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3位 定着率、2位 信頼感、1位は?リファラル採用のメリットとは/リファラル採用の実態調査レポート

3位 定着率、2位 信頼感、1位は?リファラル採用のメリットとは/リファラル採用の実態調査レポート

プロフェッショナルバンクの顧客を対象に、『リファラル採用』についてアンケート調査を実施いたしました(実施期間:2023年10月24日~11月2日、回答者数:259名)。

アンケート調査から浮かび上がるのは、既存の採用手法と未来の方向性において、社内外のリファラル採用が脚光を浴びていること。成功確度の高さと採用コストの削減が期待される一方で、推薦者の責任の重さやハードルの高さが新たな課題となっています。詳細のレポートをTOPICS1~4でご紹介していますので、より効果的なリファラル採用戦略の構築に向けてのご参考になればと思います。

TOPICS1:今後最も力を入れたい手法はリファラル採用

まず、現在の効果的な採用手法と今後強化を望む採用手法についてご紹介していきます。

Q実施されている中途採用において効果的な手法は何ですか?

現在の採用手法において、人材紹介が最も一般的であり、リファラル採用と回答した企業数にはかなりの差があります。これからリファラル採用の活用が増えていく余地があることが、多くの企業で明らかとなっています。※回答者数 :259名

グラグ:実施されている中途採用において効果的な手法

Q中途採用において今後、力を入れて取り組みたい手法は何ですか?

今後、強化したい採用手法として、リファラル採用が他手法を圧倒しました(「リファラル採用(社内)」(53%)、「リファラル採用(社外)(23%)」)。
今後の採用を担う有望な手法として期待が高まっています。他にはダイレクトリクルーティングと人材紹介が続き、これら2つの主要な手法も今後においても重要視されているようです。※回答者数:259名

グラフ:中途採用において今後、力を入れて取り組みたい手法

TOPICS2:リファラル採用の情報源は社内からが88%

次にリファラル採用の実施状況や促進の手段をご紹介していきます。

Qリファラル採用を実施したことはありますか?

リファラル採用の実施経験があると答えた企業は約75%となりました。※回答者数:259名

グラフ:リファラル採用を実施の有無

Q通常の採用と比べた際のリファラル採用の成功確度を教えてください。

今後、注力する採用手法として選ばれているだけでなく、リファラル採用の成功確度が通常採用よりも「非常に高い」、「高い」とする企業が80%にも及びました。※回答者数:193名

グラフ:通常の採用と比べた際のリファラル採用の成功確度

Qリファラル採用の情報源として最も多いものは何ですか?

社員による友人・知人紹介が圧倒的に多い傾向にありますが、中には社員による取引先の関係者紹介を受けるケースも見受けられます。※回答者数:193名

グラフ:リファラル採用の情報源

TOPICS3:リファラル採用最大のメリットはコスト削減

リファラル採用のメリットとリファラル採用を促進するための取り組みを聞きました。

Qリファラル採用が他採用に比べたメリットは何ですか?

リファラル採用のメリットで最も多かった回答は「採用コストが抑えられる」でした。外部への費用が実質的にかからないため、この点に着目し、促進したいとする企業が多いようです。※回答者数:193名

グラフ:リファラル採用が他採用に比べたメリット

Qリファラル採用を促進する取り組みはありますか?

リファラル採用を促進する取り組みでは、「社員へのインセンティブ」が最も多く、次いで「リファラル採用の状況を共有」、そして「啓蒙・啓発情報の提示・配信」と続きます。社員のモチベーションをうまく引き出し、継続させることを重要視している企業が多いようです。※回答者数:193名

グラフ:リファラル採用を促進する取り組み

TOPICS4:リファラル採用のデメリットは推薦者の責任の重さ

リファラル採用のデメリットと課題に感じていることを聞きました。

Qリファラル採用のデメリットは何ですか?

リファラル採用のデメリットで最も多かった回答は「候補者が活躍しない場合の推薦者の責任が重い」でした。推薦者と候補者の関係だけでなく、組織や人間関係において様々な影響を与える可能性があることが考えられます。※回答者数:193名

グラフ:リファラル採用のデメリット

Qリファラル採用の課題は何ですか?

最後にリファラル採用の課題を自由回答形式で聞き、事務局でカテゴリ別に分類すると「母集団形成」「制度や仕組みの周知」「紹介のハードルの高さ」「選考基準の曖昧さやバイアス」となりました。それぞれの回答例をご紹介していきます。

▼「母集団形成」に関することが課題とされた例
・採用計画に則った採用母数が担保できない
・拠点によって推薦数に差がある
・現状のネットワーク以上に候補者が出てこない

▼「制度や仕組みの周知」に関することが課題とされた例
・妥当なインセンティブ基準の設定が難しい
・リファラル採用自体や求人ポジションの共有体制
・社員エンゲージメントが低く制度として定着しない

▼「紹介ハードルの高さ」に関することが課題とされた例
・紹介する社員が推薦することへの責任が重いと感じている
・社員からの紹介の場合、不採用にしにくい
・独立志向の高いポジションでは離職を恐れ紹介されにくい

▼「選考基準の曖昧さやバイアス」に関することが課題とされた例
・上層部のコネに近い場合、適正な選考が行われずミスマッチが生じる
・選考が甘くなった結果、能力不足や人物的な問題が後から発覚する
・幹部からの紹介者は採用後も過剰な擁護や評価があると感じる

▼その他の回答例
・紹介してくれる社員が、自分よりも優秀な人材を紹介してくれないと感じる
・社員紹介で採用された人材が紹介者の部下となった場合、過大評価が発生する
・取引先の人材を紹介された場合、引き抜きと捉えられて関係が悪化しないか懸念

まとめ

今回の調査結果から 、今後最も力を入れたい手法としてリファラル採用が浮き彫りになりました。特に社内外を含めたリファラル採用が注目を集め、成功確度の高さや採用コストの削減などが期待されています。

課題としては、推薦者の責任の重さや紹介のハードルの高さ、選考基準の曖昧さが挙げられており、これらに対処するための戦略と仕組みの構築が求められます。また、課題の一環として「母集団形成」や「制度や仕組みの周知」に関する具体的な課題も浮き彫りになっています。これらの課題に取り組むことが、リファラル採用をより効果的かつ持続可能なものにするための手段となるでしょう。

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