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2020年以降「AI面接」が主流になる?できること・できないこと

2020年以降「AI面接」が主流になる?できること・できないこと

少子高齢化が深刻化している中、優秀な人材を確保することは企業にとって特に重要な課題となりつつあります。そんな中で急速に注目を集めているのが「AI面接」です。ここでは、AI面接の導入に関心がある方に向けて、そもそもAI面接とはどのようなものなのか、またAI面接のメリットや対応できないことなどについてご紹介します。

AI面接とはAIが人間に代わり面接官となって面接を行うサービス

AI面接とはその名のとおり、AIが人間の面接官に代わって面接を行ってくれるサービスのことです。AIが面接官を務めると聞くと、本当にしっかりとした受け答えができるのか、求職者の本音や経歴を正確につかめるのか不安になるかもしれません。求職者側としても、AIの質問に答えることで本当に自分の良さが伝わるのかと感じることでしょう。

しかし実際にAI面接を体験してみると、そのような心配はほとんど必要ないことがわかります。なんとAI面接で行われる質問は最大で100問ほどもあり、かなり深いところまで尋ねる質問も少なくありません。さらに求職者の答え方や内容によって質問が変わったり、評価が左右されたりすることもあります。

人対人では聞きにくい質問が行えること、表現力やストレスへの耐性を数値化して分析できることなど、AI面接ならではの結果も浮き彫りになります。ただ単にAIが質問だけを行って答えを録音するといった単純なものではなく、回答や態度の評価には人も関わっているため、より正確な分析が可能になっています。

AI面接は人事担当者・求職者双方にとってメリットがある

AI面接には非常に多くのメリットがあります。まずは企業側のメリットについて見ていきましょう。労働者人口が減少している中、企業はより短期間でより優秀な人材を確保しなければなりません。当然他社との競合が想定され、一人ひとりをじっくり面接しているための時間は無くなっているのです。

その点でAI面接はいつでもどこでも求職者がスマートフォンを利用して面接を受けられるため、時間の節約になります。加えて大量のエントリーシートに目を通す作業からも解放され、人事担当者の負担も大幅に軽減されます。さらに、AI面接では面接の内容の分析も的確に行うことができます。

人間の面接官の場合、どうしても見落としがあったり聞き逃した部分があったりするものです。しかし、AI面接であれば言葉遣いや表情を随時分析することが可能です。さらに求職者が嘘をついていたり、演技していたりする場合でも、人間よりは的確に見抜くことができます。

面接官の主観が入らない中で求職者を分析できるので、より自社の理想にマッチした社員を見つけられる点も強みです。加えて、AI面接を導入したことで会社の認知度が高まり、応募者が増えた企業もあります。

AI面接は求職者側にも大きなメリットをもたらします。何よりも、時間や場所を制限されないというのは何物にも代えがたいメリットといえるでしょう。これまで地方出身者は、例えば東京の企業に就職するためにかなりの時間と費用をかけて面接に臨まなければなりませんでした。時間と労力について考慮した結果、首都圏の企業の面接を諦めた求職者も少なくありません。

しかし、AI面接が導入されると、スマートフォンさえ持っていれば24時間365日、どこででも面接を受けることが可能です。加えて面接官の好みや偏見などが入り込む隙はないため、すべての人が公平に面接を受けているという確信が持てます。こうした公平感も求職者にとって非常に重要なメリットなのです。

AI面接では対応できず人間だからこそ分かる事もある

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これほどまでにメリットの多いAI面接ですが、当然対応できない部分も存在します。言い換えれば、人間の面接官だからこそ分かる部分もあるという事です。その代表的なものが「熱意」や「やる気」です。AI面接では顔の表情や仕草、回答の内容を分析して求職者の適性を判断します。

しかし、やる気や熱意は機械的には判断できないため、熱意のある求職者が採用されないケースも出てきます。これはAI面接の限界ともいえる部分であり、今後の改善が期待されます。加えてエントリーシートの仕分けから採用までのすべてをAI面接で完結させることは不可能です。

現在行われているように、一次面接はAIが、二次面接や最終面接は人が行うことが、今のところもっとも理に適っているといえるでしょう。AI面接はかなり進歩しているとはいえ、全てを任せるほどには至っていないというのが実状なのです。

AI面接を導入する方法

自社でAI面接を導入する場合の方法についても解説します。現在可能な導入方法は、AI面接を提供している企業と契約して導入するというものです。AI面接サービスを提供している企業は2019年11月現在で2社あり、自社に合っていると思う方の企業を選択するとよいでしょう。自治体によってはAI面接の導入を支援しているところもあります。

AI面接を上手に活用してよりよい人事を

AI面接は、求職者の機会格差の解消などの観点からこれから主流になるであろう面接方法です。AI面接を導入する企業も増え続けており、より優秀な人材確保に動いています。確かにまだ人間の手を借りる必要はありますが、より多くの求職者にエントリーしてもらうこと、よりよい人材を確保できる可能性を高めるという点では、AI面接のメリットは大きいといえます。ぜひ大企業のみならず、中小企業の人事担当者の方も、AI面接の導入を検討してみてはいかがでしょうか。

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