ヘッドハンターの独り言

型があるから型破り、型がなければ単なる形無し

型があるから型破り、型がなければ単なる形無し

こちらを読んでいただいているみなさんにも、「心に響いた言葉」があるのではないでしょうか。先生、上司など尊敬する方からの言葉、ドラマや映画、小説でのセリフなど、心動かされた言葉があると思います。私の場合は、歌舞伎役者の18代目中村勘三郎さんの言葉がとても響きました。

18代目中村勘三郎さんは、王道の歌舞伎だけでなく、現代劇の劇作家と組んだ新解釈版の歌舞伎を上演するなど、多様なスタイルに挑戦をされていた歌舞伎役者さんでした。ある時、記者の方から「勘三郎さんの演技は型破りですね。」と言われたことに対し、「型があるから型破り、型がなければ単なる形無しなんだ。」と答えたそうです。

「型」とは一朝一夕に作られるものではないと思います。「型」が作られていく過程においては、多数の無駄な動きや意図しない遠回りがあると思っています。ただそれらの無駄をそぎ落とした結果「型」ができあがって、そこに自分なりのスタイルを取り入れるのが「型破り」だと思っています。

私の趣味の1つであるスキーを例に話をしますと、スキーにも「型」(理論)が存在し、「型」を体得していればどんな斜面でも安定したスキーができます。

最新のスキー板は体を横に倒すだけで曲がる(ターンする)ことが可能で、スピード域や斜面の角度によって体を倒す程度を調整すれば、どんな斜面でも滑ることができます。これがスキーにおける「型」です。ですが単に体を横に倒すだけでは、「型破り」なスキーにはならず、体のあらゆる部位の使い方を試行錯誤することで、よりスピードが上がる、ターンにキレが出るなど、他とは違う「型破り」なスキーになっていきます。

ビジネスの場においても同じです。優秀な方々に成功の秘訣を伺うと「基本的なことしかしていません。」と仰います。「型」を知っており、「型」を意識して仕事をされているのだと思います。そしてその上をいく方々は、「型」に自分なりのスタイルを加えることができるので、他にはない「型破り」な仕事ができるのだと思っています。

私も、みなさんの期待のその上の価値をご提供できるよう、「型破り」な仕事人を目指して日々精進します。

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