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ファーストペンギンとは?ビジネス上の意味・特徴・影響力を由来となるペンギンの習性から紐解く!

ファーストペンギンとは?ビジネス上の意味・特徴・影響力を由来となるペンギンの習性から紐解く!

ビジネスの成功者たちのことを、敬意を込めてファーストペンギンと呼びます。本記事では、ファーストペンギンと呼ばれる所以を、由来となるペンギンの習性や特徴、人物事例から紐解いていきます。

ファーストペンギンとは?

ビジネスにおけるファーストペンギンの意味は、誰も踏み入れたことのない新領域に率先して挑戦する人材のことを指します。会社の創業者はもちろんのこと、事業部やチームといった組織においてもファーストペンギンという概念は存在します。

言い換え表現として挙げられるのは、パイオニア(先駆者)です。英語では“First Penguin”と表記し、直訳すると「最初のペンギン」という意味です。なぜファーストペンギンという呼び方をされるのでしょうか。それは、ペンギンの習性が由来しているのです。

由来となったペンギンの習性

まずはペンギンの習性を解説します。ペンギンは常に集団で行動する生態ですが、集団を牽引するリーダーは存在しません。リーダー不在のペンギン組織における集団行動のルールは“最初の1羽”に起因しています。つまりペンギンには、「最初に行動したペンギンの後を追う」という習性があるのです。

この習性は、主にペンギン組織に危険が迫った時や食糧を求めに海の中に飛び込む時に見られます。海の中には、ペンギンの天敵となるシャチやトドがいるかもしれません。そのリスクを一身に背負って、1番に海に飛び込むペンギンこそ、真のファーストペンギンなのです!

実際にファーストペンギンが「リスク背負って飛び込むから俺に続け!」と思って海に飛び込んでいるかは分かりません。自然界の出来事ですから、他のペンギンにそそのかされて飛び込んだのかもしれませんし、後ろから押されてやむなく飛び込んだのかもしれません。

ただ、ペンギン同士のやり取りの真実を知らない人間の目からペンギンの自然界での生き方を観察すると、最初の1羽の勇気ある行動は称賛されるべきだということです。

つまり、ペンギンの習性をビジネスシーンに置き換えてみると、誰も踏み入れたことのない新領域に率先して挑戦する人材に対する敬称として使われていることが分かります。

ファーストペンギン特有の優位性と劣位性

本章では、ファーストペンギンが持つ優位性と劣位性を紹介していきます。

ファーストペンギン特有の優位性

自然界でのファーストペンギンは、先頭に立って海に飛び込むことで多くの食糧を獲得できる可能性が高いという優位性を持っています。ビジネスシーンでは、どのような優位性を秘めているでしょうか。

★先行者利益の獲得

1番に市場に参入したことにより、競合他社がいない(少ない)状態で優先的に利益を得ることができます。優先的な利益とは具体的に、優良顧客の獲得や価格競争の回避などが挙げられます。

★迅速な市場浸透

類似のサービスがない革新的なサービスともなると、市場からの注目度は一気に向上します。認知においては圧倒的な強みが発揮され、広告宣伝費の費用対効果は抜群に良くなります。

ファーストペンギン特有の劣位性

自然界のファーストペンギンは、先頭に立って海に飛び込むことでシャチやトドなどの天敵から真っ先に襲われるリスクを負っています。ビジネスシーンでは、どのようなリスクを覚悟しておけば良いのでしょうか。

▲開拓市場の見極めが難しい

前例がないため、成功するためのプロセスや失敗してしまう恐れのある要因を、あらかじめ把握できている状態で事業を推進することができません。そのため、開拓すべき市場の見極めが難しくなるという点がリスクとして挙げられます。

ファーストペンギンになれる人材の共通点

ファーストペンギンとして有名な人物は次章で5人紹介させていただきますが、実際には名を馳せていなくとも、ファーストペンギンとして活躍している人材は多くいます。ファーストペンギンとして活躍している人材には、3つの共通点があるのです。

①アートシンキングを身に付けている

アートシンキングとは、ビジネスの実質的な縛り(評価・環境・才能・失敗・リスクなど)を超越した思考法です。アーティストは、作品を通じて自身の思いを芸術的に表現することで、新たな価値を生み出します。ファーストペンギンも同様に、目標とする“飛躍した未来”を描き、それを実現していくという考え方が必要になるのです。これにより、斬新な発想や新たな視点からビジネス想起ができるようになります。

②最新のトレンドに敏感である

そして、その“飛躍した未来”を実現するためには、最新の技術やサービスといったトレンド情報に敏感である必要があります。例えば、「開発したいサービスは実際に世の中にはない斬新なものなのか」「そのサービスは本当に市場に浸透するのか」といった目論みは、最新情報なくして緻密な分析はできないでしょう。

③目標とする人物がいる

最後の共通点は、目標とする人物を自ら選定している点です。ファーストペンギンは、新たな領域に率先して挑戦する人材ですから、自身が開拓したい領域に前任者はいません。自身と比較になる対象者がいない環境で勝負しているのです。

そのため、自らベンチマークとなるファーストペンギンを選定することで、その人物と比較した自己分析・現状改善に努めることができるようになります。では、目標となるファーストペンギンとは、どのような人物を指すのでしょうか。次章では、有名なファーストペンギンを紹介します。

ファーストペンギンとして有名な人物とは?

優位性や劣位性を見ても分かる通り、ファーストペンギンは総じてハイリスク・ハイリターンであると言えます。とはいえ、今の便利な世の中があるのは、ハイリスクを恐れずに挑戦したビジネス界におけるファーストペンギンがいたからです。本章では、ファーストペンギンとして成功したビジネスパーソンを紹介していきます。

【世界のファーストペンギン】
スティーブ・ジョブズ 氏Apple Inc.の共同創業者の1人
マーク・ザッカーバーグ 氏Facebook, Inc.(現Meta)の創業者
【日本のファーストペンギン】
柳井 正 氏ユニクロの創業者・ファストファッションの先駆け
鈴木 修 氏スズキ株式会社4代目社長・インド市場の開拓
三木谷 浩史 氏楽天グループの創業者・日本Eコマースのパイオニア

 

【世界のファーストペンギン】

スティーブ・ジョブズ 氏

スティーブ・ジョブズ氏は、Apple Inc.の共同創業者の1人です。iPod、iPhone、iPadといった製品を開発し、携帯電話の概念を覆しました。

iPhoneの発売前は、折り畳み式携帯電話(ガラパゴス携帯)が主流であり、携帯電話は主に電話とメールという用途で使われていました。しかし、ジョブズ氏はパソコンをコンパクトにするという発想からiPhoneの開発に至り、電話もメールもインターネットもゲームも、すべてを1台で完結できるスマートフォンという概念を生み出したのです。歴史に名を刻むファーストペンギンといえるでしょう。

マーク・ザッカーバーグ 氏

マーク・ザッカーバーグ氏は、世界的なSNSであるFacebookを開発しました。今やIT技術革新の代表例として挙げられるソーシャルメディアを牽引する存在です。インターネット上で社会的な“繋がり”を構築できるサービスは革新的であり、現代では当たり前に誰もが利用するSNS社会におけるファーストペンギンが彼です。

【日本のファーストペンギン】

柳井 正 氏

柳井 正氏は、大手ファッションブランド「ユニクロ」の創業者で、現在は企業グループ持株会社であるファーストリテイリング代表取締役会長兼社長を務めています。

日本国民にシンプルなデザインのファッションを流行させた代表的ブランドがユニクロです。低価格×高品質の衣料品を大量生産するファストファッションというビジネスモデルを確立させたパイオニアとしてファーストペンギンとなりました。

鈴木 修 氏

鈴木 修氏は、軽自動車やコンパクトカーで有名なスズキ株式会社の4代目社長であり、40年以上にわたってスズキ社の成長を牽引してきました。4代目にしてファーストペンギン。その最たる所以は、新市場の開拓力にあります。

鈴木氏はインド市場の開拓に向けて、“自ら”技術力をアピールしました。その結果、インドの国民車構想において、唯一社長が出向いたことで好印象を与え、世界各国の自動車メーカーに勝ち、現地のマルチ社と連携してマルチ・スズキ・インディアを設立。今では、インドシェアは50%近くにも上り、日本での販売拡大にも成功しました。

これは、日本の自動車メーカーがインドを初めとする世界市場に注目するきっかけになった出来事となりました。自動車業界の販路において新たな挑戦を試みて見事に成功を収めたファーストペンギンといえます。

三木谷 浩史 氏

三木谷 浩史氏は、日本最大級のオンラインショッピングモールである楽天を創業し、現在は楽天グループの代表取締役会長兼社長を務めています。

日本にインターネットが普及し始めたタイミングで、日本にEコマースという新たなサービスモデルを浸透させました。家に居ながらモノが買えるという革新的な発見により、瞬く間にユーザの心を掴むことになります。

世界的な流行をいち早く日本に浸透させたパイオニアであり、日本におけるEコマース市場のファーストペンギンとして代表される人物です。今や楽天グループは、トラベル・モバイル・銀行・証券・保険・決済アプリ・クレジットカード、プロスポーツなど、サービスを多角化させています。

実は三木谷氏はセカンドペンギンとしての能力も併せ持ちながらビジネスを展開しています。セカンドペンギンとは何か、次章で解説していきます。

セカンドペンギンとの関係

セカンドペンギンとは?

セカンドペンギンとは、ファーストペンギンの動向からリスクを判断して行動する人材を指します。

ペンギンの世界で例えると、「ファーストペンギンが天敵シャチに襲われていないか」「飛び込んだ海の中には食糧があったのか」を把握してから海に飛び込みます。このセカンドペンギンの概念をビジネスに転じて考えると、「ファーストペンギンの結果を参考にして市場への参入可否を決める」「リスクを把握したうえで新たな戦略を立てて臨む」という意味になります。

セカンドペンギンの重要性

ペンギンは集団で行動する生態ですから、ファーストペンギンだけが海に飛び込んでいる状態は正常とは言えません。ファーストペンギンが“海に飛び込む”きっかけを作る存在であれば、セカンドペンギンは“後に続く”きっかけを作る存在になるのです。

ビジネスでも同じことが言えるでしょう。市場を継続させる、市場を拡大させる点において、セカンドペンギンは重要な役割を果たしています。セカンドペンギンが新たな市場についていく勇気と、ファーストペンギンから分析した新たな戦略を武器に市場参入することで、より大きな市場が生まれていくのです。

永遠に競合のいないサービスはありませんから、後から参入してくる者が多いほど、ファーストペンギンは良い海に飛び込んだということになります。これを踏まえると三木谷氏は、楽天という会社でファーストペンギンとして市場の開拓もしながら、セカンドペンギンとして市場の拡大・成長を実現しているのです。

事業を成長させるためのファーストペンギン獲得戦略

前述したとおり、ファーストペンギンという概念は会社単位・部署単位・チーム単位でも存在します。例えば、「“あの”技術があれば自社の技術と掛け合わせて新規事業を始められるのに…」「“あの”技術があれば自社の得意とする市場にも浸透させられるのに…」といったもどかしい思いを持つ企業もあるでしょう。

企業それぞれが思う“あの”技術を獲得するためには、社内からファーストペンギンが育つのを待つのではなく、外部から積極的にファーストペンギンを獲得していく必要があります。ファーストペンギンの獲得に適した戦術として2つのソリューションを紹介します。

ヘッドハンティング手法

ヘッドハンティングとは、企業が必要とする人材を転職活動者以外も含む全労働人口からサーチして見つけ出し、移籍を後押しする攻めの採用手法のことです。

我が社のヘッドハンティングサービスにおける、一般的な人材紹介サービスや求人媒体とは異なる特徴として、下記が挙げられます。

◆転職市場のビジネス人口(5%)以外の転職潜在層(95%)もターゲットになる
◆転職潜在層までサーチしコンタクトするためのリサーチ部隊を組成
◆実績の98%以上が、通常での採用が難しい技術職・専門職・経営人材
◆業界最高水準の移籍成功率と99%の移籍後定着率
◆顧客の事業戦略に沿った透明性の高いプロジェクト活動

ヘッドハンティングは、ファーストペンギンの獲得戦略の1つとして、有効な手法です。

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高度プロ人材のノンフルタイム支援

高度プロ人材のノンフルタイム支援とは、知見者の経験やノウハウによって事業課題を“短期間”で解決に導く手法です。顧問紹介サービスとも言われます。

我が社の顧問紹介サービスで解決できる課題は大きく3つです。

◆短期プロジェクトで効果的な解決課題
◆圧倒的なコストメリット
◆製造業に特化したコンサルティングチーム

ファーストペンギンの能力として必要とされる技術知見と業界経験を有する高度プロ人材を、顧問として活用することができます。専門人材・技術顧問のご紹介はプロフェッショナルバンクにお任せください。

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まとめ

技術革新に伴い、多くの新しいサービスが生まれています。さらに激化する国際競争を勝ち抜いていくためには、1人でも多くのファーストペンギンとなる人材を獲得し、自社のビジネスを拡大していくことが求められるでしょう。

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