため、採用を強化したい場合、既存社員のサポートにも力を入れましょう。

既存社員の不満が溜まりやすいポイントの1つに、入社前とのギャップがあります。既存社員が、応募時に想定していた業務内容、会社の雰囲気、福利厚生と差を感じているのであれば、募集時の採用活動を見直さなければなりません。

採用代行の利用

採用代行とは、採用業務をアウトソーシングできるサービスです。採用代行には、豊富な採用に関する経験と知識があるため、採用管理システムの同様に、採用効率を上げることができます。自社の社員の時間を空けることができるため、採用担当者がほかの業務を兼任している場合や、人数が少ない場合に活用できます。また、さまざまな採用手段のノウハウを持っているため、採用活動を見直したい場合にも活用が有効です。

ただし、多くの業務を委託するため、委託費用がかかる点、社内に採用活動のノウハウが蓄積できない点には注意が必要です。

人事向け研修で採用担当者・面接官の教育

採用活動にかかわる事務的な業務は、採用管理システムの導入で効率化できますが、実際に応募者を選考するのは採用担当者です。そのため、自社にマッチする人材を選び、採用者の入社前後のギャップをなくすためには、採用担当者や面接官のスキルアップも必要です。

採用担当者や、各部署の面接担当官の教育には、人事向け研修の利用がおすすめです。必要な人材の洗い出しや人材戦略をはじめ、コンプライアンスの知識、コミュニケーションスキル、戦略的な人材育成の方法など、さまざまな知識を身に着けることができます。

まとめ

ここまで、採用活動で活躍する「採用管理システム」について紹介しました。採用管理システムは、採用活動でとくに労力を要する応募者の情報管理や、選考の進捗状況の把握などの業務を効率化することができます。

採用活動は、会社の経営にもつながる重大な企業活動の1つです。当記事で紹介した、採用強化につながる選択肢とあわせて、採用管理システムの導入を検討しましょう。

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