ヘッドハンターの独り言

天職に至る道

天職に至る道

私の父は絵本をつくる編集者でした。
編集者として多くの絵本を世の中に出してきました。
私も幼少時、父のつくった絵本を読んで育ちました。

3年前に父は他界しました。
先日、父の編集者時代の資料を整理していた時に1冊の雑誌をみつけました。
それは絵本作家と編集者がつくっている同人誌でした。
そこには父がどういう経緯で絵本づくりをするようになったかが書かれていました。

父は高校生のころ小説家になりたかったそうです。
図書館に通い浴びるように小説を読み、自らも小説を書いたようです。
大学に入るとき自分には才能がないと筆をおきました。

父が次に熱中したのは演劇でした。
立ち上げた劇団は小学校などで公演を依頼されるなど地元では一定の成功を収めたようです。
そして俳優を志してプロの劇団に入りますが、そこで芽が出ず悶々としていたときに、出版社に空きがあると劇団の仲間から声をかけられ絵本づくりと出会いました。

読者を想定する、ストーリーを考える、それらはすべてこれまでやってきたことでした。
父は絵本作りをめざして計画的にキャリアをつくってきたわけではありません。
その時々に打ち込んできたことが「結果的」に天職へ至る道になりました。

そして今、父がつくった絵本を私の子供たちが読んで育っています。
父はなかなか幸せな職業人生をおくったのだと思います。

技術の進化は止まりません、業界の要求事項が変わっています。
あなたが現在の職場で培ったスキルも価値がありますが、それにとらわれることなくその時々で気になることを見つけたら打ち込んでみてください。
それがつながっていき、あなただけのキャリアになっていきます。

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